塾長ブログ

2020.06.20

文科省が来年の大学入試の日程を発表しました。コロナウイルスの影響を受けた受験生の救済策はあるのか。まだ不透明で問題点も指摘されています。

文科省が来年の大学入試の日程を発表しました。コロナウイルスの影響を受けた受験生の救済策はあるのか。まだ不透明で問題点も指摘されています。

コロナウイルスによる混乱で休校になり勉強に著しく影響を受けた現高校三年生ですが、文科省はいつまでも先が見えない状況は受験生によくないとして、17日に大学に入試日程を決定しました。

それによると日程はほぼ例年通りとなり、共通テストは1月16日、17日となっています。
注目すべきは、コロナウイルスでの休校により発生した勉強の遅れを配慮して、これを理由に1月30日、31日に定められた追試験を選択することも可能となったことです。
そして、追試日のさらに二週間後にも予備日を設けています。
私立大学の受験は2月1日から始まり、2月25日以降には国公立大学の前期試験が行われます。
3月8日から公立大中期試験、3月12日から国公立後期試験と入試スケジュールは変わりません。

また、9月から始まる総合型選抜(これまでのAO入試)は出願時期を2週間繰り下げ9月15日、11月1日からの学校推薦型選抜(推薦入試)の出願が始まるということも決まりました。

出題範囲に関しては共通テストでは特に配慮しないそうです。
各大学の個別試験では、高校3年で学習することが多い数学や理科、社会の科目で問題を選べるようにするなど、出題範囲を工夫するよう強く要請しています。
さらに、コロナウイルスに感染した受験生向けて、大学が個別試験で追試を設定するといった救済策も特に強制ではなく、大学が行わなかったからと言ってペナルティがあるわけでもないので、実行性にはかなり疑問が持たれます。

また、コロナウイルスの感染の再拡大などで秋以降に再び休校した場合、高校卒業や大学入学時期が4月以降にずれこむ可能性があることも述べられています。
万が一そうなれば入試日程を大幅に変える方針も確認されました。

以上が発表された内容ですが、この日程ですと追試を受けた受験生は、すぐに私立大学の入試になりますし、予備日を使えば私立入試の後になることもあります。
共通テストの成績を利用した評価が難しくなることが考えられます。
国公立入試でも間が短く、共通テストの結果(受験生は自己採点によるので正確な点数は分からないのですが、しかも、共通テストでは自己採点の得点と本当の得点の差が大きく、大学選びが非常に難しくなるという傾向が報告されています)から志望校を決めるまで非常に猶予がない日程になっています。
スケジュールとしてはかなりタイトなものとなったことは否定できません。

また、追試験についても誰がコロナウイルスにより学習が遅れたのかを判断するのか、浪人生は利用できるのかなど疑問の声も上がっています。

コロナウイルスにより一部の受験生は勉強を大きく阻害され、オンライン授業が受けられる生徒とそうでない生徒、コロナウイルスによる休校期間が短い学校と長い学校、生じた勉強の遅れを様々な手段で補うことができるほど経済的にゆとりのある家庭とそうでない家庭。
高校三年生の大事な時期に勉強が十分にできず、置かれた環境により受験生間に学力差が生じ、入試で最も重要な公平性が保たれるのか不安の声も上がっています。

そのような状況の中で受験生の救済策として「9月入学」(これは学校制度全体を9月入学にするのではなく、コロナウイルスにより失われた時間と学習を取り戻し、受験生だけを対象にし彼らが公平に入試を受けられるための特例的提案だったのですが、文科省をはじめ世間はなぜか前者の方向で議論をし、受験生を救う議論はなく消滅したのですが)もなくなり、少なくとも一か月程度日程をずらそうという意見も、大学をはじめ各機関が日程調整や手続き上の問題、高校による休校期間の差異などのため結局消えてしまいました。

いつまでも日程が決まらずあいまいな状況では受験生も不安だし、計画も立てられないだろうと日程の決定となり、世間からは一定の評価が得られています。
しかし、同時にコロナウイルスにより多大な不利益を被った受験生への配慮は十分と言い難く、「文科省は受験生を見捨てた。」との非難も出ています。

今の高校三年生は入試改革による新制度での初めての受験生となります。
しかし、この新しい入試制度は多くの批判や疑問を浴びてきましたが、文科省は的確な回答を避け実施を半ば強引に進めようとしました。
しかし、入試改革の目玉であった英語の民間試験活用も数学・国語の記述問題も多くの反対意見及び文科相の不適発言(実際は後者の理由が大なのでしょう)によりとりあえず来年は実施しないことになりました。
誰がどう考えても不適切で準備不足な制度を来年に推し進めようとしたのは今年がオリンピックイヤーだったからで、受験生への配慮でもなんでもなく、新制度を来年からしなければならない絶対の理由はありませんでした(現にオリンピックも今年はやらないことになり、ますます来年にこだわる意味がなくなってきました)。
この機会にいったん歩みを止め、入試改革を含む教育改革全体を見直した方がいいと思います。
本当に生徒にとって最善の教育とは何か。
それに加えて今回のコロナウイルス。
今年の受験生は不運としか言いようがありません。

とは言え、不幸を嘆いても文科省は己を顧みて生徒たちのことを真剣に考え制度全体を考え直そうとはしないでしょう。
遺憾ながらどんなに理不尽な制度でも生徒はその枠組みの中で戦うしかないのです。
残念ながら…。
だからこそ、葛西TKKアカデミーは生徒たちのためにできることは何でもしたいと考えています。
いつでも生徒たちのために力になり支える準備があります。
どんなこともでも構いません。
まずはご相談ください。
そして、一緒に考え目標に向かっていきましょう。
受験生の皆さん頑張ってください。
葛西TKKアカデミーはいつでも皆さんを応援しています。

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