塾長ブログ

2023.06.28

「チャンツ」って何?英語の練習法の一つです

 

「チャンツ」って何?英語の練習法の一つです
「チャンツ」という言葉をご存じですか。
これは英語の練習に行う方法の一つです。
ノリの良いリズムに合わせて英語の単語や文を発音します。
音楽に合わせて発音するので、単語や文が格段に覚えやすくなります。
そして、英語特有の抑揚やリズムも身に付き、普段ネイティブの人が話す英語の速さでも英語が聞き取れるようになります。
このように口と耳を自然な英語のスピードとリズムに慣れさせることで、英語が日本人にありがちな「カタカナ英語」ならないようにします。
今回は、このような「チャンツ」についてご紹介いたします。

どのような人に適した練習法か

音楽にのせて自然なスピードでネイティブの発音を聞きながら、リズムに合わせて自分も発音してみるチャンツは特に、まだ勉強を理屈で理解するより感覚的に理解する低学年の生徒の英語教育に適しています。
もちろん高学年や大人だからチャンツが役に立たないという訳ではありません。
これらの人たちも興味があれば是非チャレンジしてほしい練習方法です。
先ほども述べたように、英語が持つ独特の抑揚やリズム、そして発音を自然な速さで理解し話せるようになります。

「英語の歌」との違いは?

このようなチャンツですが、英語の歌で英語の練習するのと何が違うのでしょうか。
確かにリズムに合わせて英語を発音する点では似ていますが、チャンツの場合、基本的にメロディーはありません。
だから、音楽に馴染みのない生徒や歌が苦手な生徒でも発音することができます。

チャンツの歌詞ですが、単語だけのものや対話など形式的決まっているもの、シンプルで短い文になっているものがほとんどです。
一文が非常に短く内容もシンプルなので、各文や語が覚えやすく単純で分かりやすいです。
一方、歌の歌詞は文章になっていたりストーリーが組み込まれていたりと、低学年の生徒には難しすぎて時には理解できないことがあります。
文法的に複雑な文も出てきますし、前後の文脈や歌の背景まで知らないと分からないこともあります。
よって、低学年の生徒を始めとする英語初心者にはチャンツで練習した方が楽で分かりやすく英語も身に付きやすいでしょう。

「チャンツ」の利点

1.とにかく楽しく英語初心者でも簡単にできる
これまでの繰り返しにはなりますが、音楽を使ってリズムに合わせて練習するチャンツはとても楽しく、英語そのものになじみがなくよく分からない人でも簡単に練習できるという利点があります。
テンポよく楽しみながらやっているうちに自然とネイティブのような発音と話し方が身に付きます。
特に幼児は体を動かすことが好きなので、チャンツに合わせて跳ねたり踊ったりすると、遊び感覚でキャッキャ言いながら夢中で発音してくれます。
低年齢から外国語を学ばせたいときは、その導入としてチャンツはぴったりです。
こうして英語に対して好印象を持つようになると、その後の英語の勉強や実践においても積極的になり、さらに言語習得が加速するでしょう。

ただ書いたり読んだりするだけの勉強は、どうしても単調になりがちで、特にまだ忍耐力が十分に育っていない低学年の生徒にはつまらないものになってしまいます。
結果、せっかく勉強していても飽きて集中力が泣くなり、退屈で面白くないものに感じられてきます。
やがてモチベーションも下がり、最悪の場合、英語が嫌いになってしまうかも知れません。
よって、英語の習い始めはチャンツでやった方が有効かもしれません。
2.自然な英語が身に付きやすい
日本人が英語を学ぶときの問題点の一つとして発音があります。
日本語以外の言語に馴染みのあまりない日本人は、他言語を学習するときどうしても日本語に当てはめてしまうという欠点があります。
しかし、英語を始めとして多くの他言語は日本語と直接関わりがないことが多く、発音体系が日本語と大きく異なることがほとんどです。
そのような言語に日本語の発音形態を無理やり押し込めても、その言語本来の発音が習得できる訳でなく、「カタカナ英語」のような不自然な英語になってしまいます。
そうなると当然ネイティブの人に英語が伝わらないだけでなく、相手の話す英語の聞き取りもできなくなってしまいます。
これは英語に実際触れる機会の少ない日本という環境を考えると仕方ない部分もありますが、それに甘んじていては本来の英語は身に付きません。
そこは工夫が必要です。

