塾長ブログ

2025.11.12

インフルエンザの流行で学級閉鎖も!今一度予防と対策を

最近、目に見えてインフルエンザの流行が分かるようになってきました。
インフルエンザにかかって休んでいる生徒が増え、いくつかの学校では学級閉鎖が行われているようです。
かく言う葛西TKKアカデミーの生徒も何人かインフルエンザで休んでいます。
ということで、再度、インフルエンザの予防と対策についてお話したいと思います。



今、中学校では期末テストの時期です。
この時期にインフルエンザにかかってしまうと、当然テストは受けられません。
もちろん追試はありますが、点数はいくらか減点されて出されると思います。
これはもったいないです。

また、受験生も追い込みの大事な時期です。
ここで寝込んで何日か受験勉強ができなくなると、やはり大きな痛手となります。

そうでなくてもインフルエンザはかかっていいことはありません。
だからこそ、しっかりと予防しリスク回避をしなくてはいけません。
万が一かかったとしても、適切に対処することでダメージを軽減できます。
繰り返しになる部分が多いとは思いますが、もう一度確認していきましょう。

今年のインフルエンザ

今年のインフルエンザは例年より一ヶ月以上早く流行しているそうです。
11月11日は全国の患者数も6万人に迫る勢いです。
今年は「香港A型」が流行っているらしく、これは感染すると重症化しやすくワクチンも効きにくいという特徴があるそうです。

例年よりこんなに早く流行している原因として考えられるのが、今年の猛暑で体力が落ちているところに、急に秋の寒暖差の激しい日が続いたことです。
これで自律神経やホルモンのバランスが崩れ、免疫が弱まったのではないかと考えられます。

インフルエンザ予防の基本

インフルエンザ予防の基本はやはり次の通りです。

1.うがい手洗い(アルコール殺菌)
2.マスク
3.十分な睡眠休息と栄養補給
4.予防接種
5.適度な湿度
6.早目の対応(医師による診察)
7.日に当たり適度な運動

インフルエンザの予防接種を受けたり、マスクをしたり、外出から帰ったら必ず手洗いうがいをしたりしましょう。
そして、不必要に外出せず、できるだけ人ごみを避けてウィルスをもらわないようにしてください。
まだ体が慣れていない季節の変わり目は特に、外に出る時は暖かい服装で風邪を引かないように気をつけましょう。
ただし、室内にいる時は上着を脱いで汗をかかないようにしてください。
汗が冷えると体温が奪われ風邪の原因になります。

家族や友人など身近な人で風邪の人がいる場合は、マスクなどをしてもらいうつされないようにしてください。
遠慮して言わないで、こちらが風邪になっては大変です。
特に受験生は一生に関わる失敗の許されないテストですから、遠慮して風邪をうつされ勉強ができなかったり試験場受けられなかったりしては取り返しがつきません。
ここは自分を守ることを最優先してください。

また、受験勉強で忙しいとは言え、十分な睡眠は必要です。
体を休めないと病気に対する抵抗力が弱まります。
できれば6時間は睡眠時間を確保してほしいです。
十分な睡眠は記憶の定着にも大きく関わり、勉強ができるようになるためにも必要不可欠です。

さらに、十分に栄養を取りバランスのとれた食事をすることも体を強くしてくれます。
特に風邪にはビタミン類が有効と言われています。
したがって、野菜や果物を摂取することはインフルエンザ予防にも重要です。
そして、朝食を抜くということは絶対にやめてください。
忙しいからと言って朝食事を取らないと、いつまで経っても体が目覚めず、脳もエネルギー不足で十分はたらかなくなります。
これではインフルエンザと戦えないばかりか、勉強もできません。
朝食は余裕を持ってよく噛んで、しっかり食べて学校に行きましょう。

このように病気の予防と勉強の効率の両面から、食事と睡眠は気を付けなければなりません。
もしうまくできていないようでしたら、今の状況を記録し目に見える形にしましょう。
そうすれば自分がいかに悪い状況にあるのかが分かります。
こうして自覚すれば対策を講じることは容易です。

最後に、勉強ばかりで家に閉じこもりっきりもよくありません。
適度に休憩時間を作り、軽い運動をすることは血行をよくし頭をすっきりさせましょう。
目が覚めて勉強に再び集中できると同時に、体内の免疫力も上がります。
また、精神的な健康も大事です。
不安とストレスの多い時期、散歩などの気分転換などでうまく発散し、安定した精神状態でいることも大事です。
要は、勉強と息抜きのメリハリをつけるということです。
長い受験勉強をやり切るにはこの両方が必要です。

インフルエンザにかかってしまったら

もし少しでも体調がおかしいと感じたら無理はせず、すぐに医師に診てもらってください。
病気を甘く見ないで迅速に行動し、適切に対処することで生活への悪影響を最小限にできます。
早い対処が肝心です。
無理して何もしないまま生活をしていると、自身は元より周囲の人間まで病気に巻き込んでしまうので、周りに大きな迷惑を掛けてしまいます。

医師のところへ行って適切に対処して早く治し、一刻も早く勉強に再び取り組めるようにしましょう。
風邪の引き始めは特に、水分補給とビタミンなどの栄養補給をしっかりしてください。
ワクチン注射をまだしていない人も、しないよりはましなので、今からでも受けに行ってください。

予防は最大の対策ではありますが、そうは言っても万全ではないので、運悪くインフルエンザにかかったときはひどくなる前、病状が軽いうちに速やかに治しましょう。



病気にかかって何もいいことはありません。
特に人生の大事な時期を迎える受験生は、この大切なときの病気になって貴重な時間を不意にすることだけは避けたいものです。
そのためには予防が一番です。
しかも、本人が気をつけるだけでなく、周囲の人間も受験生のために協力して、インフルエンザを回避してください。
これが最善策です。
それでもかかってしまったら速やかに病院に行ってください。

受験生は悔いを残さないよう体調管理にに気をつけましょう。
また、受験生でなくても病気で通常の生活ができなくなることは大きな損失です。

どうか体に留意して、皆さん勉強に励んでください。

2025.11.08

11月24日は都立高校入試のスピーキングテストがあります

 二学期もかなり進み、そろそろ期末テストの時期です。
高校受験をする生徒にとって非常に重要な定期テストです。
なぜなら、このテスト結果が三年二学期の成績に大きく影響し、この成績が受験に必要な内申点になるからです。
しっかり準備して内申点が一つでも上がるように頑張りましょう。

ところで、今回の話題はその後に実施される英語のスピーキングテストです。
現在、都立高校入試では2月下旬に学力テストが行われますが、それに先駆け今年は11月24日に英語のスピーキングテストが行われます。
教育委員会の方針で、英語の「話す」力も受験の評価に加えるべく2023年から行われています。
本日はこのスピーキングテストについて議論したいと思います。



現在、都立高校入試で英語のスピーキングテストが行われていることをご存知でしたでしょうか。
大学の共通テストが始まったときに、英語のスピーキングテストが導入されるのではないかと話題になりましたが、こちらは批判と反対の声が多く、実施延期という形で今も行われていません。

一方、都立高校入試では導入され数年になります。
結果として、中学生の英語ではこれまで疎かになりがちであった発音やコミュニケーション能力もしっかり勉強しなくてはいけなくなってきました。
英語の「話す」能力の指導や生徒の学習方法の問題もありますが、やはり高い公平性が求められる受験においてスピーキングテストの評価をどのように行えばいいかで疑問や反対がありました。
しかし、これらの批判にこたえることなく、都立高校入試ではスピーキングテストが始まり、現在に至っております。

スピーキングテストはどんなテスト?

