塾長ブログ

2017.12.19

「ながら学習」は効果があるのか。葛西駅そば、個別指導塾葛西TKKアカデミーは生徒たちの交流を通して、生徒たちの勉強の仕方について考えます。

他のことには目もくれず生徒が勉強に集中している姿を見ると、大人たちは安心します。
一方、何もない環境だと落ち着かないと訴える生徒もいます。
実際に生徒たちを見ると、音楽を聴きながら勉強している者やおしゃべりをしながらしている者もいます。
勉強だけをするのと他のことをしながら勉強するのでは、どちらが効率的なのでしょうか。

1. 音楽を聴きながら勉強する
これをする生徒が非常に多いです。
でも、大人からすると音楽で気が散らないか心配です。
私の経験から考えると、勉強がはかどる場合も妨げになる場合も両方あります。

メリット
 音楽を聴くことで気分が高揚しやる気になる。
 リラックスして勉強内容が頭に入りやすくなる。(音楽で脳内のα波を高めると集中力が増し記憶力も高まる。)
 明るい曲は眠気覚ましになる。
 他の雑音をシャットアウトする。
 
メリット
 音楽によっては集中力を損なう。(音楽を流すのではなく聴くようになると、集中力が分散される。)
 脳内のワーキングメモリーを音楽が消費していまうため、勉強が頭に入ってこない。
 逆に音楽がないと気分がのらず、勉強できなくなってしまう。

以上のようにメリットとデメリットがあります。
しかも興味深いのは、音楽には真逆の効果があるということです。
つまり、音楽そのものよりも、音楽の種類、聴く環境やタイミングなどが影響するということです。
だから一概に禁止するのは、もしかするとその生徒に合った勉強を奪っているのかもしれません。

2. ラジオやテレビ聞いたり見たりしながら勉強する
こちらも音楽と同様の効果が考えられます。
思考能力を使わない単純作業であれば問題ないでしょう。
しかし、高度の試行が要求される勉強では障害になるかもしれません。
要はテレビやラジオを聞き入って、そちらに神経が向かってしまうと勉強の効率を落としてしまいます。
特にテレビは聴覚のみならず視覚も持っていかれるので注意しなければなりません。

3. おしゃべりをしながら勉強する
生徒が友達を誘って自習などするときによく見かけます。
おしゃべりをしながらの勉強です。
一応手は動いているのですが、ずっと話しています。
これが単純作業であれば、リラックス効果もあり成果があると思われます。
しかし、勉強のように学習・習得を求められる場合、集中力が分散されて効果が上がらないでしょう。
集団の共同学習であればコミュニケーションを通じ学習効果が期待できます。
しかし、個人個人が異なる勉強をする場合、それぞれが違ったことを学習するので共同作業のような効果は難しいでしょう。
リラックスと安心感はあるかもしれませんが、それ以上にマイナス面が心配です。
聞くと本人たちは「やっています。」と言います。
確かにそうですが、本来10できるものをおしゃべりで5しかできないのであれば、勉強の効率という点において意味がありません。

4. カフェなど雑踏の中で勉強する
カフェで勉強する生徒もよく見かけます。
もちろんカフェは公共の場で、その人のためだけにあるのではないので、様々な人が様々な目的で利用します。
当然、静寂ではありませんし、時には隣の人がおしゃべりをすることもあります。
こちらもメリットとデメリットが考えられます。

メリット
 お金を払うという行為が、それを無駄にしたくないという思いになりやる気になる。
 音楽と同様に雑音がBGMの効果を生み、集中力が上がる。
 家と違い、テレビやゲームなど誘惑がない。
 ドリンクがありリラックスができる。
 適度なカフェインは覚醒効果があり集中力も上がる。
 勉強に行き詰まったら、ドリンクや軽食が食べられ、適度な気分転換ができる。

デメリット
 店に長居をすると店員からプレッシャーを与えられ、店を出ないといけない場合がある。
 あまりにも騒々しいとやはり集中力を損なう。
 読書くらいならいいが、資料を広げて調べたり、ノートを広げて勉強できるほどの机が確保できないときがある。
 費用が掛かるので、特に生徒たちは頻繁に利用できない。

以上の注意点に加え、もともと勉強するための施設ではないし、他のお客様もいらっしゃるので、迷惑を掛けないようにマナーを守りましょう。

5. lineなどのSNSをやりながら勉強する
これは以前(2017/09/02 ブログ『衝撃の結果! スマホの使用で学習効果が消える!』)書かせていただきましたので、ここでは深く触れませんのでご参照ください。

『衝撃の結果! スマホの使用で学習効果が消える!』へのリンクはこちら

結論から言いますと、これは非常に危険で是非やめてください。
勉強しても効率が上がらないどころか、「無」になってしまいます。
残念なことは、これを多くの生徒たちがやっており、本人たちは全く気にしていないということです。
道具として調べものをしたり、友達と分からないところを教えあったりするのであれば、非常に役立ちます。
しかし、勉強以外の目的で使い、そちらの方が欠かせなくなって勉強より優先されるようならば大変問題です。
実際にそうなることの方が多いので、勉強中はスマートフォンなどは手元に置かないのが賢明です。

「ながら勉強」は必ずしも悪いとは限りません。
場合によっては勉強に役立つ場合もあります。
勉強は極めて個人的なもので、人によってその方法も異なります。
だから、一律にしてはいけないとは言えません。
大事なのはメリットとデメリットを見極め、どうすれば自分の勉強の効率が上がるか考えることです。
そして、いろいろ試し、自分に最も合った勉強方法が見つかれば、それが「ながら勉強」でもいいのではないでしょうか。

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