塾長ブログ
2022.11.02
都立高校入試問題の傾向と対策:国語編
都立高校の入試問題を分析するシリーズ。
今回は国語です。
多くの受験生は国語は何を勉強していいか分からないと言います。
確かに数学のような公式がある訳でなく、理科や社会のように多くの用語を覚えなければならない訳でもない。
「日本語のテストだから日本人はできるはず」「そもそも何をどう勉強していいか分からない」「せいぜい漢字を覚えるくらいしかやることがない」と考えていませんか。
そして、テストを受けて意外とできないけどどうしていいか分からないから、特に国語の受験勉強はしないという受験生は非常に多いです。
実は、解き方が分かれば国語が一番手っ取り早く点数が上がる教科なのです。
上手くやれば満点も夢ではないのです。
でも、多くの受験生はそれを知りません。
なぜなら、学校の先生がそれを教えないからです。
今回も大雑把なことしか話しませんが、もし関心があればご連絡ください。
コツをお教えしますよ。
都立高校の国語の問題は大きく五つでできています。
今回もそれぞれに分けてお話します。
大問1、2
大問1と2は漢字の問題です。
レベル的には中学三年生にふさわしいものが出ます。
大問1が漢字の読み、大問2が書きの問題になります。
同音異義や同訓異字などややこしいもの、点など細かい所で間違えやすいものなども出ますが、全体としてはそれほど難しい漢字ではないと思います。
受験生で国語の勉強をするとき漢字ばかり(だけ)やる人がいますが、個人的にはそれはお勧めしません。
やることが無意味とは言いませんが、効率が非常に悪く、努力と時間の割には点数にならないからです。
漢字は無限と思えるくらい非常に多く、それを時間をかけて勉強してもテストに出るのは合わせて10問、全問正解しても100点満点中20点二しかなりません。
多すぎるから、全ての漢字は覚えられないので、自分の覚えた漢字の中からこの10個が出題される確率は非常に低いです。
そんなことに時間と労力をかけるなら、文章をたくさん読んで他の大問が正確に解けるようになった方が確実で得点も高くなります。
では、漢字の勉強はどのようにするといいでしょうか。
過去問や模試など都立入試と類似の問題を受験生は解きながら実力をつけていくと思います。
なので、この時に出た漢字だけその場で覚えてください。
また、問題を解くときにたくさん文章を読むと思ますが、その時読めなかったり分からなかった漢字を調べ、その時に覚えてください。
後で忘れるかも知れませんが、それでいいです。
その程度の勉強で十分です。
10問全て正解する必要はありません。
最低限、読みがある程度できていれば上出来です。
漢字に力を入れるのはほどほどにして、他の大問で文章を読みながら、漢字が分からないときその都度練習をしてください。
大問3
ここから文章の読解力を試される、本格的な国語の試験になります。
ほとんど選択問題ですが記述問題も含めて(作文は別)、実は国語の正解の見つけ方は一つしかありません。
それは、「本文のここに書いてあるから」!
解答したとき、自分ではっきりとこれが言えれば、その問題は必ず正解です。
細かく説明すると長くなるので今回は省きますが、国語という教科はそうしなければ誰もが納得できる公正な正解が作れない性質なのです。
これは覚えておくといいですよ。
大問3は物語になっています。
物語を読むときは登場人物と場面に注意してください。
読み終えたときに誰がいたか分かるように、新しい登場人物が出てきたら印をつけましょう。
そして、その人がどのような性格で、どのような身分立場で、何をしているのか気をつけながら読みましょう。
また、登場人物同士の関係も重要です。
そして、その人たちがどういう流れでそれぞれの行動を起こし、言葉を発しているのか考えてください。
言動はその登場人物の心情を知る大きな手掛かりになります(心情を問う問題は国語の定番です)。
また、時間と場所が変われば場面が変わったということになるので、場面が変わったと思ったら、そこに線を引いてください。
場面が変わると人々の立場や考え方が変わりますから注意しないといけません。
以上のことを念頭に置きながら読み進めると、登場人物の心情も分かりやすくなります。
また、物語の中の表現を問う問題は、選択肢の表現の部分のみに注目して、それ以外の感想的な部分に惑わされないようにしてください。
基本的に全て選択問題です。
選択問題の解き方にはコツがありますが、今回は省略します。
勉強法としてはやはりたくさん文章を読み込むことです。
上記の内容(本当はそれ以外もあるのですが)をいつも意識して読み、どうしてそれが正解なのか自分で説明できるように考えながら問題を解いていってください。
ある程度要領が分かったら、後はたくさん問題を解いて、実戦を通して解き方を身に付けてください。
「習うより慣れろ」です。
大問4
大問4は論説文形式の問題です。
物語はなんとなく感覚で解ける場合も多く、受験生も比較的正解が見つけやすいようですが、論説文になると急に正答率が下がります。
多くの受験生は文章を見ただけで、その中の目立つキーワード(例えば「哲学」「環境問題」)を見ただけで、自分はお手上げと思ってやる気をなくしてしまいます。
戦う前から自分で負けを認めるようなものです。
