塾長ブログ
2022.11.06
都立高校の入試問題傾向と対策:英語編
都立高校の入試問題を考えるシリーズ。
今回は英語です。
英語は結構できない生徒が多い教科ですが、都立入試の各大問ごとにどんな問題なのか説明し、その対策を議論したいと思います。
尚、今年から導入される英語のスピーキングテストに関しては、別のニュースで取り上げていますので、そちらをご参照ください。
大問1
大問1はリスニングテストになっています。
大きく二つのパートから成り、問題Aでは三つの対話文が流れ、それぞれに関して質問が出されますので、四つの選択肢の中から正解を選びます。
問題Bは長めの英語が流れますから、それを聞いて二つの質問に答えます。
一つは四択の問題、もう一つは答えを英語で書く記述式の問題となっています。
問題が始まるまでに音声による説明が流れます。
この時間を利用して、問題の選択肢をよく見てください。
もし、選択肢が全て時間になっていれば、時間について質問されると予想し、時間が述べられている部分を特に注意して聞きメモを取ります。
このように始まるまでただ待つのではなく、分かる情報から質問や内容を予想するのは、正答率を上げるよい方法です。
パートAもパートBも同じ英語が二回流されるので、一回目では聞きながら質問されそうな内容をメモし、その後の質問を聞いて、今度は質問の答えをなる部分に集中して英語を聞きましょう。
二回繰り返されるので、例え一回目で聞き逃しても慌てず、二回目でしっかり必要な情報を聞き取ればいいのです。
もし、一回目で聞き取りができ答えも分かれば、二回目は確認として聞いてください。
何もしないでただ聞いているだけの生徒がいますが、それは賢いやり方ではありません。
メモを取らないと何も残らないので、答えるときも分からなくなってしまいます。
メモを取るコツとしては、日本語でも英語でもいいのですが、文章で書くのではなく簡単な箇条書きのようなメモの取り方をしてください。
特に固有名詞や数字(時間、料金、個数など)、順番などはメモを取った方がいいです。
これを聞かれることがとても多いです。
パートBの第二問は質問の答えを英文で書く問題です。
最近は必要な語数も決められていますので、自由に答えを書けない分、難易度が高くなっています。
質問をよく聞いて、質問に合わせた形で解答してください。
人や物を代名詞に置き換えて書かないといけないのをお忘れなく。
他の問題もそうですが、英語は問われる内容が先に来ますので、そこには神経を特に集中させてください。
whenなのかwhereなのかwhoなのか。
Does Tom ~?と聞かれたらYes, he does.と答えるなど、質問の形に合わせた答え方をするのがポイントになります。
最近はQRコードなどで音声が聴けるものも多いので、実際に音を聞きながら問題を解いて練習しましょう。
たくさんやれば問題のパターンも分かりますし、耳も慣れて聞き取りもよくなっていきます。
大問2
大問2は図表を見ながら答える問題です。
先ず、図表を基に対話が書かれており、二か所の空欄に入る語の組み合わせを答えます。
資料を見ながら、それぞれの空欄に入るものを選べばいいのですが、特に図表に書かれている※などの注意点に気をつけながら、日程や料金の計算などを考えてください。
文章はそれほど難しくはないので、答えられる範囲の理解ができれば十分です。
問題は次で、メールの内容に関する問題です。
メールにつづるという形でこれまでの会話をまとめて、それに対する正誤問題の後、お馴染みの英語作文があります。
作文が一番苦手という受験生も少なくないと思います。
(メールという条件で作文の縛りをつけるところが今どきらしいです。)
しかし、これもパターンが決まっているので、事前にある程度のフォーマットを決めておくと楽です。
メールの中に質問があり、その返事という体でメールが書かれており、その一部が空欄になっているので、受験生が代わりに書くという形になっています。
三行作文ですが、メールに対する回答とその理由、そして作文が前後のメールの内容につながるように書かないといけません。