都立高校入試で扱われるスピーキングテストは「ESAT-J」と呼ばれています。
タブレット端末を使い、受験生はヘッドフォンをマイクを付けて、音声の指示に従って試験を進めていきます。
試験は大きく四つのパートに分かれ、それぞれ与えられた課題に発生をしながら答え、マイクを通してその音声が録音される仕組みです。
録音された音声はとある場所に集められ、訓練を受けたネイティブスピーカーにより、定められて手順に従い評価されるみたいです。
フィリピンに送られるという話も聞きますが定かではありません。
そして、採点結果によってA~Fまでの6段階にランク付けされ、Aが20点、Bが16点と4点刻みで点数が付けられ、Fは0点となります。
これが一般入試の点数1000点満点に付与され、その結果1020点満点で合否の判定がなされます。

受験を受けた生徒の話では

これまでESAT-Jを受けた生徒の話は次のように話していました。
会場に受験生は集められ何十人かが同じ教室で一斉に受験するそうです。
試験は配布されているタブレット端末を使い、ヘッドフォンとマイクが接続されて、個々にタブレット端末を操作しながら進めていきます。
一応ヘッドフォンはしているものの、他の受験生の声は聞こえるらしく、それを聞きながら答えることもできるそうです。
受験生は前半後半に分かれて、前半のグループが終わると入れ替わって後半のグループが試験を始めるみたいです。

また、ニュースによると音声の不具合などが発生し、一律追加点になったという話も聞きます。
結構トラブルは発生しているらしく、高校受験の一端を担うにはまだテストが稚拙なように思われます。

テスト内容は?

先ほども申したように、ESAT-Jは大きく四つのパートで構成されています。

まず、パートAはそれほど長くない英語の文章を音読する問題です。
実際に発話する前に30秒の準備時間があり、そこで文章を黙読して内容を確認します。
平均的な中学3年生ならそれほど苦労しないで読めるくらいの文章で、2問出されます。

パートBは英語で質問されたことに対して与えられたイラストを見ながら答える問題です。
ここでの準備時間は10秒です。
全部で5問出されます。
店員と客、友達同士などよくあるシチュエーションが設定され、そのような状況でうまく自分の考えを伝えられるかコミュニケーション能力が試されます。

パートCは与えられたイラストを見て、そこからどのような物語なのかを理解し、それを英語で説明する問題です。
30秒の準備時間があります。
1問出されます。
イラストしか与えられていないので、イラストから情報を読み取り、これを自分で英語として組み立てて説明しないといけません。
とっさの表現力が重要です。

最後のパートDは英語の質問を聞きながら、自分なりに応える問題です。
質問は「夏休みに何をしたいか」とか「どこの国に行きたいか」などのオープンクエスチョンです。
60秒の準備時間があります。
こちらも1問です。
自分の意見や考えを言うだけでなく、その理由や説明も必要です。
短いスピーチの形を取る場合もあるので、論理的な思考を表現力が必要になります。

対策は?

全体として必要とされる英語は特別なものなく、日頃から普通に学校で英語の授業を受けていればある程度の得点は可能と思われます。
しかし、これは「普段から」きちんと発音やアクセント、文の抑揚やポーズまで意識してまじめに身に着けていないといけません。
日頃いい加減な発音で英語を勉強していて、試験直前になって正しい発音に直そうとしても一朝一夕には直りません。
つまり、1年生のときからコツコツと手を抜かず発音の習得を積み重ねることが大事です。

とは言え、受験直前になってしまった受験生にはどのような対策ができるでしょうか。
学校でも何度かシミュレーションがあったと思います。
そのときのことを思い出し、まずは機器の操作の仕方を確認してください。
頭の中で何度も繰り返し、本番のとき、機械の操作でつまずいてパニックにならないようにしましょう。

市販の問題集や教本を使って、同じ問題で構いませんので何度も解いてみてください。
問題を解くというより、もう答えを聞いて何度も発話する。
とにかく声を出すのが大事です。
大抵音声がついていると思いますので、それを聞きながら自分の発音やアクセント、イントネーションやポーズを確認しましょう。
英語独特のリズムに慣れましょう。
音声を聞きながら真似するシャドーイングが効果的です。
もし英語が堪能な人が周りにいれば、その人に協力してもらって自分の英語を聞いてもらいアドバイスを受けましょう。

答え方のコツ

それでは実際にテストで答えるとき、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。
各パートごとに考えてみます。

パートA

文章を読むだけの問題ですが、発音や話し方に関してそれほど厳格でも内容です。
多少の引っかかりや間が空いてしまったり、リズムやイントネーションが多少間違えていたとしても、おおむね時間内に読み終えることができれば、それほどの減点にはなりません。
言い直しがあっても相手の理解の妨げにならない程度であれば大丈夫です。

よって、自信を持って大きな声ではきはきと読み上げることが大事です。
知らない単語が出てきても、最悪ローマ字読みなどでそれっぽく発音すればいいと思います。
一番良くないのは、分からないから、間違えたからと引きずって沈黙になってしまうことです。

パートB

相手の質問に答える問題なので、前提として正確に質問を聴き取る必要があります。
特に英語は、最初に「when」「who」「where」「what」「how」などの質問の言葉がきますから、質問の始めは特に集中して聞いてください。
聴き取れたとしても、「何を答えていいか分からない」、「どう答えたらいいのか分からない」という人がいます。
ここでも一番良くないことは何も言葉を発しないことです。
あまり深く考えず、自分が本当にそうは思っていなくても、とりあえず何か答えましょう。
その答えに対してさらに質問がある訳ではないので、その場しのぎの回答で結構です。
文で答えるのが難しかったら、単語だけでも構いません。
黙っているよりはずっとましです。

パートC

個人的には受験生にとってこのパートが一番難しいような気がします。
まず、イラストを見てその内容を把握しなくてはなりません。
そして、仮に把握できたとしても、そのストーリーを英語で表現できなくてはいけません。
単に読むだけ、一文を答えるだけとは違い、文脈のある文章なので、いくつかの文を有機的につなぎ、筋の通った話を作る必要があります。
だから、つなぐ言葉を多く知っていると有利です。

