塾長ブログ
2022.09.16
図書紹介『英単語の語源図鑑』英単の成り立ちを知ると覚えやすくなります
中高生が英語の勉強をするとき、多くの生徒がつまずくのが英単語のスペリングです。
最大の理由はスペルと音が一対一に対応していないからです。
同じ「a」でも単語によって発音が違ったり、発音しないのにアルファベットが書いてあったり。
ローマ字みたいだったらいいのに、違う部分も多々あり、それが生徒たちを苦しめ、英語に対する苦手意識を植え付ける理由の一つになっています。
実はスペリングで苦労するのは、ネイティブスピーカーも同じなんですよね。
だから、学校などでスペリングコンテストが開かれ、全国大会もあるくらいです。
それだけ困難ということです。
それをネイティブでもない日本の生徒にやらせようというのだから、厄介な話です。
今回はそんな英語学習の壁である英単語を覚える助けになる本をご紹介いたします。
本日紹介する図書は、清水健二著『英単語の語源図鑑』(かんき出版)です。
英単語を覚えるとき、皆さんはどうしますか。
ただひたすら繰り返し単語をノートに書いて覚えますか。
これは大変な労力を伴いますが、その割になかなか覚えられません。
すぐに結果が出る訳でもないのに単調作業を繰り返すのは苦痛ですよね。
困ったものです。
ところで、英語の単語を勉強をするとき、共通する部分を持つものが多いなと感じたことはありませんか。
例えば、次のような漢字です。
export express expand
attention observation condition
他にも「ad」「im」「ment」「er」「sion」など。
実は、多くの英単語が共通する部分を持つのには意味があるのです。
それは、これらの言葉がどのようにしてできたかを考えると分かります。
例えば「ex」は「外へ」という意味を持つ接頭語、単語の頭について意味を受け加える言葉です。
ex+port(運ぶ)・・・輸出する:国の外へ運び出す
ex+press(置く)・・・表現する:自分の中から外へ印象を置く
ex+pand(広げる)・・・拡張する:外へ広げる
こうすると「ex」のついている言葉は共通の意味を持ち、まとめると一度にたくさん単語が覚えられます。
記憶するには意味づけが重要ですから、語源を知ることは有効です。
ここから他の単語に結び付けて、更に単語を覚えることができます。
先ほど「export」をしましたが、「ex」を「中へ」という意味の接頭語「im」に変えると「import」となります。
「port」は「運ぶ」でしたから、「中へ運ぶ」という意味になり「輸出する」という言葉になるのです。
『英単語の語源図鑑』はこのような語源と結びつけながら、英単語を説明してあります。
しかも、「図鑑」とあるように、言葉の本でありながらイラストをふんだんに使っているので、非常に分かりやすくなっています。
このように一度にたくさんの英単語が覚えられますし、イラストがあるので印象に残り覚えやすくなっています。
語源から言葉の本質が分かるので、その基本的意味から派生した他の意味も理解できます。
こうして意味を持たせた言葉は脳が記憶しやすいので、単なる丸暗記よりも効率よく身に付けることができます。
収容単語は基本的な言葉が多く、第一歩としては十分でしょう。
英語中級車でも、この本を使って単語を見直すとより理解が深まり、「そういう訳だったのか。」と実感納得することができるでしょう。
初級の方のみならず、単語を見直し整理をされたい方、基礎単語を増やしたい方にもおすすめです。
この本は好評を博し、2019年には第二弾に当たる『続 英単語の語源図鑑』も発売されております。
こちらも合わせて、更に多くの英単語を身に付けてほしいと思います。
勉強は重労働です。
困難に立ち向かうからこそ脳の発達もあるのですが、場合によっては要領よく効率よく学習することも大事です。
漢字を覚えるとき、漢字を偏や旁などのパーツに分解して覚えたり、共通する部首の漢字をまとめて覚えたりするのと同じように、英単語もパーツを理解して、その成り立ちが分かれば、より納得して英単語が頭に入ってきます。
また、パーツの役割が分かれば、初めて見る英単語でも何という意味か分かるときもあります。
こうやって、やみくもに覚えるのではなくある程度のまとまりとして言葉を捉えて覚えることに慣れると、習得できる語彙数も一気に増えます。
語彙が増えれば英語を理解することも表現することもより簡単になり、実際に英語が使える経験を積めば、英語の勉強も楽しくなります。
このことは同時に生徒たちの世界を広げ、彼らの可能性を広げることにもつながります。
以上のことから、『英単語の語源図鑑』は目の前の学校の勉強だけでなく、人生そのものに大きく貢献できる本だと言えます。