塾長ブログ
2017.03.27
最近の生徒のSNS事情
先日、SNSの弊害についてお話しました。
今回は生徒たちのSNS事情についてお話します。
私たちが子供のころにはなかったものなので、今の子供たちがSNSとどのように接しているのか予想が難しいのです。
しかし、塾で彼らから聞いたり、その活用を見たりするといろいろ分かります。
まず、彼らのネットワークの構築の早さにはびっくりします。
先日都立高校に合格した生徒たちは、合格発表の時にもうlineのグループを作り登録しているそうです。
もう友達ができたと自慢していました。
自分たちのころは友達作るのに一苦労していた気がします。
ましてや、入学前にできるなんであり得ない。
知らない同級生に声をかけるだけでドキドキして、なかなか勇気が出なかった記憶があります。
今はもう「lineに入ろう。」でいいんでしょうね。
気軽に声をかけられる時代になりましたね。
ただし、その生徒たちもlineのわずらわしさを指摘していました。
せっかく入ったはいいが、頻繁に送られてくるメッセージに対応しなくてはならず、それが面倒だと言っていました。
無視するわけにもいかず、こういう点ではこの時代の生徒でなくてよかったと胸をなでおろします。
また、SNSをうまく使って情報交換をしたり、自分が見逃した情報を得たりしています。
テスト範囲が分からないとき、宿題が何だったか確認するとき、提出物がいつまでか。
SNSを使って仲間に問いかければすぐに誰かが返事をしてくれます。
問題が解けないときも、できる仲間に聞けば答えが分かります。
わざわざ友達に聞かなくても、インターネットで単語を調べるなんてお手の物です。
面倒見のいい優等生はわざわざ自分で予想問題集を作って定期試験前に仲間に送信してくれます。
確かにうまく使えば自主学習に大いに役立ちます。
問題解決も簡単です。
しかし、思うのですが、ネットワークを使えば個々の負担が減り楽になるかもしれませんが、そもそも勉強は楽をするのがいいのでしょうか。
いろいろ苦労するから、自分も頭で考え、思考が発達するのではないでしょうか。
確かに答えは出ますが、答えが出ただけで、自分で導いた部分が少ないので、また同じ問題で解けなくなってしまう。
これでは勉強の意味がないように思えます。
他人頼りにしていると、授業中で一字一句逃さず自分のものにしようという貪欲さがなくなり、結局授業が上の空になってしまうのではないかと心配です。
助け合いはいいのですが、ある程度自立もしないとネットワークのしがらみから逃れられず、己の自由が減ってしまう。
でも自己解決できないから仕方ないと妥協し現状に甘んじる。
いささか恐ろしい気もします。
私一人の老婆心であってほしいものです。
今の子供たちはもっと柔軟に適応できると願いたいです。
SNSのしがらみには子供たち自身も苦労しているようです。
SNSは勉強の妨げになることはわかっているようで、彼らなりに何とかしようという動きもあります。
よくあるのは、携帯電話などの自分の手の届かない場所において、物理的に距離を置くというものです。
「携帯があるとつい触って、勉強しなくなる。」とよく言っています。
だから、テスト期間中などはどこかに隠してしまうそうです。
これができる生徒はまだいいのですが、完全に断つことはかなり難しいようです。
SNSは道具です。
上手に使えばとても有益ですが、下手に使えばとても有害です。
だから使う者次第。
まあ、無責任な言い方です。
しかし、残念ながら新しい技術で人類の経験が浅く、確立した方法が見つかっていないのです。
手探り状態。
これはSNSに限らず、発展には必ずついてくる問題です。
一昔前なら大人が経験から的確なアドバイスができましたが、今は大人すら未経験で結果がどうなるか自信が持てないのです。
子供から見れば頼りない存在です。
これが現在社会の実情なのでしょう。
大人も子供も厳しい時代に生きています。