塾長ブログ

2024.08.09

フランスからの生徒がTKKの『特別日本語講座』を受けてくれました!日本の生徒との交流も!

 

先日、葛西TKKアカデミーにフランスから女子生徒が授業を受けに来てくれました。
たった3回だけの特別日本語講座だったのですが、葛西TKKアカデミーのちょっと変わった楽しい授業を実感できたのではないでしょうか。
今回は、そんな『特別日本語講座』をレポートします。



一学期のときにお問合せをいただき、一時帰国中に日本語の授業をしてほしいと依頼を受けました。
漢字が弱いので漢字の勉強をしたいことと日本の授業というものを体験したいということでした。
帰国中の日程を聞き、夏休み中の7月下旬から8月上旬にかけ3回の日本語教室を開くこととなりました。
3回の授業で漢字の勉強をするのは難しいので、漢字の覚え方のコツと日本語を楽しく勉強することを目標に、葛西TKKアカデミーでの特別講座を考えました。
日本の漫画が好きだということなので、日本の漫画を授業に取り入れ、ゲームやクイズ感覚で勉強を楽しめるように準備しました。
さらに日本の同学年の生徒とも交流したいとのことで、在塾の生徒に友達に呼び掛けて、参加できる生徒も募りました。

葛西TKKアカデミー『特別日本語講座』

第一回:漢字を知ろう!

お母様の娘の日本語に対する悩みの一つが漢字でした。
日本でいうところの中学3年生に当たるのですが、漢字レベルは小学生低学年生並みということなので、「漢字を伸ばしたい」というのが第一のオーダーでした。
漢字は多くの日本語を学ぶ外国人がぶつかる大きな壁の一つです。
当然短い時間で漢字ができるようにするのは無理なので、漢字を覚えるコツになりそうなことを話しました。
具体的には、「漢字の成り立ちが四つあり、その成り立ちでグループ分けや意味づけをすると覚えやすい」と指導しました。
象形文字なら、絵がどのように変化して漢字になったのかを考えれば分かりやすいでしょう。
指示文字は一番数が少ないですが、元となった記号を理解するのが肝心です。
会意文字なら、どうしてその漢字の組み合わせがそのような意味になるのかを知れば覚えやすいです。
形声文字なら、部首の持つ意味を理解し、同音で異なる部首の漢字でまとめるか、同じ部首の漢字でまとめて覚えると覚えやすいでしょう。
ということで、漢字について象形文字、指示文字、会意文字、形声文字を説明し、これらを理解した上で日本人の生徒も含め全員でそれぞれオリジナルの漢字を創造しました。
みんな苦労していましたが、中にはカテゴリーに収まらないようなユニークな漢字を作ってくれた生徒もいました。
やはり子どもの発想力はすごいと感心させられました。

第二回:ことわざ・慣用句を知ろう!

第二回はことわざと慣用句について勉強しました。
ことわざには教訓が含まれており、それを小粋なフレーズで表現するので、言葉巧みなものが多いです。
リズムがあってユーモアにあふれるものもあるので、思わず笑ってしまいそうなものもたくさんあります。
同様に慣用句も、ものごとを表現するのに、直接的な言葉で表すのではなく、古くから使われている定型で表現します。
ことわざも慣用句も知っていないと理解は難しいのですが、意外と日常生活でも使われるので、日本語をしっかり学ぶにはぜひ身に付けてもらいたい事柄です。
しかし、これらを上手に使えるようになれば、知的で表現力があると思われますし、コミュニケーションも円滑になります。
日本語は言葉を知っていれば話せるような言語ではありません。
言葉の知識以上に、言葉の運用、つまり文脈を理解する力と適切な表現力が重要となる言語です。
だから、日本で生活をして経験を積まないと、正しく話せない言葉なのです。
それだけ生活に密着した日本語でありますが、だからこそそこがきちんとできるようになれば、言語生活は格段に豊かになります。
そういう意味でも、今回のことわざ・慣用句は日本語の大切な要素なのです。
少し話がそれましたが、生徒たちとことわざ・慣用句の意味を質問したり説明したりしながら授業を進めていきました。
せっかくなので、フランスでも同じようなことわざはあるか、慣用句のような表現があるかも聞いてみました。
そして、後半は本人の希望でもあった、同世代の日本人の生徒たちとの交流を行いました。
お互いに日本とフランスのことについて質問しました。
自分たちと同じ中学生はどのような生活を送っているのか、受験勉強はどうなっているのか、休みはどのように過ごすのかなどなど、活発な交流が行われ話も大変盛り上がりました。

第三回:オノマトペを知ろう!

最後の授業は日本語のオノマトペをやりました。
擬音語、擬声語、擬態語といったものです。
オノマトペが非常に豊かなのが日本語の特徴の一つとなっています。
同時に日本語学習者がとても悩み理解に苦しむものでもあります。
なぜなら日本語の感覚的なものが強く、生まれてから長く日本に生活をしている中で感覚的に身に付けるものだからです。
このような経験のない日本語学習者が、辞書などで説明を読んでも実感としては決して理解できません。
痛みの「ズキズキ」と「ガンガン」がどう違うのか、風の「ピューピュー」と「ビュービュー」はどう違うのか。
学ぶ方も理解が難しいですが、教える方も感覚的に身に付いているので説明するには非常に苦労を伴います。
しかし、これが分かれば日本語での生活がぐっとスムーズになります。
やはり、不可欠な要素なのです。
今回はイラストを使ってオノマトペを紹介すると同時に、フランス語のオノマトペについても聞いてみました。
やはり、日本語にあってフランス語にないものがとても多かったです(特に擬態語)。
例えば、髪の毛の様子を表すオノマトペにどのようなものがあるかとか、同じオノマトペ「カンカン」が状況によってどれだけ違う意味を持つかなど。
そして、オノマトペは今回のフランスの生徒も好きな日本の漫画の中にも多く取り込まれているので、最後はマンガを使ったオノマトペテストをしてみました。
マンガを見てオノマトペを入れてみるのですが、やはり彼女には少し難しかったようです。
以上、3回の授業を無事終え、最後は頑張った証として修了証書を渡しました。
日本式の賞状というのもフランスではなかなか経験できないと思い実施しました。
そして、記念品として『うんこ漢字ドリル』を贈呈しました。
日本でヒットした『うんこ漢字ドリル』を使って、苦手な漢字をたくさん勉強してほしいと期待します。



偶然にも葛西TKKアカデミーを見つけて問い合せしてくださり、その結果、普通はできないような授業体験ができました。
このような縁に恵まれたことを心より感謝いたします。
受講してくれたフランスからの生徒もいい子でしたし、一緒に勉強に付き合ってくれた日本の中学生たちもとてもいい子たちでした。
みんなに助けられ、本当に楽しく充実した授業ができました。
短い期間での集中講座ではありましたが、日本語の面白さが伝われば幸いです。
意外と日本の生徒も知らなかったり、気づかなかったことが多かったようです。

本人も楽しく勉強ができとても満足してくれたようで、お母様から感謝のお言葉もいただけました。

いろいろな形で日本の生徒だけでなく、世界の人とつながれるのはとても有難いことです。
この仕事をしているからこそでしょう。
今後もこのように国籍を問わず、人々の助けになれたらと思いました。

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