塾長ブログ

2024.05.20

「手書き勉強」vs「デジタル勉強」

 

最近はデジタルテクノロジーが発達してきているので、過去ではできない勉強法も普及してきました。
その代表的なものがコンピューターやタブレット端末、電子黒板などを使ったデジタル勉強があります。
確かにデジタル機器を利用した勉強は便利なところがありますが、これまで行われた手書きのアナログな勉強にもよい点があります。
今回は伝統的な「手書き勉強」と「デジタル勉強」について、そのいい点と悪い点を考え、最も適した勉強法の使い分けを考えてみます。



社会のデジタル化、IT化に伴い、その流れは学校などの現場にも及んでいます。
勉強のデジタル化の走りとなったのは「電子辞書」ではないでしょうか。
当時は「デジタルの辞書と紙で作られた辞書のどちらがいいのか」などという議論が飛び交っていましたが、このような話題は現代の教育現場でも盛んに行われています。

パソコンやタブレット端末、スマホなどを使った「デジタル勉強」と、これまで長年にわたって行われてきた紙ベースの「手書き勉強」のどちらがいいのでしょうか。
両者にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
まずはこの点に注目して考えてみましょう。

1.「手書き勉強」のメリット

学習内容の記憶

「手書き勉強」の最大の強みは、学んだ内容を記憶にとどめやすいということでしょう。
これは多くの研究で指摘されていることですが、デジタルの勉強に比べ手書きの勉強をより多くの体の器官を使うので、脳への刺激がより多くなり、学習したことをより長く記憶にとどめる効果があるようです。
手書きは確かに時間がかかりますが、それがかえって認知能力に作用し、記憶に残りやすくなります。
公立の悪さ、面倒くささが、機械的な作業になりがちの「デジタル勉強」と違って、情報を記憶として蓄積されやすくするのです。

脳機能の向上

「手書き勉強」は脳の中でも特に前頭前野を活性化させ、脳全体のはたらきをよくします。
前頭前野は思考や記憶、発想や判断、集中力と感情や行動の制御など、人間の機能の重要な部分を担っています。
しかし、スマホなどのデジタルな機械を使った場合には、前頭前野は逆に機能を抑制されてしまうそうです。
つまり、「手書き勉強」は記憶に大きく貢献するだけでなく、脳全体のはたらきをも活性化させるのです。
そうすると勉強にもプラスの影響が大きいため、デジタルツールを使った勉強より「手書き勉強」の方が脳にとって非常によいのだと分かります。

2.「デジタル勉強」のメリット

勉強を気軽に取り組むことができる

パソコンやスマホを使った勉強は、「手書き勉強」ではできないことがたくさんできます。
例えば、アプリを使った勉強は、自動的に最適な問題を提供してくれたり、動画などで解説してくれたりと、これまでの勉強では考えられないようなことができます。
このようなデジタルな新技術は、子どもたちの勉強への抵抗感を下げてくれることがあります。
伝統的な机に向かってやらなければできない勉強法は堅苦しく、とっつきにくい感じがします。
一方、「デジタル勉強」の多くは時間や場所に拘束されません。
途中でやめても、次に勉強するときは簡単にそこから始められる。
リビングのソファーに寝っ転がりながらでもできる。
このように暇つぶしにスマホをいじるように、気軽に勉強ができるのは大きな強みです。

効率の良さと柔軟性

先ほど述べたように「デジタル勉強」は時間と場所を選ばず勉強できます。
移動中の電車の中、外出先、用事と幼児の間のすきま時間。
とりあえず、その時分からなくでも保存して、後で勉強することもできます。
また、動画や問題も自分がやりたいところ、分からないところを何度も好きなだけ繰り返し勉強することも利点です。
このような柔軟性は、勉強環境の拘束されやすい「手書き勉強」にはないものです。
また、アプリを使えばこれまでの勉強の記録が残り、自分の苦手分野が分析され、どこを勉強すべきか簡単に分かります。
アプリが自動的に自分に最適な問題を出してくれるので、勉強の効率化という点も「デジタル勉強」のいいところです。
そして、最近ではデジタル教材も充実してきているので、レベルや多様性、問題量の多さもこちらの方が勝り、しかも簡単に入手できることも見逃せません。
よってこれらを総合すると、「デジタル勉強」はかなり個人に向けたカスタマイズな勉強が可能と言えるでしょう。

その場ですぐに調べられる

「デジタル勉強」のもう一つの利点は、分からないときすぐに調べられるということです。
「手書き勉強」の場合、解説を読んでも分からないときは分かる人に聞くのが一般的でしょう。
しかし、学校の先生であれ塾の先生であれ、家で勉強をしていたらすぐに質問することはできません。
ひたすら一人で考え続けると非常に時間がかかり、しかも自分で問題解決できる保証もありません。
しかし、「デジタル勉強」であれば、インターネットなどですぐに調べることができます。
オンラインで友達とメッセージをリアルタイムに交換しながら、お互いに教えあい学びあうこともできます。
このように「おやっ?」と思ったときに迅速に勉強が理解できると、「A-ha!」モーメントとなり学習がより分かり深く脳内に刻まれます。
下手に悩んで解けない時間を過ごすよりも、外部の情報にすぐアクセスして解決してしまった方が、時間の短縮になり効率よく勉強が進みます。

3.「手書き勉強」or「デジタル勉強」

これまで見てきたように、「手書き勉強」も「デジタル勉強」もそれぞれに良いところがあります。
ということは、「どのような学習にはどちらの勉強法がいいのか」ということが問題となります。
例えば、復習や苦手な問題の解き直しなどは「手書き勉強」の方が向いています。
手書きにすることでもう全体が活性化するので、より深く理解することができます。

短時間で効率よく基礎的なことを学びたいとき、すきま時間を活用して勉強したいときは「デジタル勉強」がいいでしょう。
時間や場所に縛られることなく、即効的でリピートも簡単だからです。
離れた友達と共同して勉強を進めるリモート学習のときも、「デジタル勉強」が有効です。

このように両者には向き不向きがあるので、自分のやらなくてはならない勉強はどちらでやった方がいいか見極めることが大切です。
どちらか一方ではなく、状況に応じてうまく両者を使い分けてください。



今回は古くから行われている「手書き勉強」と最近急速に普及しつつある「デジタル勉強」について考えてみました。
スマホやタブレット端末がそれほどなかった親世代にとっては、なじみのない「デジタル勉強」は不安かも知れません。
しかし、実際に教育現場ではデジタル教材がどんどん活用されるようになり、現在の子どもたちはそれをうまく活用して勉強していることも確かです。
上記のように両者には強みと弱みがあります。
両方の勉強の特質を理解し、その時々でどちらの勉強法が効果的かを考え、バランスよく勉強してくれれば、これまで以上に子どもたちの学習も深まるのではないかともいます。

デジタル教材の普及は時代の流れであり、それを否定しての勉強はますます困難になっていくでしょう。
時代の変化にうまく適応して、子どもたちがこれまで以上に上手に勉強を進めてくれればと期待します。

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