塾長ブログ
2017.02.15
SNSの弊害 - 生活習慣の乱れ
インターネットや携帯電話が普及し、誰でも簡単にSNSを利用できる時代になりました。
新しいものへの適応力のある子供たちは、あっという間にラインやインスタグラムを使いこなしてしまいます。
私は年のせいか、あまりSNSに興味はないのですが、子供たちは知らない間にグループを作って、暇さえあればお互いにメッセージや画像のやり取りをしています。
この順応性の高さは驚くばかりです。
ただ、子供たちは自分をコントロールする能力が未発達なので、SNSにのめり込んでしまうことも多々あります。
やはり、楽しいことはどうしても優先してしまって、楽しくない(と思っている)こと、例えば勉強とか、は後回しになりがちです。
SNSはどこまでやれば区切りがつくというものではなく、その気になれば永遠に続けられるので質が悪い。
また、SNSは相手がいるものなので、相手がメッセージを送ってきたらすぐに返事をしないと友達関係に悪影響が及ぶと子供たちは考え、常に気にしなければならない。
こんな誘惑としがらみに満ちた世界の中で生徒たちは勉強しなかればならないとは、同情を感じずにはいられません。
こんな時代なので、SNSを手放すわけにはいかない。
それならば、SNSとどのように付き合えばいいかを考えなければならない。
この点に関しては別の機会で触れようと思います。
本日言及したいのは、SNSによって子供たちの生活習慣が乱れてきているということです。
最近、中学生の中に昼夜が逆転している生徒が目立ちます。
夜に眠れず、明け方になって眠くなり、昼間は寝てしまう。
成長期でホルモンバランスが崩れ、それで生活リズムが変調をきたし昼夜逆転することがあるそうです。
この場合、薬や明りの調節によって体内時計をリセットできるそうです。
しかし、子供たちの話や生活の様子を聞くと、それよりもむしろ携帯やパソコンなどの情報端末を遅くまでやって、目がさえ眠気がなくなり、気づけば朝になり、それが毎日続き昼夜逆転になることが多々あるようです。
彼らのSNSをはじめとする情報技術の利用状況を考えると、これは十分納得のいく説明です。
携帯やパソコンのスクリーンから発せられる人工光、特に青の光、が体内の細胞に強く働きかけ、睡眠リズムをつかさどるホルモンの分泌を活発にします。
結果、体内時計が自然光と異なる刺激を受けることによって、リセットされ夜になっても眠気が発生しなくなるのです。
加えて、SNSの楽しさが時間の経過を忘れさせ、義務感やいつメッセージが来るかもしれないという意識が子供たちから眠りを奪うのです。
これが続き、夜眠れない習慣ができる。
まさに生徒たちの話と一致します。
仮に夜遅くになってようやく眠れたとしても、睡眠時間の短さと、人口光の刺激による睡眠の浅さが、翌日の脳の働きを妨げます。
十分な睡眠を取らなかった場合、脳はほろ酔い状態と同程度の働きしかできなくなるそうです。
当然、注意力も散漫になり、授業でやったことも頭に入ってこない。
さらに記憶は睡眠中に形成されるので、寝不足は記憶の定着にも悪影響を及ぼします。
まとめると、SNSは現代社会の中では欠かせないと言っても過言ではない。
この環境にいる子供たちはSNSの影響下にあり、情報端末使用時に発生する人工光は体内時計に作用し、眠りのリズムを変化させ、昼夜逆転の生活に陥りやすくなる。
昼夜逆転までに至らなくても、不完全な眠りは脳の働きを低下させ、学習効果を著しく妨げる。
こういう理由で、SNSとの付き合い方が勉強に大きく関わると言えます。
ならば、付き合い方をしっかり対策を練る必要があります。
個々の状況や考え方があるので一概には言えませんが、やはり家庭内でルールを作るというのが一つの方法でしょう。
子供とよく話し合い、お互いが納得いく方法で対応するのが大事です。
家のルールと言えば、付き合いでSNSに答えなければならない場合の断る言い訳にもなります。
SNSは社会現象なので、子供一人で解決させるのでなく、家庭や社会が一丸となってこの問題に取り組むことが大切です。
SNSについては別の機会にまた話そうと思っています。
とりあえず今日はここまで。