塾長ブログ
2025.11.08
11月24日は都立高校入試のスピーキングテストがあります

二学期もかなり進み、そろそろ期末テストの時期です。
高校受験をする生徒にとって非常に重要な定期テストです。
なぜなら、このテスト結果が三年二学期の成績に大きく影響し、この成績が受験に必要な内申点になるからです。
しっかり準備して内申点が一つでも上がるように頑張りましょう。
ところで、今回の話題はその後に実施される英語のスピーキングテストです。
現在、都立高校入試では2月下旬に学力テストが行われますが、それに先駆け今年は11月24日に英語のスピーキングテストが行われます。
教育委員会の方針で、英語の「話す」力も受験の評価に加えるべく2023年から行われています。
本日はこのスピーキングテストについて議論したいと思います。








現在、都立高校入試で英語のスピーキングテストが行われていることをご存知でしたでしょうか。
大学の共通テストが始まったときに、英語のスピーキングテストが導入されるのではないかと話題になりましたが、こちらは批判と反対の声が多く、実施延期という形で今も行われていません。
一方、都立高校入試では導入され数年になります。
結果として、中学生の英語ではこれまで疎かになりがちであった発音やコミュニケーション能力もしっかり勉強しなくてはいけなくなってきました。
英語の「話す」能力の指導や生徒の学習方法の問題もありますが、やはり高い公平性が求められる受験においてスピーキングテストの評価をどのように行えばいいかで疑問や反対がありました。
しかし、これらの批判にこたえることなく、都立高校入試ではスピーキングテストが始まり、現在に至っております。
スピーキングテストはどんなテスト?
都立高校入試で扱われるスピーキングテストは「ESAT-J」と呼ばれています。
タブレット端末を使い、受験生はヘッドフォンをマイクを付けて、音声の指示に従って試験を進めていきます。
試験は大きく四つのパートに分かれ、それぞれ与えられた課題に発生をしながら答え、マイクを通してその音声が録音される仕組みです。
録音された音声はとある場所に集められ、訓練を受けたネイティブスピーカーにより、定められて手順に従い評価されるみたいです。
フィリピンに送られるという話も聞きますが定かではありません。
そして、採点結果によってA~Fまでの6段階にランク付けされ、Aが20点、Bが16点と4点刻みで点数が付けられ、Fは0点となります。
これが一般入試の点数1000点満点に付与され、その結果1020点満点で合否の判定がなされます。
受験を受けた生徒の話では
これまでESAT-Jを受けた生徒の話は次のように話していました。
会場に受験生は集められ何十人かが同じ教室で一斉に受験するそうです。
試験は配布されているタブレット端末を使い、ヘッドフォンとマイクが接続されて、個々にタブレット端末を操作しながら進めていきます。
一応ヘッドフォンはしているものの、他の受験生の声は聞こえるらしく、それを聞きながら答えることもできるそうです。
受験生は前半後半に分かれて、前半のグループが終わると入れ替わって後半のグループが試験を始めるみたいです。
また、ニュースによると音声の不具合などが発生し、一律追加点になったという話も聞きます。
結構トラブルは発生しているらしく、高校受験の一端を担うにはまだテストが稚拙なように思われます。
テスト内容は?
先ほども申したように、ESAT-Jは大きく四つのパートで構成されています。
まず、パートAはそれほど長くない英語の文章を音読する問題です。
実際に発話する前に30秒の準備時間があり、そこで文章を黙読して内容を確認します。
平均的な中学3年生ならそれほど苦労しないで読めるくらいの文章で、2問出されます。
パートBは英語で質問されたことに対して与えられたイラストを見ながら答える問題です。
ここでの準備時間は10秒です。
全部で5問出されます。
店員と客、友達同士などよくあるシチュエーションが設定され、そのような状況でうまく自分の考えを伝えられるかコミュニケーション能力が試されます。
パートCは与えられたイラストを見て、そこからどのような物語なのかを理解し、それを英語で説明する問題です。
30秒の準備時間があります。
1問出されます。
イラストしか与えられていないので、イラストから情報を読み取り、これを自分で英語として組み立てて説明しないといけません。
とっさの表現力が重要です。
最後のパートDは英語の質問を聞きながら、自分なりに応える問題です。
質問は「夏休みに何をしたいか」とか「どこの国に行きたいか」などのオープンクエスチョンです。
60秒の準備時間があります。
こちらも1問です。
自分の意見や考えを言うだけでなく、その理由や説明も必要です。
短いスピーチの形を取る場合もあるので、論理的な思考を表現力が必要になります。
対策は?
全体として必要とされる英語は特別なものなく、日頃から普通に学校で英語の授業を受けていればある程度の得点は可能と思われます。
しかし、これは「普段から」きちんと発音やアクセント、文の抑揚やポーズまで意識してまじめに身に着けていないといけません。
日頃いい加減な発音で英語を勉強していて、試験直前になって正しい発音に直そうとしても一朝一夕には直りません。
つまり、1年生のときからコツコツと手を抜かず発音の習得を積み重ねることが大事です。
とは言え、受験直前になってしまった受験生にはどのような対策ができるでしょうか。