それぞれのイラストに2~3文言うように心がけるとといいです。
大雑把な名無しの流れを考えたら、それに一つ二つ情報を加えるような気持ちで答えるといいでしょう。
発話するだけ、一文作るだけで精一杯の生徒には非常にハードルの高い問題かも知れません。
でも、単文を並べるだけでも沈黙よりはましで、部分点はあると思います。
また、イラストの解釈は個人の裁量の余地がありますので、自分の表現できる範囲の内容に解釈し、なるべく簡単な英文で答えるのも一つの方法です。

あまり難しく考えず、機転を利かせると案外中学で習った英語でいろいろな表現ができることに気づくはずですが、そうなるまでには訓練と経験が必要です。
普段から積極的に英語のコミュニケーションをとる機会の少ない生徒には厳しいかも知れません。

パートD

ここでは質問に対して自分の考えと理由を答える問題です。
答え方のパターンとしては、自分の考えを述べ、その後「because」などを使って理由を述べます。
理由が言えなくても、最低自分の意見は答えましょう。
また、意見や理由の内容そのもので減点されることはないので、正直に答えなくても自分が回答しやすい意見を言えばいいと思います。
いい理由が見つからなければ、うまく意見を裏付けるような理由をでっちあげるのも一つの方法です。
独りよがりの意見でいいです。
この回答に対して反論されることはないので、事実と違えたとしても大きな問題ではありません。
「こんなことを言ったらダメかな」なんて考えないで、自信を持って大きな声で答えてください。

また、非常によく使える便利なフレーズを事前に多く覚えておくことも、表現力を広げ回答をしやすくしてくれます。
今からでも、これまで習った役立つ表現を確認し、覚え、そして使えるようにしておきましょう。



いよいよ都立入試が始まるという感じです。
その口火を切るのが英語のスピーキングテストであるESAT-Jです。
入試は来年二月だと思って準備していない受験生はいないとは思いますが、試験である以上全力で臨んでください。
1020点中の20点とバカにしてはいけません。
1点違えば順位は変わります。
下手をすれば何十人も入れ替わってしまいます。

今は期末テストの勉強で忙しいかもそれませんが、それが終わったら直前のESAT-Jに向かって集中して勉強してください。
1点でも疎かにすることなく、「しまった」と後悔することもないように、まずは入試の第一回戦頑張ってください。
 

2025.10.05

明日は十五夜、お月見!日本の伝統行事は受験でもよく出ます

 今年の十五夜は明日10月6日!
中秋の名月とも呼ばれていますよね。
天気予報によると東京は雲が広がりやすいものの、雲の切れ間から満月を見ることができそうです。
突然の雷雨の可能性もあるようなので、お月見には傘の用意があるといいかも知れません。
雲のすきまから真ん丸な美しい月が現れるのを待ちながら、夜空を眺めるのもいいかもしれませんね。
美しい丸い月が見れますようにお祈りいたしております。



そもそもお月見とは何なのでしょうか。
十五夜とも呼ばれ、旧暦の8月15日辺りに出るの夜に満月を味わうことです。
中秋の名月と言い、日本人はその見事な月を眺めながら歌を詠んだりしました。

因みに、日本人は月の黒っぽいところ(海と呼ばれていますが、実際に水はありません。)を見て、ウサギが餅つきをしている姿を想像しました。
南アフリカではロバやワニに見えるそうです。
アラビアでは吠えるライオン、ヨーロッパでは紙の長い女の人やカニなど国や地域によって、その見え方が変わっていきます。
これは違うものを見ているというより、見えているものを何と結びつけているかという文化的な違いによるものです。
(例えば虹の色は日本では7色と言いますが、他の国では違う数になっています。)
月を見ながらこんな話をしてみるのも楽しいと思います。
ウサギが当たり前と思っていたら、それは日本だけで他にもいろいろな考え方があるんだなんて気づくときっと面白いでしょう。



ところで、お月見を始めとする年中行事は、実は受験でよく出る話題です。
特に中学受験では、社会や国語などで出てきます。

各行事の日にちや由来、何をするのかなど問われますが、学校などであえて授業中に学ぶことはないと思います。
つまり、勉強というより、一般常識として聞かれるのです。
しかも、意外と年中行事に関する問題は多いです。
だから、知ることは必要です。

あえて勉強として学ぶよりは、実際に年中行事として家庭で実践された方が、子供も実体験として理解し、いい思い出にもなるので、家族みんなで楽しみながら、由来などを話し合うといいでしょう。
日本の伝統文化を学ぶことにもなり、日本的な考え方が分かってくると思います。

最近はクリスマスやバレンタインデー、それからハロウィーンなど西洋の年中行事も浸透してきているようで、こちらも子供たちに体験されるのがいいと思います。



現在行われている教育改革では、「考える力」を重視します。
年中行事を通して日本人の心を考える問題も当然想定されます。

年中行事に限らず、経験を通した学びは知識ではなく知恵として蓄積されるので、「考える力」を育てるには非常に大事になります。

皆さんも家族で年中行事を楽しみながら、子供の「考える力」を養いましょう。

2025.10.03

意外と知らない都立高校入試の合否判定方法

 夏休みが終わり二学期が始まりました。
受験生にとっては本格的に受験勉強に取り組む時期です。
大変ですが競争である以上、少しでもライバルに差を付けなくてはなりません。
そのためには毎日の勉強が重要になってきます。
苦しいでしょうけど、後5か月ほどの辛抱です。
本気で努力すればきっと報われますから、自分を信じて頑張ってください。

ところで今回は都立高校の入試に関して、その合否はどのようにして決まるのかご紹介いたします。



受験生を始め保護者の方々もよく知らないという人が多いようなので、ここで一度ご説明したいと思います。
意外と複雑なのできちんと理解していただきたいです。

都立高校の入試の得点の出し方

都立高校の入試得点の出し方は少し複雑です。
合否判定は受験生が課せられた点数をいかに多く取るかで決まります。
そして、その得点の基本的な大きな部分に当たる要素が二つあります。
調査書点(内申点)と学力検査点です。
さらに、現在では学力試験に先駆けて英語のスーキングテストが11月に行われ、こちらもマイナーな部分にはなりますが、評価に含まれるようになりました。
結果、都立高校の入試は合計1020点満点で評価され、そのうちの300点が調査書点、700点が入学試験の点数である学力検査点になり、スピーキングテストが残りの20点を占めます。
これら全てのパートで獲得した点の合計点で合否が判断されます。

つまり、調査書点が高いと当日の学力試験の点数が多少悪くても合格できますし、調査書点が低いと試験当日にかなり頑張らなくてはいけないということになります。
また、これは同時に調査書点だけ、学力検査点だけでも合格は難しいことを意味しています。
したがって、普段の学校の勉強をしっかりやって内申点を上げつつ、入試本番のテストに向けた勉強もしないといけないという二方面作戦に受験勉強はなるというわけです。

