塾長ブログ
2017.06.28
綺麗な文字で書くー読んでもらえる解答を書く
高校入試には必ず作文が出ます。
それ以外でも学校やテストで文字を書く機会は多いです。
また、新しくなる大学入試には記述問題が増えるようです。
そうなると今まで以上に採点者に読んでもらえる字で書くということが大切になってきます。
しかし、生徒(特に男子)の文字を見ると、汚いと言わざるを得ないことが多々あります。
そこでよく「字を綺麗に書きなさい。」というのですが、「綺麗な字」とはどんな字でしょうか。
ここで言う「綺麗な字」とは、書道家が書くような芸術的な文字ではないということです。
そこまで素晴らしい文字を生徒に求めていませんし、私も書けません。
私も生徒のいろいろな文字を見て思うのですが、
それは読み手が読むのが嫌にならない文字ということではないでしょうか。
よく癖字とか言いますが、癖字は決して悪くないと思います。
むしろそれは個性でいいと思います。
癖字でも決して読むのが嫌にならないものもあります。
大事なのは丁寧に書くということです。
いい加減に急いでぐちゃぐちゃっと書くから読みにくいし、読むのが嫌になるのです。
実際、テストで採点するときは採点者の裁量に任されているところが大きいので、
いい加減な文字(読みたくない文字)を書くと、内容を吟味する前に×にされます。
一人で何十人、何百人を限られた時間で採点しなければならないので、
一つ一つ生徒を思いやりながら読んだりはしません。
そんなことしては採点が終わらないからです。
ましてや少しでも減点をして生徒間に差を付けなければならない立場なので、
少しでも読めない字、他の文字に見える字はことごとく悪意のなる解釈のもと×にします。
とは言え、きちんと書いているものを×にはできないので、
丁寧な文字で書くということが大事になっていきます。
つまり、テストを考えると丁寧な文字で書くとは、
採点者につっこまれない文字で書くということです。
この点においてはコツがあり、私は次のように指導しています。
(一般に文字を書く時にも参考になると思います。)
1.読み手を考え一画ずつ書く
具体例を出したいところですが、ここでは無理なのでできませんが、
いい加減な字を書く人はよく、自己流のつづけ字を書きます。
それは早く書けるかもしれませんが、他人には読めない文字です。
(中には自分ですら読めないときもあります。)
最初はイラつくかもしれませんが、一画一画、止め、はらいをしっかり意識して書きましょう。
スピードはだんだん自然についていきますから、先ずはゆっくり書きましょう。
2.文字のバランスを考えて書く
文字には一つ一つの形があります。
その形に収まるように書くとバランスが良くなります。
例えば、「あ」は○、「す」は▽、「ふ」は△などです。
漢字でも偏は半分よりやや狭目に書くなど、文字の形を意識してください。
3.文字の形を統一する
同じ文字は同じように書けると整って見えます。
同じ文字が書くたびに変わっていたのであれば、やはり読みにくいです。
癖字でもこの統一感があれば綺麗に見えます。
自分の中で文字の形を決めて書くようにしましょう。
4.行の中でバランスを統一する
行の中心に線があると思って(慣れるまでは実際に書いても構いません)、
それに沿うように書く。
自分は右寄りが好きだというのであればそれでも構いません。
上から下までまっすぐに字が降りていくと気持ちがいいです。
5.平仮名は漢字より小さく書く
画数の少ない文字は大きく見えます。
これは目の錯覚です。
だから、平仮名や画数の少ない漢字は、他の文字と同じ大きさで書くと、
大きく見えてバランスが悪くなってしまいます。
気持ち小さく書くと丁度同じ大きさに見えます。
こうなるまでには練習が必要です。
今の世の中では実際にペンを持って手で字を書くという機会が減っています。
しかし、練習しないと上達はないので、意識して書く機会を作ってください。
特に生徒はノートやテストなど、まだ練習の余地は残されていると思いますので、
面倒くさがらずやりましょう。
せっかく良い文を書いても、見た目で×にされてはたまったものではありませんから。