見た目に騙されて、自分自身に無理だという印象を出だしてしまえば、解けるものも解けなくなってしまいます(この見掛け倒しの問題は他の教科でもよくあります)。
先ずは心理面でビビらないように、そのためにはやはり練習が第一。
論説文の要は文章全体の流れです。
筆者がどのような流れで、読者に自分の主張を解説し受け入れられるようにしているか。
つまり、論の展開が重要になってきます。
これを掴むのに一番良い方法は「段落ごとにタイトルをつける」です。
段落はまとまった内容の塊で、その一つ一つに意味があり、それらが相互につながって全体として説明がなされるのです。
読みながら、自分で段落の上にタイトルを書いていきましょう。
そして、読み終わったとき、そのタイトルだけを続けてみると、その文章がどのように展開し、何について書かれているのか、簡単に分かります。
「○○についての問題提起」「××になる例」「△△と対立する意見」などのように簡単なもので大丈夫です。
論説文は筆者が読者に自分の考えを受け入れてもらおうと工夫を凝らして書いているので、元来内容は明確で分かりやすいものです。
全体の流れを把握することは、ここを理解することになります。
もう一つの注意点は指示語です。
指示語が出てきたら、必ず自分で何を指しているのか確認しましょう。
指示語の内容の見つけ方にもコツがあるのですが、長くなるので今回は割愛します。
しかし、多くの問題は取り上げる傍線で示した本文部分に指示語を含んでいます。
指示語の内容がしっかりと分かっていないと、答えるときに選択肢が何を言っているのか分からなくなるので気をつけましょう。
また、本文内の特定の語句、特別な用語には必ず説明があります。
筆者が疑問を提示して、それを筆者自身が答えるというのも論説文ではよくあるパターンです。
こういった説明や答えを問う問題もよくあります。
問題で聞くということは必ず本分のどこかに「答え」が書いてあるということなので、文や文章の前後関係をしっかりつかんでください。
そうすれば、どこにその「答え」があるか分かってくるはずです。
そして、受験生が最も苦手とするのが、本文の内容に絡めて出される二百字作文です。
ここも細かく話すと長くなりますので要点だけ話します。
他の教科も同じですが、記述問題は部分点があるので必ず何か書いてください。
白紙は0点ですが、何か書けば1点でもあるかも知れません。
この1点が入試では結果を左右することがあるので、1点にこだわることを忘れずに。
先ず、問題をよく読んで、自分が作文で満たさなければならない条件を確認してください。
原稿用紙の使い方、字数制限(基本的に八割以上書く)、それから毎回「自分の意見と具体的な体験や見聞を含める」というのが入っています。
何も用意しないでいきなり書き出すと、必ずまとまりのない意味の分からない文章になります。
毎回出題パターンは同じなので、条件に従い前もって作文のフォーマットを決めておきましょう。
この場合は自分の意見の段落と体験見聞の二段落構成でいいと思います。
字数は意見50字、体験見聞150字くらいでいいでしょう。
こうしてある程度内容を決めてから書き始めてください。
条件さえ満たしていれば、自分の書きやすいように自由に書いていいのだから、これはラッキー問題です。
面倒くさがらずに必ずやりましょう。
ただ、限られた時間内に二百字作文も書くには練習しないといけません。
過去問などをやる時も必ず挑戦し、できれば誰かに見てもらい(受験生の友達と見せ合ってもいいです)アドバイスをもらってください。
作文も書けば書くほど要領がつかめ、時間内にできるようになります。
実は作文は平均点が低く、でも書き方さえ分かってしまえば高得点を取るのは容易なので、是非できるようになってほしいです。
大問5
最後は古文の問題になります。
昔の和歌や漢文、文学などに触れはしますが、実は純粋な古文の試験ではありません。
どちらかというと、古文を利用した鑑賞文または論説文です。
だから、本格的に古文の勉強が必要という訳ではありません。
学校で習った程度の基本的な内容を押さえておけば大丈夫です。
それよりも重要なので、古文を解説または意見交換している部分で、ここが問題の中心になります。
問題の多くはこの部分を正確に理解していれば解けます。
古文の原文と現代語訳が出ているときは、お互いを比べると簡単に答えが見つかります。
問題自体の難易度はそれほど高くないので、大問4のところで述べたような点に注意しながら読解を進めてください。
「この古文を引き合いに出すことで筆者は何を言いたかったのか」という点を常に考えながら読みましょう。
短期間で点数を上げたい人は、是非国語を頑張ってください。
紙面の関係上細かい点までは触れられませんでしたが、国語はコツさえつかめば正解を見つけるのは、実は一番簡単な教科です。
そして、そのコツはいつも同じで決まっていて、それさえ分かってしまえば後は練習を繰り返すだけです。
そうすれば、やっていくうちに徐々に問題が解けるようになります。
自転車の乗り方が分かったら、後は練習を積めば乗れるようになるのに似ています(練習しなければいつまで経ってもできるようにはならないのですが、この点も同じですね)。
以上のことを留意し、受験生の皆さんには国語を入試の得点源にしてほしいと思います。
2022.11.01
都立高校入試問題の傾向と対策:数学編