まとめると、一般的には次のような計算式によって受験生の得点が算出されます。
そして、この総合点の高い受験生から順番に合格が決まります。

入試の総合点={300×(主要5教科の調査書点合計×1+実技4教科の調査書点合計×2)÷65}+{700×5教科の学力検査点合計÷500}+スピーキングテストの点数(20点満点)

このように式だけ見てもよく分からないかもしれませんので、もう少しそれぞれ詳しく解説していきます。

調査書点とは

調査書点とは何かご説明します。

調査書点とは調査書の内申点から算出されます。
通知表にある5段階評価の数字をそのまま点数にします。
これを主要5教科は合計点を1倍、実技4教科は合計点を2倍して合計が調査書点になります。

つまり、9教科オール5であれば65点になります。
オール4であれば52、オール3であれば39、オール2であれば26、オール1であれば13です。
この65点満点のうち何点取ったかを割合で出し、それに300をかけたものが調査書点に基づく部分の得点になります。
実技4教科は調査書点が2倍にされるので、この部分の得点を上げるには、主要5教科より実技4教科を上げたほうが効率が良いということになります。

ちなみに、調査書点が1上がれば1000点の入試総得点のうち約4.6点上がるということになります。
(ちなみに、学力検査点では1上がると1000点満点では1.4点しか上がりません。)
1点で合否が分かれる入試では、この得点は非常に大きいのです。
調査書点がいかに重要かお分かりいただけたと思います。

私立高校受験でも調査書点は重要

また、私立高校の入試でも調査書点が大きな意味を持ちます。
基本的に各私立高校は受験するために必要な調査書点を提示しています。
すなわち、その基準となる調査書点に達していない生徒は、その高校の受験ができないということになります。
調査書点が高ければそれだけ多くの私立高校が選択でき、低ければ嫌でも選択の幅は狭まります。
ましてや9教科の成績の中で一つでも「1」がついていると受験資格がなくなるという私立高校は非常に多いので、「1」を取ることだけは絶対に回避しないといけません。
このように私立高校でも志望校選びに調査書点が大きく影響します。
間違えても「私立高校の受験だから調査書点は関係ない」とは考えないでください。

入試当日の学力試験

二月に行われる入試当日の学力テストに基づく部分は次のようになっています。
国語、数学、英語、社会、理科の5教科各100点満点で合計500点のうち何点取れたか、その割合を考えます。
これに700をかけて算出された得点が、入試当日の学力テストの部分の得点、学力検査点となります。
全体の7割を占める学力テストは、やはり高得点を取りたい部分です。

他の部分と違って、ここは試験を受けるまで確定しない部分です。
つまり、ギリギリまで伸ばせる可能性のある部分を考えることができます。
内申点が悪くても、ここで挽回できれば逆転も夢ではありません。
本当に自分の目指す学校に合格したいのであれば、多少内申点が悪くても最後まであきらめずに受験勉強を頑張るのも一つの作戦ではあります。

ESAT-J:英語のスピーキングテスト

最後に、ESAT-Jと呼ばれる英語のスピーキングテストについてお話します。
これは令和4年度の都立入試から導入されました。
パソコンやタブレット端末などを使って、生徒が英語の問題を口頭で答え、その録音した解答に基づいて評価がなされるものです。
今年度は11月23日に実施されます。

ESAT-Jの結果は最高評価のAから最低評価のFまでの6段階で評価されます。
そして、それぞれのランクごとに点数が配分され、最高点は20点、最低点は0点となっています。
20点とマイナーな部分ではありますが、合格をより確実にするためには1点でも多く点数を取る必要があります。
だから、スピーキングテストを大した点数ではないからと見くびってはいけません。
不合格になったとき、泣くに泣けなくなります。
何事にも全力で挑戦し、受験という難関を突破しなくてはいけません。

日本では英語を話す環境があまり整っておらず、学校でもあまりうるさく指導されることもありません。
でも、発音や受け答え、発信などは机上の勉強とは違いすぐにできるようになるものではありません。
習得までには練習と時間を要します。
だから、日頃から英語のスピーキングもいい加減にしないで、常に発音や抑揚、表現などを気にかけながら英語を話すように心がけましょう。

繰り返しますが、小さな部分だからと軽く見ないで、合否判定に関わる以上は手を抜かずに準備してください。



以上、都立高校の合否判定に関わる説明をしました。
お分かりになりましたでしょうか。
結構複雑なので分かりにくいかも知れませんが、そのときはいつでも葛西TKKアカデミーにお問合せください。

入試についてよくわからない、志望校決定に悩んでいる、その他質問がある方も遠慮なく葛西TKKアカデミーまでお問い合わせください。
自分の現在の状況と目指す高校の状況をよく分析し、何をどのようにしなければならないかしっかり考えてください。

願書提出の締め切りまでは、まだ時間があります。
人生に大きく影響する大事な試験ですから、後悔することのないように頑張ってください。

2025.09.07

今日の深夜は三年ぶりの皆既月食!せっかくなので実際に見て感動を!

 明日9月8日、深夜午前1時30分頃から午前5時頃にかけて、日本で3年ぶりの月食が見られます。
部分月食から始まり、全体が地球の影に覆われる皆既月食のピークは午前3時ごろです。
全国的に見られるようなので、時間になったら南西から西の空を眺めてみてください。
周りに建物がない見晴らしの良いところに出れば、観測は容易だと思います。
後はお天気次第です。
一応、天気予報によると雨はないようなので、月食が見れると思います。
曇っていても、運よく晴れて雲の切れ目から月が見えるといいですね。

ぜひ実際の月食を自身の目で

夜の遅い時間帯ではありますが、それほど頻繁に見られる現象でもないので、できれば自身の目でこの天体ショーを堪能していただきたいと思います。
幸いにして、日曜日なので夜に備えて夕方辺りから寝て、深夜から朝にかけて起きているということもできると思います。
少なくとも、目覚ましをかけて皆既月食の前後30分から1時間くらい起きて、観測してもいいのではないでしょうか。
眠いかも知れませんが、せっかくの機会なので直接見てほしいです。
後でテレビなどを通してみるのと生で見るのでは、印象も大きく違います。
この経験が子どもたちに感動を与え、自然に対する興味がわき、知的好奇心が刺激されれば、学校の勉強に対する姿勢も変わってくることが期待できます。

今回の月食は地球の本影に完全に月が入ってしまいますので、赤銅色の月に見えるはずです。
このような色の月を「ブラッディームーン」と呼ぶそうで、普段の白い月とは違う赤い月をお楽しみください。

