塾長ブログ
2022.05.15
創造的になろう!その方法と影響、そして注意点
創造的とはどういうことでしょうか。
単にいろいろなものを作り出せたり、いろいろなことを考えだしたりすることでしょうか。
確かにその通りです。
しかし、そうなるには様々な条件があるように思えます。
今日は、創造性について考え、それが勉強にどのようにプラスの効果をもたらすか見てみましょう。
「創造的」とは
創造的と言っても、それはしっかりした土台の上に築かれるものではありません。
歌舞伎などの伝統芸能など、伝統が重んじられ一見昔のままで不変のように見えますが、代々受け継いできた者たちが先代の型の上に新たな要素を付け加え常に発展し続けています。
新しく何かを生み出すには、しっかりとした基礎がないといけません。
この基本の「型」をなくして新しいものを作り出すのは「型なし」となり、見るに堪えないものになるでしょう。
学校教育は「創造的」?
勉強でも同じで、基本事項がしっかり身に付いていないと、新しい発想や発見の構築はできないでしょう。
しかし、今の学校教育は基礎的な学習事項を身に付けさせ、それを確認し、より高度な問題を解かせるようにはなっていますが、生徒自身が学んだことを基に創造的に作り出すようにはなっていません。
それは人数の多さや時間的制約、予算の問題などが原因でしょうが、学んだ生徒がゆっくり考え、自信を見つめ直しつつ新しいことを考える余裕はないように思われます。
間違いばかり指摘され、それができなければ人間としての価値がないまで言われることもある。
早く早くとせかされ、じっくり考え頭の中を整理して理解する時間さえ与えられない。
必然的に自分から考えるのではなく、与えられた道筋をいかにうまく歩めるかが大事となっていく。
それができず失敗やミス、嫌な経験が積み重なれば、自分は何をやってもダメだと感じ、困難を克服する気力まで失ってしまう。
実際に、葛西TKKアカデミーの生徒もこのように散々打ちのめされて心に傷を負った生徒が多いです。
少し話がそれてしまいましたが、言いたいことは「基礎応用を学ぶまではできても、現在の日本の教育は生徒による創造が難しい環境にある」ということです。
「創造的」になるには
では、どうすれば創造力が身に付くのでしょうか。
先ずは、自分の強み長所は何かを考え、そちらに焦点を当てることです。
今の教育は間違いばかり指摘し、弱点を克服させることに重きを置いているように思います。
人間、自分の弱いところには目をそむけたくなるのは当然です。
それを無理やり生徒に見せ、自分がダメなことを認めさせ、苦痛の中で克服せよというのです。
これでは委縮するのも無理ないです。
自分ができること、長所や強みに焦点を当て、それを生かすような教育ができれば、生徒たちは次々と結果を出し、そればプラスの影響を与え、生徒自身がもっと頑張ろうと努力するようになります。
そして、自分に自信がついてくれば、自分の苦手なことにも挑戦する心の余裕ができます。
成功の経験から得た自信をもって、失敗や間違いの恐怖心は弱まり、試行錯誤することも苦でなくなり、やがて自ら問題を克服するようになります。
このように自分に自信が持て、弱点も克服できて自分の能力があげられるようになれば、このことが色々なことに前向きにチャレンジする動機付けになります。
これまで否定的で周りを敵視したり、自分を否定したりする視点はなくなり、新たに広がった視野には喜びや希望、他者への感謝、自分への誇りなど今までと違ったものが感じ取れるようになるでしょう。
広い視点で落ち着いて客観的に物事を考えられるようになります。
そうすれば今まで見えていなかった可能性が自分の周りにたくさん見えるようになります。
この「可能性への気づき」が創造性の出発点になります。
つまり、プラスの感情(自己肯定感)が不可欠ということになります。
学校での先生の生徒への接し方、親が子に対する言動などは、果たして子供たちの自己肯定感を育んでいるのでしょうか。
子供たちの創造性を妨げているのは恐怖や恥ずかしいという誰もが普通に持つ感情です。
物心ついたばかりの子供たちは何も深く考えず、何でもやりたがり、些細なことでもできた喜びを十分に感じていました。
しかし、すぐに人前に出ることの恥ずかしさ、失敗することの恐怖を覚えるようになります。
そうすると、悪い結果を恐れて何もできなくなってしまい、創造性は育たなくなります。
創造的になるために周囲がすること
だから、このような不安や恐怖のない環境をいかに提供できるかが、子供が創造力を身に付けるカギになります。
それは周りの人間のサポートです。
失敗を非難するのではなく、一緒になってどうすれば解決できるが考えてあげる。
小さなことでも成功したことや人のためになったことをすれば褒めてあげる(実は褒めるというのは難しいのです)。
そして、本人が自分からやろうとすることは協力してあげる。
答えを教えるのではなくヒントを与え、目標にたどり着けるようにリードしてあげる。
時にはあえて失敗させるのも大事です。
人間は失敗から学ぶことは非常に多いのです。
失敗を非難するのではなく、許す寛容さをもってください。
目的は子供を責めることではなりません。
失敗から学べるようにサポートしてあげてください。
創造により成功やポジティブな経験が増えれば、前に進む強い動機となり、自分のなりたい姿が見えてくるでしょう。
そして、その目標に向かって自ら自信をもって進める。
当然、未熟な子供たちだから周りの人の支えは必要です。
この支えで子供の成長は大きく左右されます。
より前向きに進めるか、自信を無くして自分をあきらめてしまうか。
だから、彼らの周りにいる私たちは責任があり、その言動には十分注意してください。