塾長ブログ
2021.05.08
コロナウイルスで学校や塾が休みになる中、オンライン授業に注目が集まっていますが、オンライン授業ってどんなものでしょうか。オンライン授業だから全く問題ないという訳でもなく注意が必要です。
コロナウイルス感染の恐れから、外出して人と接することなく、家にいながら授業が受けられるオンライン授業に注目が集まっています。
文科省も以前から計画していたGIGAスクール構想を前倒しにして、新年度が始まるまでに全ての小中学生に一人一端末割り当てられるように配布しています。
しかし、現実にはただ端末を配ればうまくいくというものではなく(まだ全ての生徒に届いていない学校もあるそうですが)、その使用に関してはWi-Fiなどの設備、使用に関するルール、実際に実用可能か教員と生徒の両者のトレーニングなど、まだまだ課題は多く、今回の緊急事態宣言でもオンライン授業を滞りなくできたところは少ないようです。
そこで、本日はオンライン授業とは何か、そしてその注意点についてお話したいと思います。
オンライン授業には大きく二つのタイプがあります。
1.同時双方向型
これはZoomやSkypeなどのアプリを使い、生の授業を行うものです。
簡単に言えばいつもの教室で行う授業と同じですが、オンラインを使うことで同じ空間にいなくてもいいというものです。
リアルタイムで授業が配信され、先生の授業を聞きながら、時には先生の問いに答えたり、先生に質問したりできます。
場合によっては何十人、何百人が同時に授業を受けることも可能です。
画面に映る先生を見ながら講義を受け、時には画面を切り替えて問題を解いたり資料となる動画や画像を見ることもできます。
一人の先生に対して多数の生徒が授業を受ける場合、双方向と言っても実際に生徒から質問できるかというとそうでもないようです。
よって、一方的な講義になることが多いです。
一人の先生が複数の生徒に授業を提供できますが、先生は分割された画面を通して生徒を見ているので、人数が多ければ多いほど生徒一人ひとりに目が行き届かなくなります。
つまり、授業についてこられる生徒、授業に関心を持って積極的に取り組む生徒はいいのですが、そうでない生徒は放置されやすく、先生も気づけない場合が多いです。
先生がオンライン授業に不慣れであると、やはり授業が分かりにくくなり生徒は勉強への意欲を失います。
特に技術的な面でもたもたしたり、途中で回線が切れたりすると勉強への集中力も切れ、授業がつまらなく感じる、イライラする生徒も出てくるでしょう。
技術的な面といえば、一度に多くの生徒がアクセスするとサーバーがダウンしたり、そうでなくてもバグや様々なトラブルが起こり、授業自体が続けられないというアクシデントも予想できます。
先生自体が機械の操作をよく理解できておらず、思うように操作できなかったり、本来の機能を十分に使いこなせないこともあります。
また、塾や予備校では授業の時間はその先生を拘束することになるので授業料が高くなります。
そして、場所は選ばないと言っても時間は決められているので、授業を受けるためには必ずその時間にスマホやパソコンなどの前にいなくてはなりません。
学校や塾という専用の環境でなく、本来勉強の場でない自宅でのオンラインを介した授業なのでどうしても緊張感に欠けてしまいます。
周りには誘惑も多いでしょうし、どうしても勉強に集中できないこともあります。
勉強が嫌ならば他のことをすることだって可能です。
自宅で受けられる授業はある意味便利ですが、先生と生徒がツールを十分に使いこなせるか、生徒が自覚をもって真剣に授業に取り組めるかで成果は大きく変わってきます。
一般の授業以上に生徒次第の部分が大きくなることに注意しなければなりません。
2.オンデマンド型
こちらはアプリなどを利用し、あらかじめ用意された教材を使って勉強するものです。
よくあるのは録画した講義のビデオ、音声付きパワーポイント、問題を実際に解けるドリル、その他関連資料となる動画や画像などです。
多くの塾や無料アプリで提供されるオンライン授業はこのタイプです。
一般的には最初に講義を動画で見て、その後実際に問題を解いて理解を確認する形で行われます。
問題の成績は記録され、塾など管理者はそれを見て生徒の勉強の進み具合を確認することができます。
それを見て生徒に個別指導することもありますが、授業以外にも仕事の多い学校の先生はそこまで手が回らないでしょう。
教材はあらかじめ用意されたもので、それを生徒は見たり解答するだけなので、費用が低く抑えられます。
また、場所だけでなく時間も自由で、自分のペースで勉強を進めることができます。
でも、それは自分がやりたくなければいくらでも後回しにできるということでもあり、自己管理能力が求められます。
分からないときは何度でも繰り返し動画を見たりできますが、双方向ではないので質問したくてもできません。
問題にも限りがあり用意されたものをやりつくすと、それ以上の学習は期待できません。
つまり、一般の授業のように状況に応じて柔軟に授業内容が広がらないので、生徒によってはつまらなく感じるかもしれません。
このタイプのオンライン授業はあらかじめ決まっているものなので、一人ひとりのレベルに合わせられません。
学力が低い生徒にはついていけないし、学力が高い生徒には物足りないものになるかもしれません。
いずれにしても、このオンライン授業だけで全てが足りると思わない方がいいです。
十分に理解し習得するには補足の勉強が必要で、結局先生に相談することになります。
こちらも生徒がどれほど自覚しツールを有効に使って勉強を進められるかが問題になります。
これまでの一般的授業以上に学習結果が生徒次第で左右されることになります。
最後にどちらのタイプでもインターネットに接続できる設備が必要です。
スマホやパソコンなどを必ずしも全ての生徒が使用できるとは限りません。
常に誰もがインターネットへのアクセスが可能な環境をどのように整えるかもオンライン授業を実践するための大きな課題です。
それは道具の提供だけでなく、利用者が不自由なく使いこなせるようになる訓練も含みます。
以上、簡単にオンライン授業とはどのようなものか、そして、その長所と短所に触れました。
実際にコロナウイルスで学校が休校になり、オンライン授業が受けられる学校とそうでない学校の間に教育格差が生じました。
そこでオンライン授業が注目されているのですが、オンライン授業ならば問題ないと盲目的に思うのはいけません。
何でもそうですが、オンライン授業もツールである以上、関係者がいかに上手に使いこなせるかで結果が変わってきます。
これまでの通常授業になかった注意点があります。
特に生徒の勉強に取り組む姿勢が、これまで以上に成否を分けます。
しかし、これがなかなか難しい問題です。
現在ブームのようになっているオンライン授業ですが、決して万能ではないということを十分理解し、心して活用してほしいと思います。
葛西TKKアカデミーもオンライン授業を提供しています。
こちらに関しても後日ご紹介する予定です。
少しでも興味関心をお持ちでしたらお問合せいただいても構いません。
TKKアカデミーは皆様の味方です。
いつでも全力をもってサポートする用意があります。
生徒たちには非常に厳しい状況ですが頑張ってください。
応援しています。