月食とは

月食とは地球の影に月が入って、月の表面上に地球の影が落ちてできる現象です。
日食が物理的に見た目上太陽を覆いかぶさるのと違って、月食は地球の影が月にかかっているだけなので、完全に暗くなることはありません。
暗いところとの境界線ははっきりとはしておらず、月全体が地球の影に完全に隠れても、ぼんやりと月自体はが見えます。
今回は地球の影が完全に月全体にかかるので皆既月食となります。
地球と月との位置関係によっては、月の一部しか地球の影がかからないときがあります。
そのようなときは部分月食と呼ばれます。
また、皆既月食のときに月が赤暗く見えるのは、波長の長い赤い光が地球の大気に散乱されずに通過し、屈折してそのまま月を照らすからです。
ちょうど夕焼けが赤くなるのと同じです。

身近な自然に触れる機会を

日食と月食は中学校の理科の時間に扱われる項目で、当塾でもよく解説します。
しかし、机上の勉強では実感もなく、興味もわかないかもしれません。
このような天体ショーを自分で目撃すれば、きっと何か感動でき心に残るものがあるはずです。

このような特別なイベントに限らず、日常においても身の回りのちょっとした自然に目を向けてください。
少し気をつければ、知の感動は日常にあふれています。
何気ない見過ごしていたものに、何か新発見があるかもしれません。
そうでなくても、純粋に花をめでたり、昆虫や動物の不思議さに触れることができれば、もっと知りたいという意欲がわきます。
このように自身の経験が学校の授業と結びつくと、勉強はもっと楽しくなります。

これは理科に限ったことではありません。
どの教科も自身の経験とつながったとき、それは生徒にとって現実のものとなり、より強く心に刻まれ理解も実感を伴って深まります。
大事なのは発見し、実感し、想像することです。
そうして思いを巡らせ、自分なりの解にたどり着いたとき、人間の知的喜びは最高潮となります。
そして、このような経験が沢山積み重なれば、知的好奇心も高まり、勉強がますます楽しくなるはずです。



勉強が嫌いな生徒たちは、勉強が苦痛に感じるようです。
しかし、勉強を苦痛に感じる必然はありません。
それは生徒の個人的な感じ方であるのは、苦痛に感じない生徒もいることから明らかです。
では、問題はどうして苦痛に感じるのかということ。

勉強には創意工夫が必要です。
生徒に勉強を苦しめるやり方で教えれば勉強が嫌になるでしょうし、逆に楽しいもの、喜びとして教えることができれば勉強が好きになるでしょう。
こここそが教える者の腕の見せ所です。
固定概念にとらわれることなく、自由な発想と想像力を働かせましょう。

今回の月食を実際に見るというような、体験というのもは生徒が勉強に対して興味を持たせる手軽な方法の一つです。
「何だろう」「不思議だな」「どうなっているのだろう」「やってみたい」「できるようになりたい」という知的好奇心への刺激は、実は家庭でも意外とできるものです。
親子が一緒に何かする。
料理でも工作でもハイキングでもいい。

どうか皆さん、そのようなチャンスを逃さず、一緒に考え話し合ってみてください。
ときには分からないふりをして、さりげなく生徒をガイドして、そして生徒ができたときは大いに褒めるというパフォーマンス力も必要になります。
これも学びを促すテクニックの一つです。

こうして日常の「a-ha体験(そうか!という体験」を増やすことが、生徒の自分から進んで学ぶ力につながります。

2025.09.01

高校見学で注意すること!自分の将来の母校を決めるために必ず参加しましょう

 夏休みも終わり二学期が始まりました。
しかし、学校説明会、学校見学を行うまだ高校はたくさんあります。
自分の目指す学校がどのような学校なのか、本当に自分の希望する通りの学校なのか知るためにも、ぜひ参加してください。
そして、そこに通う生徒、教える先生たちに実際に会い、生の声を聞きましょう。
後悔しない間違いのない高校選びのために重要なことです。

そこで今回は、実際に訪れて学校が本当はどのようなものなのかを知る時に注意すべき点をお話します。

1.コースやカリキュラム、卒業後の進路について確認

入れるならどこでもいいというわけではありません。
入学した後の学校生活、卒業後の進路まで見据えて学校に確認する必要があります。
資料を見て、コースやカリキュラムについて分からないことは必ず聞いてください。
授業に関するその学校の特色(単位制など)や特別プログラム(海外研修、国際交流など)も説明を受けましょう。
直接学校の先生と話すことはいろいろな意味で利点があります。
さらに、高校卒業後の進路についても質問するべきです。
高校は長い人生における通過点であり、その先の人生の方向付けに大きく関わる場所でもあります。
自分の可能性を広げるためにも、高校で何ができて、それが後の人生にどのように影響するか考えましょう。
具体的に資格取得など、在学中にできることを確認してください。

2.学校の施設や設備を確認

プールや体育館、教室の空調など、生徒が実際に学校生活を送る上で快適な環境かどうかを確認しましょう。
特に最近の猛暑は異常であり、そんな環境の中でも生徒たちは勉強しないといけません。
快適な環境が学習に与える影響は大きく、学校の設備次第で勉強の効率が大きく上がります。
勉強が第一の生徒にとって、学校の設備は非常に重要なものです。
また、部活に興味があるのなら、それに関連したもの(備品やコートなど)も見ましょう。
図書館やパソコンも大事です。
特に最近はタブレット端末や電子黒板を導入している学校もあり、生徒が使いこなせるか、先生が使いこなせているか知る必要があります。
さらに物理的な設備だけではなく、カウンセリングなどの心理的サポートの有無もチェックできるといいです。
自分汚将来のために適切な進路相談ができ、そのための資料が十分整っているかも見ましょう。

3.構内掲示や清掃状況を確認

掲示物や清掃状況はその学校の普段の姿を知る手がかりにまります。
掲示物がきちんと整理され見やすいか。
廊下や教室が綺麗に掃除されているか。
少し細かすぎるように感じるかも知れませんが、こういうところに学校の姿勢や考え方が現れます。
そして、そこから生徒の日常の営みも想像できます。
自分が学校生活を送るとき、本当に気持ちの良い環境で勉強に励むことができるのか考えてみましょう。
また、部活の賞状などからは、その学校がどんな課外活動に力を入れているかが分かります。
課外活動でのこれらの成果は、その学校の強みを表しているとも言えるのです。

4.公開授業は見た方がいいです

公開授業は学校生活の実態を知る上で役に立ちます。
公開と分かってそれ用に繕っていても、何十人もいる生徒が全てが演じることができません。
よく見るとどうしても普段の癖が出るものです。
だから、公開授業は普段の生徒の姿を見るのにはいい機会です。
ただ、最近は公開授業が普段の授業の様子を見せるというより、エンターテインメント化しているところも多くあるので注意してください。
受験生の気を引くために、普段やらないような実験をしてみたり、いつもと違う方法で授業を勧めたりだと、受験生にとっては高校選びの参考にはなりません。
そして、できれば生徒の生の声を聞いてみてください。
案外正直に話してくれるものです。
ダメ元で声を掛けてみるのもいいでしょう。
思わぬ情報を入手できるかも知れません。



