塾長ブログ

2022.02.15

”内申書”って何?何が書かれているの?

「内申書」って何?何が書かれているの?

都立高校の入試も目前に迫ってきました。
大学受験も私立を中心に次々と試験が実施されています。
受験生の皆さん、これまで頑張った自分を信じて、自分の本来持つ力を発揮できるように祈っています。

受験する生徒や親御さんが特に気になるであろう「内申書」について述べたいと思います。
内申書はよく耳にすると思いますが、実際どのようなものかご存じない方が多いと思います。
お父様、お母様も自分の内申書を見たことがあるという人はほぼいないでしょう。
特に今回は高校受験に的を絞って、中学校が発行する内申書に何が書かれ、受験にどのように影響するかお話します。

内申書には何が書かれている?

ここから内申書について細かく見ていきたいと思います。
目にする機会はほぼないので、多くの人が漠然としたイメージでしか捉えておらす、噂など誤った情報で誤解があったりします。
内申書を正確に知ることは、受験を有利にするだけでなく、生徒たちの中学時代をどのように過ごせばいいのかを理解するうえでも重要です。

1.内申書とは

内申書(調査書)という言葉は知っていても、それが具体的にどのようなものか知っている人は少ないと思います。
「学校の先生にたてつくと内申書に書かれるから、おとなしくしていなさい」なんて言われたことがあるかも知れません。
内申書とは、先生が気に入らない生徒の言動をメモした閻魔帳のようなものなのでしょうか。
いいえ、違います。
内申書とは、受験生一人ひとりが中学校でどのような生活を送っていたか(課外活動も含む)を示す資料です。
基本的に中学校三年時の担任の先生が作成し、高校受験するときに受験校に提出します。
入学試験当日の成績に加え、内申書の内容が吟味され、これらを合わせて合否判定がなされます。

ところで、通知表と混同されることが多いですが、通知表(成績表)は各学期ごとの学業成績が基本的に五段階評価で表され、それに出欠席の記録や、行っている人は委員会活動や部活動が記載されていたり、担任の先生が短い文章で書く所見欄があったりします。
因みに、各学年の最後の学期(三学期)の評価は一年を通じた年間の評価となっています。
つまり、内申書の方がより詳しく受験生が学校で行ったことが書かれているということです。

2.内申点

会話などで「内申書」と「内申点」を同義で使っている方を見かけますが、厳密には違います(まあ、意味することが通じれば問題ないですが)。
「内申点」とは内申書に書かれている成績を点数化して表したものです。
各教科の五段階評価における生徒が取った成績(評定)の数字をそのまま合計したもので、単純に計算するならば、各教科の評定×9教科で45点満点になります。
そして、この内申点を公立高校の入試でどのように利用するかは、都道府県によって必ずしも同じとは限りません。
例えば、千葉県であれば1年生から3年生までの評定が全て内申点になるのに対して、東京都では3年生の分しか記載されません。
因みに、その学年の評定として内申点になるのは、各学年の最後の学期、つまり3学期の評定となります(3学期の評定は、その学期の評定ではなく年間を通じた評定となっているため)。
ただし、受験をする3年生は3学期まで待っては入試に間に合わないので、入試に間に合うまでの成績(3年二学期の成績)が内申点となります。
また、東京都の場合、内申点は3年生の二学期の評定で決まるのですが、注意しなくてはいけないのは、一般的な5教科は評定の数字がそのまま内申点になりますが、実技4教科は二倍にされて内申点に加えられます。
つまり、内申点を上げたければ実技4教科もしっかり頑張らないといけないということです。

因みに、内申点と実際に本番で学力試験を受けて得られる学力点をどのように計算して合否を判定するかは別の記事で書いてありますので、そちらを参照してください。
それから、内申点をどうやって上げればいいかも別に記載してありますので、そちらを見てください。

最後に、内申点で各教科の評定に「1」がついている場合、高校受験できない場合があります。
特に私立高校では受験資格に、「評定に1がないこと」と書いてある場合があります。
もし、現在の成績の中に「1」がある人は、なんとか頑張って「1」をなくしてください。
「1」がついていては受験競争のスタートラインにすら立てなくなりますから。

3.他に何が書かれているか

内申書の書式は各都道府県で異なります。
しかし、一般的には次のようなことが書かれています。

先ずは、名前など本人の基本情報。
そして、各教科の学習の記録が書かれています。
ここに内申点が入ります。
また、東京都では各教科の観点別評価が加わります。
観点別評価は生徒の達成度を、「関心・意欲・態度」「思考・判断」「技能・表現」「知識・理解」という観点からA、B、Cの三段階で評価します。

出欠の記録も書かれています。
特に私立高校の入試では、受験資格に「欠席日数30日未満」などの条件が付いているところもあるので注意してください。
必要もなく休んだりさぼったりするのはやめましょう。