最初に自分の意見や考えを書いて、二行目でその理由を説明する、最後に何か気の利いた一行を加えて終わりです。
私の見てきた受験生の中にはいつも最後は必ず「It's fun.」と書く生徒がいました。
これでも一行に変わりありません。
これでいいのです。
コツは簡単な英語で書くということです。
下手に複雑な文にしてしまうと間違えやすくなってしまうので、内容はつまらなくていいから、自分のかける範囲で簡単な英文で答えるといいです。
とにかくたくさん出そうなテーマを考え、それをお題に実際に書いてみることです。
そして、先生や友達に見せ、アドバイスをもらうのが一番です。
そうして、たくさん書いていくうちに、自分の書き方のパターンが出来上がるので、そうなると答えるのは簡単です。
作文は部分点があるので、面倒くさがらず必ず書きましょう。
白紙が一番いけません。
大問3
大問3も会話の問題です。
少々長いので長文のように最初から最後まで読んで答える人がいます。
しかし、ここのポイントは指示語が分かっているかどうかという問題がほとんどなので、その場合、直前の会話、もしくはもう一つ前の会話を見るだけで解けるという問題が沢山あります。
これに慣れれば、まともに前文読む必要もなくなるので、大きく時間短縮ができます。
その分、他の問題に取り組む時間が増えるので、是非この解き方を習得してほしいと思います。
最後は本分の会話をまとめた文章です。
ここも選択肢による穴埋めで、本文を読まなくても前後や常識的な考え方で解けることもよくあります。
仮に本文を読まなくてはならなくても、ざっと流して読んで、まとめの文と同じ所を注目すれば比較的簡単に解けます。
大問4
最後は長めの文章ですが、これもコツがつかめればそれほど難しくありません。
本文を読む前に必ず問題を見てください。
そして、自分は何を答えないといけないのか把握しましょう。
多くの受験生は文章が完璧に分からないと絶望しますが、そんなことはありません。
多少分からなくても答えらえることはよくあるので、細かいところをいちいち気にしないで読み進んでください。
一段落ごとに解ける問題はないか考え、読みながら答えるようにしてください。
こうすれば答えられる問題が増えます。
全部読んでから答えると、できる問題が時間切れになる恐れがあります。
指示語の内容に関する問題は、大問3のときのように直前の文に注目すれば解けます。
選択肢を本文の内容に従って、順番に並べ替える問題は、段落ごとに選択肢の内容があったかどうか確認しながら解いてください。
本文の内容に合うように、英文の後半を補う問題も、前半部分の内容が出てきたときに注意して読めばできます。
最後の本分の内容に対する質問も、質問の内容が述べられている部分にきたら、少し慎重に読んでいけば選択肢を選ぶのは簡単です。
問題自体はそれほど難しくありません。
ただ、英語の長文に慣れていない受験生は読むのに必死で、問題に答える余裕がないというのが、難しいと感じる理由でしょう。
現に、多くの受験生は「時間がなかった」と言います。
ここでも多くの類題に触れ、長文を読むのに慣れて、長文に対する抵抗感をなくすことが大事です。
そして、解き方の要領がつかめれば、意外と簡単に答えられるので、見た目に騙されて、やる前から無理なんて思わないようにしてください。
以上、都立高校の英語の入試問題を見ましたが、英語は妙なひっかけがある訳でもなく、内容も素直な問題となっています。
ただ、このようなテストに不慣れな中三の受験生にとっては、多少は圧倒されるかもしれません。
でも、心配はいりません。
出題パターンはほぼ決まっているので、これまでの過去問や模試の問題などをしっかりやって、出題形式とその解き方に慣れてください。
まともに長文を読んだりせず、要領よく解答に必要な部分を見つけ答えることができるようになれば、時間内により正確に解けるようになるでしょう。
ある程度英語の基礎ができたら、類題をたくさん解いて「質より量」の勉強法で大丈夫です。