塾長ブログ

2024.10.09

志望校選びの注意点

 高校入試に向けた勉強は進んでいますでしょうか。

夏休みから二学期にかけて、各高校では入試説明会や学校見学会が実施されます。
そして、自分の行きたい学校を決める参考にする受験生も多いことと思います。
学校の成績、模試の判定、人に聞いた話や評判、通いやすさ、実際に自分の目で見た印象、学習内容、部活や学校行事、進学実績や卒業後の進路、そして制服の可愛さなど、多岐の要素をしっかりじっくり吟味して最終決定すると考えます。

でも、中学校は事務的手続きの煩雑さや、早く受験生の動向を知りたいという要求、クラスから不合格者を出したくないという考えから、三者面談でこの時期から進学先を限定し、志望校を早々に決定するような指導をされる場合が少なくありません。

そこで今回は志望校選びに注意すべき点をいくつか議論したいと思います。



この時期に中学校で三者面談が行われ、志望する高校を決めるように促されることもあると思います。
受験を考えると、当然目標校が早く決まった方が、その学校に合った準備時間を長くかけられるので、早い方がいいのは理解できます。
しかし、この時期はまたまだ入試まで日にちがあり、これから受験生の実力がどのように伸びていくか分からないものです。
このような時期に志望校を決定しろというのは中学の一方的な都合であって、多くの受験生には不適切に感じます。
そのようなこともあり、今回は高校入試の志望校選びの注意点をいくつか挙げていきます。

学校の先生が志望校を決めるのではない

先ほどの話の流れになるのですが、しばしば三者面談のときに、学校の成績で「この内申では無理だから、志望校のレベルと落とさなくてはならない」と言われることがあります。
しかし、その言葉を鵜呑みにして安易に志望校を下げてはいけません。
内申点は入試の3割であって、残り7割は学力点です。
内申点が足りなくても、学力点でカバーすればいいのですから、まだあきらめる必要はありません。

入試直前で内申点が決まり模試の合否判定もでて、ある程度自分の実力が明確になってきている時期ならまだしも、内申点も決まっていない時期から志望校を下げることに言及する行為自体に疑問を感じます。
生徒たちの能力を伸ばし、彼らが成長しようと努力するのを支えるのが教育だと考えます。
しかし、この時期に志望校を下げろというのは「今の身の丈に合ったこじんまりとした人間になれ」と言っているように聞こえます。
これは教育とは真逆な姿勢ではないでしょうか。
受験当日まで生徒は必死に頑張り、自分を伸ばそうとするからこそ受験は価値があるのです。
何の努力もしないで行ける高校を勧めるのは教育における指導ではありません。

生徒たちには「学ぶ権利」があり、本人が望めばそれを尊重しなければなりません。
学校の先生であってもそれを無視して、本人の意に反し「志望校を下げなければならない」とは言えません。
もし、そういう先生がいたなら、それに従う必要は全くありません。
ましてや、それが本人の意思ではなく納得していないなら、堂々と抵抗し自分の本意をつらぬいてください。
それでも否定された場合は、人権侵害に当たるので、教育委員会にでも訴えてください。
少なくとも「教育を受けるチャンス」は与えられなくてはなりません。

先生方はいろいろ知っていますから、生徒がより良い決断をするために情報を提供することは問題ないと思います。
しかし、最後の決断まで口を出すようでは越権行為と言わざるを得ません。
これから頑張れば実力は伸びます。
志望校を下げるのはいつでもできます。
だから、今の段階では高めの高校を目指して構いません。
最終的には願書の出願日、実際は提出後も一度だけ期限内であれば志望変更ができます。
まだまだ変更は効くのに、こんなに早い時期から選択の幅を狭める必要はないのです。