学校見学は高校を知る重要な機会です。
事前連絡すれば、説明会の日でなくても学校を見せてもらえることもあります。
後悔しないためにも学校選びは慎重にし、正確な選択をするために少しでも多くの情報を集めましょう。

2025.08.08

気温がぐんぐん上昇40度を超えのところも!熱中症対策をしましょう

 すっかり夏になり、ニュースは連日の暑さを伝えています。
日本でも一部地域で40度越えの観測史上最高気温を記録しており、これまでにないような大変暑い夏休みとなっています。
こうなってくると猛暑の中で勉強しなくてはならない生徒たちの健康が、非常に心配になってきます。
毎年ニュースで熱中症による死者が報じられ命にもかかわる問題なので、本日は熱中症について考えてみます。



いろいろ調べてみると、熱中症とは高温多湿の環境に置かれたときに起きる様々な症状の総称とわかります。
その症状はめまい、吐き気、顔のほてり、筋肉のけいれんなどがあります。

熱中症予防

対処法としては、こまめな水分補給が第一です。
最近では学校でも水筒を持参させ、いつでも水分補給ができるようになっているところもあります。
ただの水よりスポーツ飲料のような塩分や糖分を含むものがいいでしょう。
汗を活発にかき、知らず知らずのうちに水分や塩分は失われていくので、喉が渇いてなくても水分補給をしましょう。
取り過ぎはいけませんが、食事で失われた塩分を取るように気をつけましょう。

また、暑さに負けない体を作るためにも、普段の食事に気を遣い、バランスの取れた食事をしましょう。
体力を維持するためにも十分な睡眠は大切です。
暑くて夜眠れないようでしたら、エアコンや扇風機を付け、通気性のよい寝具を使いましょう。
これは寝ている間の熱中症の予防にもなります。

直射日光を避け、風通しの良い環境を作りましょう。
服装も通気性のよいものを選び、下着は吸水性や速乾性のよいものにしてください。
冷却シートのような体を冷やす製品を活用するのも有効です。
体育や部活、外出などでどうしても炎天下に出ないといけない場合は、こまめに休憩を取り水分補給をしましょう。

実際にはなかなか難しいかもしれませんが、気温などに注意しながら熱中症の予防を心がけてください。

熱中症になったら

もし熱中症にかかったと思ったら、すぐに風通しの良い日陰やエアコンの利いた部屋に行って安静にしましょう。
衣服を脱いで、首の両側や脇、足の付け根を保冷材などで冷やすと体温が下がります。
水で体を濡らしうちわであおぐのも体を冷やします。
水分補給ですが、できればスポーツドリンクの方が塩分も同時に補給できるのでいいでしょう。

症状がひどい場合は救急車を呼んで、速やかに病院へ行きましょう。



東京は連日真夏の暑さです。
毎日のように熱中症のニュースが飛び交っていますが、くれぐれも無理せずご注意ください。

こんな厳しい環境で勉強をしなくてはならない生徒たちは大変ですが、健康に気をつけながら頑張ってください。
特に受験生は勉強も大事ですが、体を崩さないように体調管理をしっかりしましょう。
この時期に病気などで勉強に手がつけられなくなると、受験に大きく響きます。
過酷な環境で無理をしないで、熱中症対策をしてこの酷暑を乗り切ってください。

葛西TKKアカデミーのエアコンの効いた涼しく勉強しやすい教室も利用してください。
いろいろな観点から、いつも皆様の勉強をサポートします。

2025.07.21

時事問題を考えよう!

 時事問題とは、現在起こっている社会問題や人々の間で取り上げられている話題などです。
時事問題は政治、経済、国際情勢など多岐に渡ります。
学校の五教科で現時点での時事問題に触れることはあまりないと思います(近年の時事問題ではあるかも知れませんが)。
しかし、時事問題を考えることには利点がいくつかあります。
本日はそのことについて考えみたいと思います。

1.受験対策として

受験において時事問題が関係するのは、推薦入試などで行われる面接でしょう。
自分について、中学生活について、高校ではどのように過ごしたいかなど聞かれますが、時には時事問題について質問されることがあります。
そんな時に「分かりません」では元も子もありません。
時事問題を知っているということに加え、自分なりの問題に対する意見が求められます。
でも、事前に時事問題についての知識や理解があれば答えることは可能でしょう。
だから、普段から時事問題に興味を持ち、いろいろと考え自分なりの意見を用意しておけば、質問されたときに上手く答えることができます。

また、一般の入試でも近現代史や現代文では時事問題に関係するもの(さすがに試験直前の時事問題とはいきませんが)が出たりします。
新しい指導要領が発表され、教育改革が進む現在の学校教育においては思考力が重視されるので、入試問題に時事問題を絡めた問題が出されることは想像に難くありません。
そのときも、時事ネタに対する予備知識があれば、解答はかなり容易になります。

以上の点において、受験の準備として普段から新聞やテレビなどのニュースで時事問題に目を通し考えることは重要と考えられます。

2.コミュニケーション能力の向上のために

時事問題とは大人も共通して話題にできるので、時事問題を利用して親子や友人同士で議論するのもいいです。
ニュースなどから正確に情報を捉え、必要であれば様々なツールで情報収集する。
情報収集能力の訓練になると同時に、どうすれば相手に正確に情報が伝えられ、自分の考えを理解してもらえるかという発信力の練習にもなります。
相手の意見も正しく捉えないといけないので、双方向の伝達であるコミュニケーション能力の向上にもつながります。
自分の考えを間違えなく相手に伝え、相手の意見を正確に理解する力は学校生活のみならず社会に出てからも必要で、人生おいて最も大切な能力の一つと言えるでしょう。

3.読解力と論理的思考の訓練として

新聞やニュースなどの時事問題を利用して読解力が高められることができます。
同時に、理解した情報からどのように考え、その考えを相手に伝えるかを工夫することは、論理的思考、判断力、表現力といった現在文科省が新制度の入試において求める力の鍛錬にもなります。
多くの文章や資料を読んでデータや資料を読み解く能力が高め、語彙を増やすことで知識を高めれば、自身の思考の世界が広がり論理的な考え方に慣れ、新しい意見やアイデアがどんどん浮かぶようになるでしょう。

4.人間関係の深化

時事問題について議論することで、参加しているメンバー内の相互理解と絆が深まります。
普段分からなかったが、この人はそんな風に考えるのだと知って驚かされるかもしれません。
これは話し合って初めて分かることで、時事問題がそのきっかけとして最適と考えます。
お互いの意見を交換することで、今までそこまで関わっていなかった人との仲が深まり、より多くの人との関係を持つことができます。

