塾長ブログ

2025.10.03

意外と知らない都立高校入試の合否判定方法

 夏休みが終わり二学期が始まりました。
受験生にとっては本格的に受験勉強に取り組む時期です。
大変ですが競争である以上、少しでもライバルに差を付けなくてはなりません。
そのためには毎日の勉強が重要になってきます。
苦しいでしょうけど、後5か月ほどの辛抱です。
本気で努力すればきっと報われますから、自分を信じて頑張ってください。

ところで今回は都立高校の入試に関して、その合否はどのようにして決まるのかご紹介いたします。



受験生を始め保護者の方々もよく知らないという人が多いようなので、ここで一度ご説明したいと思います。
意外と複雑なのできちんと理解していただきたいです。

都立高校の入試の得点の出し方

都立高校の入試得点の出し方は少し複雑です。
合否判定は受験生が課せられた点数をいかに多く取るかで決まります。
そして、その得点の基本的な大きな部分に当たる要素が二つあります。
調査書点(内申点)と学力検査点です。
さらに、現在では学力試験に先駆けて英語のスーキングテストが11月に行われ、こちらもマイナーな部分にはなりますが、評価に含まれるようになりました。
結果、都立高校の入試は合計1020点満点で評価され、そのうちの300点が調査書点、700点が入学試験の点数である学力検査点になり、スピーキングテストが残りの20点を占めます。
これら全てのパートで獲得した点の合計点で合否が判断されます。

つまり、調査書点が高いと当日の学力試験の点数が多少悪くても合格できますし、調査書点が低いと試験当日にかなり頑張らなくてはいけないということになります。
また、これは同時に調査書点だけ、学力検査点だけでも合格は難しいことを意味しています。
したがって、普段の学校の勉強をしっかりやって内申点を上げつつ、入試本番のテストに向けた勉強もしないといけないという二方面作戦に受験勉強はなるというわけです。

まとめると、一般的には次のような計算式によって受験生の得点が算出されます。
そして、この総合点の高い受験生から順番に合格が決まります。

入試の総合点={300×(主要5教科の調査書点合計×1+実技4教科の調査書点合計×2)÷65}+{700×5教科の学力検査点合計÷500}+スピーキングテストの点数(20点満点)

このように式だけ見てもよく分からないかもしれませんので、もう少しそれぞれ詳しく解説していきます。

調査書点とは

調査書点とは何かご説明します。

調査書点とは調査書の内申点から算出されます。
通知表にある5段階評価の数字をそのまま点数にします。
これを主要5教科は合計点を1倍、実技4教科は合計点を2倍して合計が調査書点になります。

つまり、9教科オール5であれば65点になります。
オール4であれば52、オール3であれば39、オール2であれば26、オール1であれば13です。
この65点満点のうち何点取ったかを割合で出し、それに300をかけたものが調査書点に基づく部分の得点になります。
実技4教科は調査書点が2倍にされるので、この部分の得点を上げるには、主要5教科より実技4教科を上げたほうが効率が良いということになります。

ちなみに、調査書点が1上がれば1000点の入試総得点のうち約4.6点上がるということになります。
(ちなみに、学力検査点では1上がると1000点満点では1.4点しか上がりません。)
1点で合否が分かれる入試では、この得点は非常に大きいのです。
調査書点がいかに重要かお分かりいただけたと思います。

私立高校受験でも調査書点は重要

また、私立高校の入試でも調査書点が大きな意味を持ちます。
基本的に各私立高校は受験するために必要な調査書点を提示しています。
すなわち、その基準となる調査書点に達していない生徒は、その高校の受験ができないということになります。
調査書点が高ければそれだけ多くの私立高校が選択でき、低ければ嫌でも選択の幅は狭まります。
ましてや9教科の成績の中で一つでも「1」がついていると受験資格がなくなるという私立高校は非常に多いので、「1」を取ることだけは絶対に回避しないといけません。
このように私立高校でも志望校選びに調査書点が大きく影響します。
間違えても「私立高校の受験だから調査書点は関係ない」とは考えないでください。

入試当日の学力試験

二月に行われる入試当日の学力テストに基づく部分は次のようになっています。
国語、数学、英語、社会、理科の5教科各100点満点で合計500点のうち何点取れたか、その割合を考えます。
これに700をかけて算出された得点が、入試当日の学力テストの部分の得点、学力検査点となります。
全体の7割を占める学力テストは、やはり高得点を取りたい部分です。

他の部分と違って、ここは試験を受けるまで確定しない部分です。
つまり、ギリギリまで伸ばせる可能性のある部分を考えることができます。
内申点が悪くても、ここで挽回できれば逆転も夢ではありません。
本当に自分の目指す学校に合格したいのであれば、多少内申点が悪くても最後まであきらめずに受験勉強を頑張るのも一つの作戦ではあります。

ESAT-J:英語のスピーキングテスト

最後に、ESAT-Jと呼ばれる英語のスピーキングテストについてお話します。
これは令和4年度の都立入試から導入されました。
パソコンやタブレット端末などを使って、生徒が英語の問題を口頭で答え、その録音した解答に基づいて評価がなされるものです。
今年度は11月23日に実施されます。

ESAT-Jの結果は最高評価のAから最低評価のFまでの6段階で評価されます。
そして、それぞれのランクごとに点数が配分され、最高点は20点、最低点は0点となっています。
20点とマイナーな部分ではありますが、合格をより確実にするためには1点でも多く点数を取る必要があります。
だから、スピーキングテストを大した点数ではないからと見くびってはいけません。
不合格になったとき、泣くに泣けなくなります。
何事にも全力で挑戦し、受験という難関を突破しなくてはいけません。

日本では英語を話す環境があまり整っておらず、学校でもあまりうるさく指導されることもありません。
でも、発音や受け答え、発信などは机上の勉強とは違いすぐにできるようになるものではありません。
習得までには練習と時間を要します。
だから、日頃から英語のスピーキングもいい加減にしないで、常に発音や抑揚、表現などを気にかけながら英語を話すように心がけましょう。

繰り返しますが、小さな部分だからと軽く見ないで、合否判定に関わる以上は手を抜かずに準備してください。



以上、都立高校の合否判定に関わる説明をしました。
お分かりになりましたでしょうか。
結構複雑なので分かりにくいかも知れませんが、そのときはいつでも葛西TKKアカデミーにお問合せください。

入試についてよくわからない、志望校決定に悩んでいる、その他質問がある方も遠慮なく葛西TKKアカデミーまでお問い合わせください。
自分の現在の状況と目指す高校の状況をよく分析し、何をどのようにしなければならないかしっかり考えてください。

願書提出の締め切りまでは、まだ時間があります。
人生に大きく影響する大事な試験ですから、後悔することのないように頑張ってください。

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