塾長ブログ
2025.07.21
時事問題を考えよう!
時事問題とは、現在起こっている社会問題や人々の間で取り上げられている話題などです。
時事問題は政治、経済、国際情勢など多岐に渡ります。
学校の五教科で現時点での時事問題に触れることはあまりないと思います(近年の時事問題ではあるかも知れませんが)。
しかし、時事問題を考えることには利点がいくつかあります。
本日はそのことについて考えみたいと思います。
1.受験対策として
受験において時事問題が関係するのは、推薦入試などで行われる面接でしょう。
自分について、中学生活について、高校ではどのように過ごしたいかなど聞かれますが、時には時事問題について質問されることがあります。
そんな時に「分かりません」では元も子もありません。
時事問題を知っているということに加え、自分なりの問題に対する意見が求められます。
でも、事前に時事問題についての知識や理解があれば答えることは可能でしょう。
だから、普段から時事問題に興味を持ち、いろいろと考え自分なりの意見を用意しておけば、質問されたときに上手く答えることができます。
また、一般の入試でも近現代史や現代文では時事問題に関係するもの(さすがに試験直前の時事問題とはいきませんが)が出たりします。
新しい指導要領が発表され、教育改革が進む現在の学校教育においては思考力が重視されるので、入試問題に時事問題を絡めた問題が出されることは想像に難くありません。
そのときも、時事ネタに対する予備知識があれば、解答はかなり容易になります。
以上の点において、受験の準備として普段から新聞やテレビなどのニュースで時事問題に目を通し考えることは重要と考えられます。
2.コミュニケーション能力の向上のために
時事問題とは大人も共通して話題にできるので、時事問題を利用して親子や友人同士で議論するのもいいです。
ニュースなどから正確に情報を捉え、必要であれば様々なツールで情報収集する。
情報収集能力の訓練になると同時に、どうすれば相手に正確に情報が伝えられ、自分の考えを理解してもらえるかという発信力の練習にもなります。
相手の意見も正しく捉えないといけないので、双方向の伝達であるコミュニケーション能力の向上にもつながります。
自分の考えを間違えなく相手に伝え、相手の意見を正確に理解する力は学校生活のみならず社会に出てからも必要で、人生おいて最も大切な能力の一つと言えるでしょう。
3.読解力と論理的思考の訓練として
新聞やニュースなどの時事問題を利用して読解力が高められることができます。
同時に、理解した情報からどのように考え、その考えを相手に伝えるかを工夫することは、論理的思考、判断力、表現力といった現在文科省が新制度の入試において求める力の鍛錬にもなります。
多くの文章や資料を読んでデータや資料を読み解く能力が高め、語彙を増やすことで知識を高めれば、自身の思考の世界が広がり論理的な考え方に慣れ、新しい意見やアイデアがどんどん浮かぶようになるでしょう。
4.人間関係の深化
時事問題について議論することで、参加しているメンバー内の相互理解と絆が深まります。
普段分からなかったが、この人はそんな風に考えるのだと知って驚かされるかもしれません。
これは話し合って初めて分かることで、時事問題がそのきっかけとして最適と考えます。
お互いの意見を交換することで、今までそこまで関わっていなかった人との仲が深まり、より多くの人との関係を持つことができます。
また、親子であれば子供との壁が低くなり、子供が何かの問題に巻き込まれたときの早期発見につながることも考えられます。
特別に時事問題を話す時間を設ける必要はありませんが、食事のときの会話の一つとして話題をふってもいいと思います。
そこで子どもの知らなかった問題の背景やいきさつなどを説明できると、やはり親に対する畏敬の念は深まるのではないでしょうか。
子どもが親を尊敬し、親は子どもに対して慈しみの心が持てれば、家庭も円満になるでしょう。
意見の相違があったとしても口論ではなく話し合いという形で解決できるので、思春期特集の親子の対立も回避できます。
5.知的好奇心を高め、勉強に興味を持たせる
これは葛西TKKアカデミーでは最も重視することの一つですが、時事問題と通して知的好奇心を高めることができます。
常に「なぜ」「どうして」という姿勢で時事問題を見ると、物事に興味関心がわいてきます。
クイズを解くように、自身で問題を掘り下げ、その背景を知ることもできます。
このようにして、一つのことをきっかけに多くのことを学べるのです。
そして、謎が解けたとき、達成感と満足感が生まれ、プラスの循環を生み、もっと学ぼうと積極的になれるのです。
人から言われる勉強は苦痛です。
子供にそう仕向ける大人も苦痛です。
本人が自主的に学んでくれれば、お互いにストレスを抱えることなく良好な関係を保つことができます。
このとき大人は「聞き役」もしくは「アドバイザー」に徹してください。
下手に答えを与えたり、自分の考えを押し付けるのは決してよくありません。
学習意欲を減退させ、逆効果になります。
求められたときに「個人的な考えだけど、こんな風にも考えられるのじゃないかな」という具合で、考え方の一例として提示するのはいいと思います。
こうして知的探求心を育てれば、全ての分野において学びが楽しくなり、いろいろなことに対して自主的に学べるようになると思います。
日本では家庭内で政治や社会の話をするのは場違いのように思われることがよくあります。
ところが欧米は逆に家庭で積極的に時事問題を話し合い、子供たちが社会の現実と問題に目を向け学べるようにしています。
よって、皆さんのご家庭でも遠慮なくこのような話題をしていいです。
これまで見てきたように、時事問題を通して子どもの教育にプラスになることは非常に多いのです。
時事問題で社会や理科、国語などの学習を深めると同時に、人間としてこれからの社会を生きていくのに必要な能力を身に付てくれることを願います。
家庭で協力して時事問題に触れることが、子供たちの勉強のみならず、人としての成長の一助になってくれれば幸いです。