そのような時に「チャンツ」を使った練習法は有効です。
ネイティブの人発音する音を聞きながら、英語独特の発音法、抑揚、リズムをまねるだけで自然と身に付いてきます。
音や語彙、意味のかたまりとして英語を捉えることができるようになり、よりネイティブの聞き取りや発話に近づくことができます。
リズムに合わせてテンポよく反復するうちに、無意識のうちに自然なイントネーションや音を覚えていきます。

「チャンツ」の注意点

1.「チャンツ」の前に「フォニックス」
チャンツはリズム良い音楽を聴きながら繰り返すことで自然とネイティブのような英語を練習する方法ですが、音を聞いたからといって必ずしも正しい発音ができるようになるとは限りません。
例えは日本人の苦手な「L」と「R」の発音ですが、仮に違うことは分かっても、どのように違いどうすればそれぞれ正しく発音できるか分からないかも知れません。
同様に「TH」の発音も日本語の中にはないので、最初はどのように音を出せばいいのかさえ分からないでしょう。
従って、最初は正しい発音の仕方を口の形や舌の使い方、息の出し方をきちんと教える必要があります。
このような発音の仕方を「フォニックス」というのですが、チャンツをする前には必ずフォニックスの確認をしましょう。
2.量をたくさんこなす
また、チャンツは何度も繰り返しながら英語を勉強するのですが、一つ一つのチャンツは表現も限定的で何でも自分の言いたいことが言えるようになるという訳ではありません。
よって、一つのチャンツができるようになったから終わりではなく、より多様で多くのチャンツに触れることで、この限界を広げなければいけません。
幸いにして最近では書籍だけでなくユーチューブなどのメディアでもチャンツを手軽に聞くことができますので、できるだけ多くのチャンツを聞いて表現のバリエーションを広げてください。
語彙も増え、英会話でも役に立ちます。
3.高学年の生徒には注意
多くの場合、低学年の生徒にはさほど問題ないのですが、学年が上がり自我がしっかりしてきて周囲の目が気になるようになってくると、単純に音楽を聴きながら楽しく声を出して発音するのが難しくなってきます。
言語である以上音声を発するのは非常に大事なのですが、どうしても恥ずかしがってできない、もしくは格好をつけて大声を出さないということがあります。
聞いて音を出すことで英語の自然な発音が身に付くので、それができなくなるとチャンツの効果も半減してしまいます。
一人でチャンツを練習できるのであればいいのですが、そうでなければ他の練習方法を試した方がいいかも知れません。
もちろんチャンツに年齢制限がある訳ではないので、低学年から高学年、そして大人であっても英語を習得する大きな助けになりますが、年齢が上がるほど上記のように「声を出す」ことに対する抵抗感が生じがちなので注意しましょう。
その生徒がチャンツでの練習に適しているかどうかの判断が要求されます。
4.できれば発音だけでなくジェスチャーもつけて
テンポの良いリズムに合わせてダンスしながらチャンツをするのは良い方法です。
振付があれば楽しく踊れますし、特に決めなくても体が自然に動いてしまうものです。
体を動かせば、大脳が刺激されよく働くと言われています。
こうすれば英語らしいイントネーションやリズム、発音が身に付きやすくなります。
内容に合わせたジェスチャーをつけると理解しやすくなり、フレーズを覚えるのも楽になります。
従って、チャンツをするときはただ声を出すだけでなく、体全体を使って練習しましょう。



チャンツは日本の英語教育においても注目されていて、最近教科化が進む小学校の英語教育でもたくさん取り入れられています。
特に低年齢層の英語学習に向いているということで、小学校の英語の授業に非常に適しています。
また、チャンツは上手に使えば単純なフレーズだけでなく、長い文や複雑な文法に応用することも可能です。
このようにチャンツの持つ可能性はとても大きいと言えます。

都立高校のお入試ではスピーキングテストが既に導入され、大学入試においても文科省はスピーキングテストを実施することを念頭に現在準備を進めています。
このように英語教育では今後ますます「話す力」が要求されます。
そのような時にも、チャンツを使った練習は非常に有効です。

英語は多くの生徒が不得意としますが、その入り口でチャンツを利用して苦手意識をなくし、楽しみながら自然な英語を身に付けましょう。

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