志望校選択で一番やってはいけないことは、決定を自分でしないで人に任せることです。
「人に言われたから、納得していなくてもその高校にした」であれば、絶対に後になって後悔が残ります。
受験に合格してもしなくても同じです。
合格すれば「あの学校に行っていたらなあ」と思い、不合格ならば「やっぱりあの学校を受験していればよかった」と思います。
大事なのは自分の人生に悔いを残さないことです。
自分の選択であれば責任を持ちますし、どのような結果であっても受け入れることができます。

「先生に言われたから」ではいけませんし、そうする必要は全くありません。
助言や参考として受け止めましょう。
志望校は必ず自分で決めましょう。
そして、周囲の人間は子どもたちの意思を尊重し、希望が叶うように全力で支えることです。

友達が志望しているから自分も

次によくあるのが「仲のいい友達が志望するから、自分も志望する」というものです。
これも志望校選びにはやってはいけないことです。
理由の一つは、受験はあくまでも個人のことであって、友達と一緒に受験したからと言って必ずしも二人とも合格できるとは限りません。
一方が合格し、もう一方が不合格だった場合は遺恨を残すことになるかも知れません。

確かに「友達と一緒の学校に行きたい」は勉強の動機づけになり、頑張るエネルギー源になるかも知れません。
お互いに協力すれば勉強もはかどるかも知れません。
しかし、入試ではその友達でさえ自分のライバルであり、自分が合格するためにはその子を押しのければならないかもしれません。

また、その友達にとって行きたい学校、適切な学校が必ずしも自分にとってそうとは限りません。
合格したとしても、いろいろ問題が発生しストレスになるかも知れません。
結局、友達と同じというのは、自分でよく考えふさわしい進路を決めるのを放棄してしまったとも言えるかもしれません。

新しい環境は不安だし、友達がいれば安心かも知れません。
しかし、人生では多くの人々と出会い別れるものです。
周りに知った人がいなくても、新しい友達はできるものです。
だから、「友達が行くから」と言って、自分に合わない高校を選ぶのもよくはありません。

偏差値がちょうどいいから

受験において偏差値は確かに重要です。
合否予想の大きな目安になるからです。
しかし、偏差値だけで学校を選ぶのもお勧めできません。
なぜなら、偏差値がちょうどいいからと言って、自分が入学してから充実した学校生活を送れるとは限らないからです。

学校を選ぶときは合否だけでなく、入学した後のことも考えなくではなりません。
「自分のやりたいことがその高校でできるのか」「自分の将来の夢に本当につながっているのか」などが重要になります。
よく受験生で合格することばかり考え一生懸命頑張って、いざ合格するとその後どうしていいか分からなくなるということがあります。
くれぐれも忘れないでほしいのですが、人生は受験で終わりではなく、その後もずっと続くのです。
高校入試はその長い人生を大きく左右するものの一つです。
そうであるなら、「合格すればどこでもいい」と偏差値だけで決めない方がいいと思います。

同じようなことが「学校の知名度」にも言えます。
有名な高校だからという理由だけで選んでしまうと、いざ入学したときに自分が何をしていいのか分からないということになります。
志望校選びは合格だけを考えず、その先まで見越して慎重に決めていただきたいと思います。



高校入試は人生を左右すると言っても過言ではありません。
だからこそ、しっかり考え自分で決めないといけません。
そうでないと、必ず後で後悔が残ります。
より適切な決断をするために、多くの人々の声を聞くのは非常に良いことです。
多くの情報があれば、より正確な判断ができます。

しかし、それは他人の言いなりになるということではありません。
どんなに困難でも、自分の進みたい道を選んでください。
例え学校の先生でも、それを否定することはできません。
「これじゃ、○○高校は無理だね」と言われても気にすることはありません。
少なくとも今の段階では。

現時点では少しでも自分の実力を伸ばそうと努力することが肝要です。
自分の力が伸びれば、その分道も開け選択肢も増えます。
先ほども述べたように志望校を下げるのはいつでもできるのだから、今は少しでも高みを目指してがむしゃらに頑張ってください。
そして、あらゆる事柄を考慮に入れて、最終的に自分が志望校を決めればいいのです。

応援しています。

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