また、親子であれば子供との壁が低くなり、子供が何かの問題に巻き込まれたときの早期発見につながることも考えられます。
特別に時事問題を話す時間を設ける必要はありませんが、食事のときの会話の一つとして話題をふってもいいと思います。
そこで子どもの知らなかった問題の背景やいきさつなどを説明できると、やはり親に対する畏敬の念は深まるのではないでしょうか。
子どもが親を尊敬し、親は子どもに対して慈しみの心が持てれば、家庭も円満になるでしょう。
意見の相違があったとしても口論ではなく話し合いという形で解決できるので、思春期特集の親子の対立も回避できます。

5.知的好奇心を高め、勉強に興味を持たせる

これは葛西TKKアカデミーでは最も重視することの一つですが、時事問題と通して知的好奇心を高めることができます。
常に「なぜ」「どうして」という姿勢で時事問題を見ると、物事に興味関心がわいてきます。
クイズを解くように、自身で問題を掘り下げ、その背景を知ることもできます。
このようにして、一つのことをきっかけに多くのことを学べるのです。
そして、謎が解けたとき、達成感と満足感が生まれ、プラスの循環を生み、もっと学ぼうと積極的になれるのです。

人から言われる勉強は苦痛です。
子供にそう仕向ける大人も苦痛です。
本人が自主的に学んでくれれば、お互いにストレスを抱えることなく良好な関係を保つことができます。

このとき大人は「聞き役」もしくは「アドバイザー」に徹してください。
下手に答えを与えたり、自分の考えを押し付けるのは決してよくありません。
学習意欲を減退させ、逆効果になります。
求められたときに「個人的な考えだけど、こんな風にも考えられるのじゃないかな」という具合で、考え方の一例として提示するのはいいと思います。

こうして知的探求心を育てれば、全ての分野において学びが楽しくなり、いろいろなことに対して自主的に学べるようになると思います。



日本では家庭内で政治や社会の話をするのは場違いのように思われることがよくあります。
ところが欧米は逆に家庭で積極的に時事問題を話し合い、子供たちが社会の現実と問題に目を向け学べるようにしています。
よって、皆さんのご家庭でも遠慮なくこのような話題をしていいです。

これまで見てきたように、時事問題を通して子どもの教育にプラスになることは非常に多いのです。
時事問題で社会や理科、国語などの学習を深めると同時に、人間としてこれからの社会を生きていくのに必要な能力を身に付てくれることを願います。
家庭で協力して時事問題に触れることが、子供たちの勉強のみならず、人としての成長の一助になってくれれば幸いです。

2025.06.25

テストの見直しをしよう!テスト直後の見直しが勉強を深める

 中学ではちょうど定期テストが終わり、高校ではこれから定期テストというタイミングだと思います。
中学生は一つの難関を終えてほっとしていることでしょう。
高校生も来週、再来週あたりにはテストが終わり解放感に浸っていることと想像します。

でも、テストはやったら終わりではありません。
実はテスト後の見直しが子供たちの学びを深めてくれるチャンスなのです。
だから、テストが返ってきて、その点数を見て一喜一憂して終わりではもったいない。
特にテストの点数が悪かったときは、悲しんで終わりにしないでほしいです。
結果が悪かったときこそ、自分を顧みて改善てきる絶好の機会です。

人間の記憶は回数×インパクト

例えば交通事故の現場など、頻度は少なくても非常に印象深い出来事であれば、一回でも詳細に覚えているものです。
一般的に言われる「トラウマ」などはその例です。
また、掛け算の九九のように、単調で何の面白みのないこと(インパクトの薄いもの)でも、何回も何回も回数をこなすことでいつの間にか身に付けることが出きます。

このように人間の記憶とは、回数とインパクトによって大きく変わってくると言えます。
そして、記憶が脳内に刻まれ長期記憶となれば、たとえ長い間忘れていても何かの拍子に次々と記憶を再構築することができます。
しばらく忘れていた歌を何かのきっかけで耳にしたとき、続けざまに全ての歌詞が思い出されるなどといった経験はございませんか。
この記憶の仕組みをうまく利用すれば、勉強もより深く定着させることができます。

そして、テスト直後というのは、この最高の機会なのです。

定期テストを通してエピソード記憶を作る

定期テストは生徒たちが一生懸命頑張って準備をして受けます。
テスト中も含めて、全身全霊を傾けたこの経験は、生徒たちの頭に強烈なインパクトを残します。
本気で取り組んだからこそ、その結果を見たときの喜びも悲しみも大きな印象として残ります。

このように個人の体験が一つの物語のようになり記憶となったき、これがエピソード記憶になります。

エピソード記憶が記憶を促す

人間は記憶するとき、目的のものそのものを覚えるより、何か他のものと関連づけて覚えた方が覚えやすいという傾向があります。
定期テストとその勉強を通じて行ったこと、考えたことはエピソード記憶となりますから、テストが終わったときに、この経験と学習内容をうまくつなぐことができれば記憶は促されます。

頑張ったのに問題が解けなかったときは非常に悔しいでしょう。
そして、このときテストの見直しをすると、この悔しさがインパクトになり、見直した内容をより深く脳裏に刻むことができます。
もちろん、正解した解答も同様です。
努力が報われた喜びも脳への大きなインパクトになります。
先ほど述べたように、テストを通じて得られた強烈なインパクトが記憶を促進するのです。
一方、テストが済んで何もしなければ、エピソード記憶と勉強との結びつけができず、勉強が記憶されないだけでなく、エピソード記憶も失われてしまいます。

だから、テストが戻ってきたときに間違った問題をもう一度確認するという作業は、学習内容とエピソード記憶の紐づけるはたらきをし、より効率よく勉強を進めることができるのです。

悪い結果は必ずしも悪いことではない

悪い結果が出たとき、単純にその結果に怒ったり悲しんだりするだけで、他に何もしない生徒が少なくありません。
確かに出てしまった結果は変えられませんが、これを次の学びへの教訓として役立てられれば、悪い結果もただ悪いだけにはなりません。

「失敗は成功の基」などといいますが、失敗を失敗で終わらせるか更なる飛躍につなげるかは生徒次第です。
定期テストで結果を出すことは大事ですが、勉強はそこで終わりではありません。
その後も続き、また新たな課題に取り組まなくてはなりません。
入試などもっと先の目標もあります。

したがって、定期テストが悪かったからと落ち込んで終わりにするのではなく、この機会を無駄にせず利用し、自分にとってプラスになるように持っていくのが賢いやり方です。
「テストで間違えが多いというのは、そこから学べることも多い」と考えて、前向きに勉強に活用してください。

