「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」の結果が報告されました。その結果は悪くはないのですが問題点も見えてきました。

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「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」の結果が報告されました。その結果は悪くはないのですが問題点も見えてきました。

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小学4年生と中学2年生を対象として数学と理科の国際的調査が行われています。
「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」と呼ばれるもので4年ごとに実施されるのですが、2019年の結果が公表されました。
小学4年生は58の国と地域で、中学2年生は39の国と地域で調査は行われ、日本は中2の数学が8点上昇し、過去最高の点数を記録しました(第4位)。
小4の算数は世界5位、中2の理科は世界3位、小4の理科は4位と平均してよい成績を修めました。

この調査によると日本は成績の上位層と下位層の差が小さいのが特徴と言われています。
このことは日本では地方も中央も同等の教育水準が保たれていて、教員の指導力の高さが会の子供たちを引き上げていると文科省は分析しています。

ただ、問題点としては学習意欲などを尋ねる調査では国債平均を下回っているという結果が出ました。
算数・数学が楽しいかという問いに対して、小4が77%(国際平均84%)、中2が56%(国際平均70%)が楽しいと答え、理科の勉強に関しては、小4で92%(国際平均86%)、中2で70%(国際平均81%)が楽しいと答えたそうです。
また、同様に学習が日常生活に役立つと考える中学2年生の割合も海外に比べて低い結果が出ました。

学年が上がるごとに学習内容が難しくなってきて簡単には分からなくなる。
その時的確にフォローしてくれる人がいればいいのだが、子供ができないことに耐え切れずイライラして当たってしまうような対応をされると、子供は勉強に対する興味が一気に失せます。
加えて、勉強を頑張るように励ます、大丈夫、できるようになるからと安心させ促すように接してくれればいいのですが、なんでできないんだと本人を否定したり、勉強なんか何の役にも立たないと周りが無責任に言ったりするのも、せっかく勉強をしようという気持ちをなえさせます。
多くの子供たちと接し(そのうちの多くは勉強に苦労しているのですが)分かったのは、このような経験をしている勉強嫌いの子供が非常に多く、大人の心無い接し方が子供の学びへの好奇心を奪っているのが分かります。
このようなことも今回の調査結果は物語っていると思います。

更に今回の調査から分かったこととして、日本の教育におけるコンピューターの普及の遅れも指摘された。
シンガポールや韓国、台湾などアジアでも高い教育水準を維持するところが今回のテストで軒並みコンピューターを使った解答を採用したところが多かったが、日本だけは従来通りの筆記式で、日本の生徒たちがコンピューターを使った文章作成能力などで遅れを取っていることが明るみになりました。
実際に学校へのコンピューターの普及は政府の声明とは裏腹に遅れており、子供たちの中にはこれらの扱いに不慣れな者が多く、これらの技術的な整備がまだ十分でないことを物語っていました。

この点に関しても何年も前から全国の学校にコンピューターを備え、Wi-Fi環境を整え、授業でも積極的に活用すると言いつつも一向に進みませんでした。
今回のコロナ禍においてようやくオンライン授業の有効性(整備の整っていた私立学校では勉強が滞らなかったのに対し、ほとんどの公立学校では勉強が完全に停止してしまった)を指摘されたにも関わらず、未だに十分に整備ができていません。
これは要するに関わる人間がどれだけ本気で取り組んでいるかということでしょう。
口では言いつつも行動しないのは、そのつもりがないからではないでしょうか。
特に年配の職員や関係者は新しいものに対して、自分が適応できないから積極的に導入したがらないという点が挙げられます。
コンピューターやWi-Fiだけでなく、それを使いこなし教えることができる人材の育成、または投入が求められますが、どうもそこまで手が回っていないようです。
つまり、子供が使いこなせないというより、使いこなせるように指導できる環境と人材がないということが原因ではないでしょうか。

これまでの教育を見直して新しい教育を目指すとして、現在日本では教育改革が進められていますが、今回の調査結果によるとまだその成果は出ていないようです。
自ら考え答えを導き出せる人材を育てると銘打って、教育方法や評価の仕方、教育内容まで改変が求められていますが、これらが焦点とする、子供の思考力や想像力は全般的に、日本の生徒は正答率が低かったようです。
例えば、小4の理科、砂漠の絵を見て生きものと生きものでないものを答えさせる問題では、国際平均45%だったのに対して37%で、身近でない物事に自分の想像力を使って考えることが苦手なのではないかと言われています。

また、同じ問題から言語能力の低下を指摘する人もいます。
つまり、「生き物」というのが何なのかわかっていないということだそうです。
似たような言葉の違いが分からない、使い分けができていない。
「生き物」ということと「動物」ということがどう違うのか、「虫」は生き物だが「動物」ではないというのが分からない生徒が多いようです。

そして、記述式の問題は軒並み正答率が低く、思考力や表現力が十分に育っていないことが懸念されています。

実際に子供たちと接して記述問題は敬遠されます。
分からないというのもありますが、面倒くさいからやりたがらないというのが個人的には気になります。
(逆に言えば、きちんと解き方を理解してやればできるのに、やる前にあきらめているということ)
面倒くさいことを非常に嫌がるというのは現代の価値観が影響していると思います。
大人もよく面倒くさいと口にするし、面倒くさいことはやらない、面倒くさくないのがいいことと我々は考え口にしていないでしょうか。
子供は大人をよく見ています。
大人の何気ない言動が子供に大きな影響を与えてるということはよくあり、気を付ける必要があります。

語彙力や表現力の貧しさも目につきます。
言葉を知らないから使えない。
これはSNSなど便利なツールが普及すると同時に、接する人間の多様性が減り、お互いによくわかっている同じ人間とばかりコミュニケーションをとるので、あえて相手に理解してもらう、そして相手を理解する努力をあまり必要としないからでしょう。
これも時代の仕方ない流れと言ってしまえばそれまでですが、子供の成長を考えるものとしては、何らかの対策をとる必要があると思います。
言語の問題は実はとても重大な問題で、何故なら言語は直接人間の思考につながるからです。
(この点はまた別の機会に議論したいと思います)
いずれにしても、言語能力の問題は単純に国語の問題ではなく、日常生活の中でのもんだいと私は認識しています。

子供たちの学力の国際比較はしばしば行われ、毎回興味深い結果からいろいろなことを考えさせられます。
今回も点数的には上位の日本のこどもたちですが、学びに対する喜びや幸福度が低いのは、日本の教育に対する姿勢が大きく影響していると思います。
また、子供が勉強で壁にぶつかったときの大人がどのように対応してあげられるかということも個人的には重要な課題だと思います。
文章を理解したり発信したりする能力が低いと指摘されたことも心配です。
これらは学校だけの問題ではなく、子育ての問題で社会で取り組むべき問題ではないかと考えます。

子供たちの学びや成長に対して心配事や悩みがある方はどうか気軽にご相談ください。
一緒に考え、子供たちの支えになりたいと思っています。

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