塾長ブログ
2021.05.13
説明上手になろう!新学習指導要領に伴い、レポートやプレゼンテーションなどで自分の研究や考えを他者に伝える機会が増えてきます。
教育改革に伴い、学習指導要領も新しくなりこれまでとは授業も勉強内容や方法、評価も大きく変わる予定です。
これまで以上に探求や研究、調査が授業で行われるようになり、生徒が自分の調べて分かったことを発表する機会も増えると想像できます。
これまでのように習ったことを暗記して、テストではそれらをいかに思い出せるかよりも、習ったことを活用して、いかに新たな課題に取り組み結論を導き出せるかが重視されます。
従って、自分のやってきたことや考えを上手く表現し、相手に正確に伝えられるようにならなければいけません。
しかし、これは聞けばすぐできるというものではありません。
普段から気をつけて実際に経験を重ねないと身に付かないものでもあります。
そこで、きちんと相手に自分の言いたいことを伝えるためのポイントをお話します。
それをもとに実際にレポートやプレゼンテーション、日常での説明に活用していただければと思います。
人と話をしているとき、「この人、何が言いたいのかよく分からないな。」と感じたことはありませんか。
また、逆に「自分は一生懸命説明しているのに、どうして相手は分かってくれないんだろう。」ということはありませんか。
これらは共に説明の仕方が問題なのかもしれません。
ここで、下手な説明の代表的なものを見てみましょう。
到達点が分からない
話を聞いて、「いろいろ話しているけど、結局この人は何を伝えたいのだろう。」と言うときは、聞き手がどこに話が向かっているのか分からないということがあります。
やたら長く話しているけど、話があちらこちらに飛んで、どこに向かっているのかが全く分からない。
聞いているものとしては、ゴールが見えず説明の中で迷子になってしまいます。
いつまで話すのか分からない
前のこととつながりますが、だらだら話すだけでいつ終わるのか全く見当がつかないというのも、分かりにくくなるポイントです。
何をどれだけ話すか前もって分かれば、聞き手も心構えができ安心して聞くことができます。
心に余裕があれば、しっかり理解することができます。
余計なことが多い
これも前述のことと関係ありますが、本当に伝えるべきこと以外に、関係ないこと、どうでもいいことが加われば加わる
ほど、内容がごちゃごちゃになり分かりにくくなります。
必要な説明が少ない
また、逆に相手にきちんと分かってもらわないといけないこと、相手が理解しにくいだろうなということには十分説明が必要です。
自分が分かっているから相手も分かっているとは限りません。
そこを考慮しないと聞き手を置いてきぼりにして、自分の説明についてこられなくなってしまいます。
言いたいことが多すぎる
これも「余計なことが多い」に関わりますが、あれもこれも言いたい、伝えたいと思って、全て一度に話そうとする人がいます。
でも、これは聞き手にとっては、大切なことが沢山ありすぎて焦点が定まらず、「結局何が言いたいの。」と疑問を抱かせて終わりです。
いろいろ言いたい気持ちは分かりますが、できれば一つに絞りましょう。
その方が相手によく伝わります。
残りは機会を改めて言えばいいです。
以上のことは、私が生徒の作文や記述の解答などを読むときにもよく目にします。
生徒はこのような、的確な説明に慣れていないので最初はどうしてもまとまりのない分かりにくい文章を書いてしまいます。
だから、指導するときはこれまでの経験をもとに、どのように書けば明確で簡潔で分かりやすい文章になるかを教えます。
要は分かりにくい説明の逆のことをすればいいのですが、一番のポイントは書き手である自分の立場で書くのではなく、読み手、聞き手の視点で書くということです。
先ほども述べましたが、自分が分かっているからと言って相手も分かっているとは限りません。
だから、説明するとき、文章を書くときは常に相手の立場になって、本当にこれで自分の考えが伝わるか検討してください。
このことをしっかり踏まえて、分かりやすい説明の型を紹介します。
先ずは結論から述べる
最初に結論、自分の言いたいことをはっきり言いましょう。
こうすれば着地点がはっきりするので、伝えたいことがストレートに伝わります。
そして、どこに向かっているのかという不安もなくなり、説明の中で迷子になることもないでしょう。
目標を明示することで自分の考えもかなりすっきり簡潔になり(これだけ分かってもらえればいい)、これは説明する側にも利点となります。
説明する内容・要点の数を明らかにする
自分の考えを説明する根拠や例なども、最初からいくつあるか相手に伝えてしまいます。
そうすることで、聞き手はこれから何が話されるか分かるので、安心して聞くことができます。
話しても自分が何を話すか分かるので、気分が楽です。
そして、一つずつ要点を話していけばいいのですが、その時、つなげる言葉「そして、あるいは、ところで、従って、第一に、第二に、最後に」などが上手に使えると、より分かりやすい説明になります。
捨てる勇気と思いやる優しさ
自分目線だけで説明すると、どうしてもいろんなことを話したくなってだらだらと冗長になってしまいます。
論点も定まらず相手に伝わらないでは意味がありません。
だから、時には一番言いたいこと一つに絞って、他に言いたいことは別の機会に置いておいて、今回は捨てるという勇気が必要です。
同じことを言葉を変えて繰り返していないか、余計な修飾語が入っていないか、常にチェックし余分なものは削ぎ落すようにすると、文章も短く簡潔になって分かりやすくなります。
だからと言って、何でも捨てていいわけではありません。
必要な説明は確実に含まれる必要があります。
この辺りのさじ加減は難しいですが、これも経験を積めば分かるようになるので心配しないでください。
以上、上手に説明するためのポイントを書きましたが、実践すれば他にも気をつけなければならない点が分かると思います。
もう少し具体的にお話したいのですが、そうすると長くなるので興味のある方は葛西TKKアカデミーまでご連絡ください。
「説明する力・表現する力」は今の学校教育が重視する点の一つで、これは社会に出てから実用的で必要な能力です。
学校の勉強のためだけでなく、将来の自分のためにも、生徒には説明上手になってほしいと思います。
新しい学習指導要領はこれまでよりずっと高度な内容となり、その目標は困難なものとなっています。
生徒の皆さんには大変でしょうが、困ったときはいつでも葛西TKKアカデミーが力になります。
五教科の内容だけでなく、このようなプレゼンテーションなどに関しても気軽にご相談ください。