学校での生活の記録として「特別活動(委員会活動)の記録」「部活動の記録」「行動の記録」があります。
「部活動の記録」では「部長・副部長になったいたのか」、「大会なので優秀な成績を残せたか」などが書かれます。
「行動の記録」では、その生徒の性格や態度、人間としてどんな成長をしたかなどが簡単に記述されています。
そして、最後に「総合所見」として中学生生活全体においてどんな生徒だったかを、担任の先生がまとめて書いてくれます。
この総合所見には先生から生徒への総評だけでなく、中学時代に大会などで賞を取ったり、課外活動などでスバ抜けた活躍をしたりすれば、そのことも併せて書かれます。

内申点以外の部分が入試に影響するか

内申書と言えば内申点の書かれている書類ですが、以上述べたようにそれ以外の情報も記述されています。
そこで、ここが多くの人にとって気になることでしょうが、この内申点以外の部分は入試のどの程度影響するのか考えてみましょう。

これも各自治体で異なりますが、東京の場合は一般の入試において基本的に影響しません。
影響するとしても非常に限られた範囲で、ほぼ合否に関係することはありません。
スポーツ推薦や文科系(演劇、音楽、美術など)で推薦を受ける生徒は、中学時代にどのような実績を上げてきたかを明示する必要があるので注意してください。
また、推薦入試を受ける人も、高校側としては受験生の人となりを知る重要な情報になるので、その場合は重要度が増します。
しかし、多くの受験生にとって高校入試は一般入試なので、内申点以外はそれほど気にする必要はないでしょう。
よほど学校での素行が悪いなどでしたら別ですが、基本的に先生は生徒にとって良くなるように書いてくれると思います。

これらのことから、入試で良い成績を上げて合格したいなら、部活や委員会活動はしないで、評定を上げるために学校の勉強に集中した方がいいとなります。
しかし、中学校は高校受験のためにある訳ではなく、中学時代に学ぶべきことは9教科だけではありません。
委員会活動や部活動、課外活動などは、学校の授業だけでは学べない多くのことを勉強することができます。
そして、毎日の学校生活に潤いを与えるという意味でも、これらの活動は軽視するべきではないと思います。
内申書で書かれないから、入試であまり関係ないから、これらの活動をやらなくてもいいとは思いません。
もちろん個々の考えで決めればいいのですが、長い人生の中で中学生時代にしかできない貴重な人生経験になると思いますから、個人的には忙しくてもそれ以上のものを得られると思うので、是非参加してほしいと考えます。

また、欠席日数が多いとマイナスに評価される場合があるので気をつけてください。
特に私立高校では、例えば「年間の欠席日数が30日以内」など出席日数が受験資格の一つになっていることもあります。
病気やけがなどの理由があれば、欠席が多くても認められますので心配しないでください。

もう一つよく聞かれることで、英検、数検、漢検などの検定試験など検定試験についてですが、これらの資格を持っていると高校入試で有利になるかというものがあります。
結論から申し上げますと、都立高校の一般入試においては関係ありません。
持っていようがいまいが、入試の点数には影響しません。
しかし、私立高校では学校によって、これらの検定試験である程度の級を持っていると、内申点に「1」加点されるところがあります。
この点は募集要領などをよく読んで確認してください。
中学生では3級ぐらい取れればいいでしょう。
それより低い級ならば入試には意味ないので、とっても書かれることはないです。
とは言え、公式に認められている検定試験なので、高校入試以外の場面で役に立つこともあるかも知れません。
持っていないよりは持っていた方がいいでしょう。
それに、これらの検定試験の勉強はそのまま高校受験の勉強と一致する部分が多いので、受験勉強のついでに自分の力試しで、これらの検定試験を受けてもいいと思います。

今回は内申書についていろいろと述べてみました。
内申書の中の「内申点」が高校受験には大きな意味を持ってきます。
内申点の占める割合は全体の3割ですが、この3割が入試本番でテストを受ける前に既に決まってしまうという事実は注意しないといけません。
こちらが高ければ入試は有利になり、悪ければ不利になる。
そして、内申点は普段の自分の学校における身の振り方で、ある程度決まってきますから、入試前だけ勉強を頑張るのではなく、日頃からコツコツ真面目に学校生活を送る必要があります。

内申書の「内申点」以外の部分は基本的に一般受験には影響しません。
しかし、だからと言って、これらをいい加減にしていいという訳でもありません。
入試において評価されなくても、充実した学校生活を送るには重要な意味を持ちますから。
ここは個人の考え方によるところが大きいので、あえてこうしろとは言いません。

要は大きな問題を起こすこともなく、ごく普通にきちんと学校で勉強していれば、内申書は心配する必要なないということです。
内申点の上げ方も別の記事に書いてありますので、そちらを参考にしてください。

最後に、内申書に限らず、受験や日常の勉強、子育てに関して困ったことや分からないことがありましたら、気軽に葛西TKKアカデミーにご連絡ください。
何かしらのサポートができると思います。

それでは皆さん、勉強を頑張ってください。

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