塾長ブログ
2022.07.09
勉強ができなくなってしまった生徒たちの共通する経験とは
葛西TKKアカデミーでは勉強をしたくてもできない生徒たち、勉強をどうにかしたいけどどうやっていいか分からない生徒たちを多く見てきました。
普通の塾のように教材さえ与えておけば自分で勉強でき、ある程度の結果が出せる生徒とは違い、一筋縄ではいかない生徒をたくさ思い出しますす。
普通の塾なら見放される(例え表立って言われなくても実際にそうされている)生徒でも、本人のやる気さえあれば他のことは度外視してでも受け入れ、何とかしてあげたいと努力してまいりました。
そのような生徒とたくさん出会う中で、彼らが勉強ができなくなってしなった原因、勉強をあきらめてしまった理由には似た点があることが分かりました。
小学校の一年生のときは基本的にみんな勉強が好きです。
憧れの学校に入り、新しく勉強というものができることが喜びでした。
しかし、学年が上がり学習内容が難しくなっていくにつれ、これまではよく理解できた勉強が、簡単に解けた問題ができないようになってくるという現実にぶち当たります。
それは授業で先生の言っていることが分からないとか、宿題の問題がどうしても解けないといった経験から悟ったり、できたつもりでも実際にテストをしてみると点数が悪かったという結果から実感したりします。
そうしてどうすればいいか分からなくなります。
そんなとき、適切に生徒が分かるように説明し導いてくれる人がいればいいのですが、単純に「なんでできないの。」と怒鳴ったり、「頭悪いんじゃないの。」と非難されたりすると、子供たちは救われず、勉強に対する情熱が一気に冷めてしまいます。
そして、「自分はダメな人間だ。」と卑下し、勉強が嫌になっていきます。
子供たちの成長は決して一定ではなく、ある程度の早い遅いはあります。
だけど、日本の場合、一定の年代の生徒は皆一様に同じ勉強ができていないといけないという暗黙の了解があるようです。
だから、そこから少しでも離脱してしまうと不安になり、もう挽回のチャンスはないと感じるようです。
これは親も同じで、自分の子供が一般的な生徒と同じように勉強ができないと非常に焦って、なんとかしようと勉強を教えます。
しかし、子供たちの性質を無視して一方的に押し付けるような教え方では、当然生徒はいつまで経ってもできるようにはなりませんし、親も一生懸命だからこそ、いつまで経ってもできるようにならない我が子に焦り苛立ちます。
そして、ついつい大声を出してしまうと、もう親子関係までもぎくしゃくし何もいいことがありません。
親や先生に「できない子」のレッテルを貼られ、徹底的に心を傷つけられた子供たちは立ち直れなくなり、「いくら勉強をしても非難されるばかりなら、ひたすらつらい思いをするだけなので、もう勉強は諦めて逃げよう。」と考えます。
せっかくできる可能性があるのに、自分から逃避するのです。
それは周囲が生徒たちに希望を感じさせてやれないことが大きな原因の一つと私は考えます。
私の経験から思い出されるのは、こちらが質問した時に「答えたくありません。」と言った生徒です。
彼女はこれまでテストなどで間違える度にさんざん責められ心を痛めました。
自分が間違えることを公にされるのが怖くて、答えないという普通あり得ない選択肢を取るのです。
答えなければ「間違い」とは言われず、自分の体面が保たれると考えるのでしょう。
そうして自分を守ろうとしたのです。
でも、間違えることができない生徒は悲劇です。
なぜなら、人間は間違えの中にこそ学びのチャンスがあるからです。
他にもいろいろ理屈をこねて勉強をしないことを正当化しようとする生徒、しなくてはいけないのは分かっているが、自分は頭が悪いので努力しても無駄、言い換えると勉強ができないのは自分の努力が足りないのではなく、先天的なものだから仕方ないと主張する生徒(大人が「バカバカ」と言ったことを逆手に取ったいいわけですね、だから要因は大人にあります)。
様々な方法で逃げようとします。
でも、彼らは未熟でまだ分からないことも多く、心が十分に育っていないから非常にナイーブなのです。
大人はそこも含めて寛容に彼らに接してあげられるほどの器の大きさが要求されるのではないでしょうか。
しかし、実際はそれができず(親も成長中ですから)親子とも苦しい思いをします。
子育ては楽ではないので、それを含めて子育てと思えるくらいのゆとりが心にあればいいのですが、大人であっても難しいですよね。
そして、不思議なことに、このように勉強ができなくなった生徒ですが、その多くがもう一度頑張ってみようと思うときがあります。
最初、彼らが勉強に迷ったときに適切に対処できなかった場合、これは最後のチャンスです。
ここを見逃さず対応できれば挽回も可能でしょう。
多くの勉強ができない生徒は知能が低くて勉強ができなのではありません。
これまでやってこなかったからできないだけです。
一から根気強く教えれば徐々にできるようになり、場合によっては一気に目が開いて、あっという間に多くの穂コアの生徒を追い越す者もいます。
勉強ができなくなったときも、勉強をしなくてはいけない、やろうと思ったときも、子供たちは何らかの兆し、ヒントを出しています。
それを私たちは見逃さないように注意しないといけません。
言い換えるなら、すぐに感受できるように彼らに寄り添い、常にアンテナを広げてなくてはいけないのです。
そして、その信号をキャッチしたなら、どうか今度は過ちを繰り返さないでください。
分からないときは自分だけでどうにかしようとするのではなく、誰かに遠慮なく助けの手を伸ばしてください。
子育ては楽ではありません。
みんなで手分けして、上手に負担を減らすことが、親だけでなく子供にとってもストレス低減につながります。
そして、葛西TKKアカデミーはいつでも子供たちを応援していることを覚えておいてください。
勉強は一度嫌いになってしまうと大変です。
なぜなら生徒たちを勉強にもう一度向き合わせるところから始めなければならず、実はこれが非常にエネルギーを必要とするのです。
人間でも一度嫌いになってしまえば、口もききたくなくなりますよね。
そんな状態で人間関係が修復できる訳がありません。
勉強も同じです。
願わくば、勉強が嫌いになる前に手を打ってください。
「勉強は好きにならなくてもいいから嫌いにならないでください。」
これは私がよく生徒たちに投げかける言葉です。
まとめるとポイントは大きく二つ。
一つ目は、勉強ができなくなったときに本人を責めるのではなく、一緒に悩み支えてあげること。
二つ目は、再び本人がやってみようと思ったとき(思えそうなとき)を逃さず、焦らず長い目で見て適切にサポートすること。
多くの勉強に悩む生徒たちを見てきた経験上、この二点が勉強ができない生徒たちを救い出す重要なポイントだと思います。