毎回のテストの後のちょっとした心がけですが、これが積み重なったときその違いは非常に大きいです。
勉強は今だけを考えるのではなく、将来を見据えながら生かせるチャンスは全て貪欲に活用しましょう。



勉強は毎回の定期テストで終わりではなく、その後も続きます。
これまで学習したことが基となって新たな学びが生まれます。

一度出てしまった結果は変えられませんが、そこから学んで多くのことを得られれば、マイナスの結果を次のプラスに転じることができます。
そのためにもテスト後の見直しは重要で、全ての生徒に是非やってほしいと強調します。

もし、一人で見直すのが難しいという人は葛西TKKアカデミーが協力します。
一人でも多くの生徒がたくさん学べるようにと考えていますので、遠慮なくお声がけください。

2025.06.07

”捨て問題”はテスト戦略の一つですが注意が必要です

 

「捨て問題」って聞いたことありますか。
塾でテストの戦略として使う言葉なんですが、しばしば生徒もこの言葉を口にします。
しかし、そのときの「捨て問題」の意味は間違っていることもあるので皆さんも注意してください。

「捨て問題」とは

そもそも「捨て問題」とは何でしょうか。
それは時間に限りのあるテストにおいて、難しい問題に時間を割かれ、本来自分が解ける問題に取り組む時間が無くなることを防止するため、難易度の高い問題、自分の能力をはるかに上回る問題は最初から放棄し、その分の時間を自分の力で何とかできる問題に当てるというテスト戦略です。

本当は全ての問題に全力で取り組み全ての問題に答えるのべきですが、制限時間内で全問解答ができない状況もあります。
そんな中で最大限の点数を得るためにはどうしても問題を選ばないといけません。
では、どのように問題を選択すればいいのでしょうか。
ほとんどの人が解けないような難問は、それができなくても成績順位にはそれほど影響しません(上位を目指している生徒は別ですが)。
なぜなら、みんなができない問題を自分が落としても、他者との点数にあまり差がつかないからです。
それならば、このような問題は最初から手を付けないで、その分の時間を自分ができる問題に割り振って、着実に点数を取っていこうということです。
逆に、みんなができる問題を落としてしまうと、他の多くの人から差をつけられることになり、成績も一気に下がってしまいます。
だから、誰もができる問題は絶対にできなければなりません。

しかも、最初から全問を解くことを放棄している訳ですから、全て解ける受験生に対しては不利な条件で争わなくてはいけなくなります。
ある意味背水の陣を敷くということです。

このように「捨て問題」というテクニックは特定の問題(それによって得られる点数)を犠牲にして、確実に取れるものを取っていこうというものです。

この他にも授業や問題集をやるとき、生徒の目指すレベルや実力を鑑みて、必要ないと判断した時は何問や応用問題をしないで、基礎に時間をかけることもあります。
そうすることで絶対に身に付けておかなければならない勉強を時間をかけてしっかり行うことができます。
これも一種の「捨て問題」と言えるでしょう。

間違った「捨て問題」とは

しかし、「捨て問題」(通称「捨て問」)を生徒たちが口にするときは注意が必要です。
なぜなら、「捨て問題」を誤解して、解く必要のない問題と捉えていることが多いからです。

塾などで「これは捨て問だからやらなくてもいい」と聞き、「捨て問」という言葉を覚える生徒がいます。
このとき、経験の少ない生徒はどの問題が「捨て問」で、どの問題が絶対に解けなくてはいけない問題かを区別できません。
そして、単純にやらなくてもいい問題があるんだと勘違いし、「捨て問」という言葉を使って勉強しない理由にしてしまいます。
その結果、自分が苦手な問題、面倒くさい問題、やりたくない問題、ちょっと難しそうな問題、これらを全て「捨て問」と認定し問題をしない口実にしてしまう。
このように勉強を回避する言い訳として「捨て問題」に生徒が言及する場合は、テストの点数を上げ成績をよくするための戦略としての「捨て問題」とは違い、生徒の勉強を損なう恐れがあります。

やりなさいと言っても「これは捨て問だからやらなくていいんだ」なんて言われたことはありませんか。
これは完全に本人の誤解で、全ての問題を自分の都合で「捨て問」にしていいとわけではありません。
先生が長年の経験に基づき、各生徒の学力や目標を考慮して、どの問題を「捨て問題」にすべきか判断するからこそ完璧ではないにしろ最大の勉強ができるのです。
繰り返します。
本来は全ての問題に取り組むべきですが、状況が許さない場合において苦肉の策として「捨て問題」を決めるのです。

生徒が自分のやりたくない問題を「捨て問題」として、自分が努力しなくてもできる問題しかしなくなってしまった場合、その生徒は困難を乗り越えて自分を成長させるチャンスを自ら放棄していることと同じになってしまいます。
これでは勉強の意味がありません。
勉強は分からないから、できないからこそするものです。
できるものしかしなければいつまで経っても成長も上達もなく、成績が良くなるはずがありません。

勉強は「α+1」

よく勉強は「α+1」と言われます。
αは自分の今の実力、これに1足したぐらいがちょうど学習にはいいというものです。
余りにも自分の今の実力からかけ離れたものはやっても理解できませんが、少し難しいくらいなら無理のない努力で学習を深めることができます。
この「α+1」の問題を「捨て問」と言ってやらなければ、いつまで経ってもαはαのままだし、ましてや楽な問題「α-1」なんてやっていたら成長どころか退化してしまいます。

勉強はやればいいというものではありません。
きちんと正しく丁寧にやらなければなりませんし、面倒くさがって楽をしようとすると自身を伸ばす機会を失い、後々自分がつらくなります。
困難や苦労を乗り越えた先に生徒一人ひとりの成長があり、勉強はそのための手段であり、自分を高める修行における試練だと考えてほしいです。
その点を理解すれば、「捨て問題」を勉強回避の方便にすることがいかに愚かしいか分かるのではないでしょうか。



勉強において、出された問題は本来全てやるべきです。
問題を解くことによって学んだ知識が定着し、より確実な力として様々な事柄に応用が効くようになります。
その結果、自身の能力を向上でき、より多くのことができる(学校の勉強に限らす)大きな人間に成長できるのです。
貪欲に問題に取り組み、自身をどんどん磨き上げるチャンスと捉えてください。

しかし、状況によってはそれが許されないときがあります。
そんなとき、対応策の一つとして「捨て問題」という方法がというわけで、決して最善策というわけではありません。
そして、「捨て問題」の区別は長年の経験がある者でないと適切にできず、生徒が自分の気分や好みで決めていいものではありません。
したがって、先生の指導に基づかないで生徒が行う「捨て問題」は、せっかくの学びのチャンスを不意にし、勉強を深める機会を逃す恐れがあるので十分気をつけましょう。
「捨て問題」と生徒が口にしたときはなぜそれが捨て問題か問いかけ、「捨て問題」の本当の意味を説明し誤解のないように願います。

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