書籍紹介『名前のないことば辞典』皆さんが考えている辞典とは違い、様々な動物たちが織り成す物語の中で言葉を紹介している絵本のような、一風変わった辞典です。

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書籍紹介『名前のないことば辞典』皆さんが考えている辞典とは違い、様々な動物たちが織り成す物語の中で言葉を紹介している絵本のような、一風変わった辞典です。

事典というと分厚く、どんな知りたい言葉でもしっかり説明されているイメージですが、今回ご紹介する『名前のないことば辞典』(出口 かずみ)は違います。

『名前のないことば辞典』へのリンクはこちら

こちらの事典はオノマトペ(擬音語・擬態語)を扱ったものなのですが、普通の辞典のようにそれぞれの単語が見出しとなって、そこに語の説明がついているという形式にはなっていません。
「では、どうやって言葉を理解するの。」と思われることでしょう。

実は、絵を使って状況を描写しながら、オノマトペを分かりやすく示しています。
同じ「じりじり」でも色々な意味があるんだな、病院など特定の場面でよく使うオノマトペにはどのようなものがあるのだろう、なんてことがイラストを使って理解しやすく表現されています。
しかも、ただイラストが並んでいるのではなく、一つのお話となっているので、辞書を引くというより、物語を読みながら言葉を理解するという工夫がされています。
しかも、登場しているキャラクターは全て動物でとてもかわいく、それがコメディーのように様々な事件や出来事を繰り広げているので、本当に面白い読み物として読むことができます。
大人だけではなくお子様もきっと楽しく、そして、夢中になって読むことでしょう。

オノマトペと言うのは日本語の特徴の一つで、その豊富さは他の言語を圧倒します。
言葉が豊かということは微妙な違いやニュアンスも表現できるということで、日本という独特な空間で長い歴史をかけて培われた言語だからこそできる技です。
オノマトペもそんな背景から発達したもので、日本人なら当たり前のように表現していますが、実は外国語で同様に表現しようと思うと非常に難しく苦労します。

しかも、この感覚は言葉を知れば分かるものではなく、日本という社会の中で生活し自分の経験を積み重ねることで初めて習得し理解できるものです。
日本語が多言語より難解と言われる理由はそこにあります。
単語や文法を知るだけでなく、文化的背景や社会的側面、人間関係の在り方などと直接日本語は結びついているのです。
日本人なら誰でも感覚的に理解できる「ヒューヒュー」と「ピューピュー」の違いも、日本語を学ぼうとする外国人には非常に大きな壁となって彼らの前に立ちはだかります。

普通の辞典のように言葉だけで分かればいいのですが、本書のようにイラストになった方が視覚的になって理解しやすいと思います。
しかも、ストーリーになっているので、使用の文脈など、一般辞書では書かれないことも理解できます。

楽しいイラストと面白いストーリーで、これはまさしく読む辞典です。
堅い勉強ではなく愉快な余暇の感覚で、オノマトペについて知識を深められる最高の一冊だと思います。

この本は遊泳社が出版する“言葉を楽しむ辞典”として立ち上げた「YUEISHA DICTIONARY」というシリーズの中の一冊です。
他にも『悪魔の辞典』『ロマンスの辞典』『言の葉連想辞典』があり、こちらも同様に非常に面白い辞典になっています。
本当に面白いので、こちらも後日、紹介させていただきます。

葛西TKKアカデミーではこのように楽しく学べる機会を重視しています。
勉強が苦しみではなく楽しみなのだと分かってくれることを願います。

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