学校でも何度かシミュレーションがあったと思います。
そのときのことを思い出し、まずは機器の操作の仕方を確認してください。
頭の中で何度も繰り返し、本番のとき、機械の操作でつまずいてパニックにならないようにしましょう。
市販の問題集や教本を使って、同じ問題で構いませんので何度も解いてみてください。
問題を解くというより、もう答えを聞いて何度も発話する。
とにかく声を出すのが大事です。
大抵音声がついていると思いますので、それを聞きながら自分の発音やアクセント、イントネーションやポーズを確認しましょう。
英語独特のリズムに慣れましょう。
音声を聞きながら真似するシャドーイングが効果的です。
もし英語が堪能な人が周りにいれば、その人に協力してもらって自分の英語を聞いてもらいアドバイスを受けましょう。
答え方のコツ
それでは実際にテストで答えるとき、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。
各パートごとに考えてみます。
パートA
文章を読むだけの問題ですが、発音や話し方に関してそれほど厳格でも内容です。
多少の引っかかりや間が空いてしまったり、リズムやイントネーションが多少間違えていたとしても、おおむね時間内に読み終えることができれば、それほどの減点にはなりません。
言い直しがあっても相手の理解の妨げにならない程度であれば大丈夫です。
よって、自信を持って大きな声ではきはきと読み上げることが大事です。
知らない単語が出てきても、最悪ローマ字読みなどでそれっぽく発音すればいいと思います。
一番良くないのは、分からないから、間違えたからと引きずって沈黙になってしまうことです。
パートB
相手の質問に答える問題なので、前提として正確に質問を聴き取る必要があります。
特に英語は、最初に「when」「who」「where」「what」「how」などの質問の言葉がきますから、質問の始めは特に集中して聞いてください。
聴き取れたとしても、「何を答えていいか分からない」、「どう答えたらいいのか分からない」という人がいます。
ここでも一番良くないことは何も言葉を発しないことです。
あまり深く考えず、自分が本当にそうは思っていなくても、とりあえず何か答えましょう。
その答えに対してさらに質問がある訳ではないので、その場しのぎの回答で結構です。
文で答えるのが難しかったら、単語だけでも構いません。
黙っているよりはずっとましです。
パートC
個人的には受験生にとってこのパートが一番難しいような気がします。
まず、イラストを見てその内容を把握しなくてはなりません。
そして、仮に把握できたとしても、そのストーリーを英語で表現できなくてはいけません。
単に読むだけ、一文を答えるだけとは違い、文脈のある文章なので、いくつかの文を有機的につなぎ、筋の通った話を作る必要があります。
だから、つなぐ言葉を多く知っていると有利です。
それぞれのイラストに2~3文言うように心がけるとといいです。
大雑把な名無しの流れを考えたら、それに一つ二つ情報を加えるような気持ちで答えるといいでしょう。
発話するだけ、一文作るだけで精一杯の生徒には非常にハードルの高い問題かも知れません。
でも、単文を並べるだけでも沈黙よりはましで、部分点はあると思います。
また、イラストの解釈は個人の裁量の余地がありますので、自分の表現できる範囲の内容に解釈し、なるべく簡単な英文で答えるのも一つの方法です。
あまり難しく考えず、機転を利かせると案外中学で習った英語でいろいろな表現ができることに気づくはずですが、そうなるまでには訓練と経験が必要です。
普段から積極的に英語のコミュニケーションをとる機会の少ない生徒には厳しいかも知れません。
パートD
ここでは質問に対して自分の考えと理由を答える問題です。
答え方のパターンとしては、自分の考えを述べ、その後「because」などを使って理由を述べます。
理由が言えなくても、最低自分の意見は答えましょう。
また、意見や理由の内容そのもので減点されることはないので、正直に答えなくても自分が回答しやすい意見を言えばいいと思います。
いい理由が見つからなければ、うまく意見を裏付けるような理由をでっちあげるのも一つの方法です。
独りよがりの意見でいいです。
この回答に対して反論されることはないので、事実と違えたとしても大きな問題ではありません。
「こんなことを言ったらダメかな」なんて考えないで、自信を持って大きな声で答えてください。
また、非常によく使える便利なフレーズを事前に多く覚えておくことも、表現力を広げ回答をしやすくしてくれます。
今からでも、これまで習った役立つ表現を確認し、覚え、そして使えるようにしておきましょう。








いよいよ都立入試が始まるという感じです。
その口火を切るのが英語のスピーキングテストであるESAT-Jです。
入試は来年二月だと思って準備していない受験生はいないとは思いますが、試験である以上全力で臨んでください。
1020点中の20点とバカにしてはいけません。
1点違えば順位は変わります。
下手をすれば何十人も入れ替わってしまいます。
今は期末テストの勉強で忙しいかもそれませんが、それが終わったら直前のESAT-Jに向かって集中して勉強してください。
1点でも疎かにすることなく、「しまった」と後悔することもないように、まずは入試の第一回戦頑張ってください。

