受験生の皆さん、勉強は順調に進んでいますか。
この時期、受験勉強もいよいよ佳境に入ってきたのではないでしょうか。
今回は取り組高校の入試問題について、その傾向と対策を考えてみたいと思います。
紙面の制約もあるので細かくはできませんが、一般的に抑えて置く点をお話します。
今回は数学編です。
他の教科も順次書いていきますのでお楽しみに。
都立高校の数学の入試問題は五つの大問で構成されています。
大問1
ここでは正負の計算、文字式、1次方程式、2次方程式、連立方程式、確立、図形の角度、作図、度数分布表など、中学三年間で習った基礎的な問題がほぼ全ての分野から一つずつ出されます。
どれも基本的な問題なので難易度は低いです。
しかし、注意しなくてはいけないことは、この大問1だけで100点満点中45点くらいを占めます。
半分近くがここで決まるのです。
だから、多くの塾ではこの大問1を非常に重視しています。
簡単だからこそ全問正解したいところで、多くの受験生ができる問題ばかりなので、ここで落とすと順位が大きく後退します。
特に数学が苦手で高得点を狙えない受験生は、大問1に集中して勉強することをお勧めします。
つまり、基礎の確認です。
ここをしっかりやって基礎得点を上げてから、他の問題に取り組みましょう。
学校の教科書やワークの基本問題をやり込んで、どの分野も答えられるようになってください。
特に作図はある程度パターンや使う作図は決まっているので、たくさん問題をやって経験値を上げてください。
作図は結構苦手な生徒が多いので、逆に言うと、できればみんなと差をつけやすいということです。
だから、作図もしっかりやりましょう。
大問2
ここでは数式を利用して説明させる問題がでます。
図やストーリーを使って問題が出されるので、先ずゴールが何なのか、そしてそこにたどり着くまでに何が必要かを意識して考えましょう。
この説明系の問題も多くの受験生は苦手としていますが、説明の仕方・パターンが分かると意外と簡単です。
問題で示されている要素を文字や式に置き換えて、後は問題の指示に従って計算を展開し、最後に結論の形になればOKです。
実は、分かってしまえば全く難しくなく、書き方も決まっているので嫌がらず、是非できるようになってほしい問題です。
大問3
ここではグラフを使った問題が出されます。
座標や式を求める問題、三角形などの図形の面積を求める問題、求める座標を”t”と置いて解く問題などが出ます。
3問中最初の一問は必ずできてほしいところです。
ここは一次関数や二次関数を利用して座標を求めたり、条件に従ってグラフの式を求める問題なので、比較的簡単です。
学校の教科書やワークレベルの問題なので、できなくて順位を落とすことのないように気をつけてください。
できれば2問目も解けると、試験を優位にすることができます。
難易度は確かに上がりますが、それでも一般的な受験生に手が届かない範囲の問題ではないので、可能であれば取ってほしい問題です。
最後の問題も準備をきちんとして、これまで習ったことを確実に身に付けている受験生であれば、難しいですが解けないこともない問題です。
等積変形や直線の式の求め方、座標の求め方をよく勉強しておいてください。
大問4
大問4は空間図形の問題になります。
ここでは先ず、合同や相似などの証明がよく出ます。
証明は多くの受験生が嫌がって書きませんが、ここは1行でもいいから何か書きましょう。
白紙では点数は尽きません。
記述問題は部分点が大事なので、「△ABCと△DEFについて」「条件(仮定)より ○○=××」など、約束事を書くだけでも違います。
完全な正解は難しいかも知れませんが、部分点を狙いにいってください。
証明は何度も繰り返し練習しましょう。
苦手な人は答えを見ながら出構わないので、実際に紙に書いて、書き方を覚えましょう。
次が角度の問題ですが、ここも落としてほしくないところです。
対頂角、同位角、錯覚、円周角の性質を利用したり、合同や相似の対応する画が等しいこと、内角と外角の関係などを上手に使って解いてください。
前の問題が誘導になっていることもありますので、「なぜこの証明をさせたのだろう」と考えればヒントになるかも知れません。
いろいろ工夫が必要な問題ではありますが、慣れてくると気づきもできてきます。
いつも同じですが、たくさん問題を解いたもの勝ちです。
最後が辺の長さを求める問題。
ここでは三平方の定理や相似などを利用して解く問題が多いです。
相似などを使って辺に比を利用して解くのが苦手という生徒も多く、やはり、徹底的に練習して比の考え方に慣れる必要があります。
さすがにこの問題は正答率が低く、上位校でなければ後回しにしてもいいかも知れません。
大問5
最後は空間図形の問題が2問です。
第2問目はなかなか難しく、解ける受験生も少ないので、場合によっては他の問題に集中した方がいいかも知れません。
動点を使ったり、断面を使ったり、立体を分割したりして、体積や辺の長さなどを求めます。
事前に多くの問題に触れて様々なパターンを経験していれば、試験中に解法を思いつくかも知れませんが、何もなしでは先ず無理です。
よって、大問5では1問目を頑張りましょう。
ここは数値などが固定されて聞かれるので、比較的考えやすいと思います。
空間図形なので、上から見た図と横から見た図を上手く組み合わせて考えると解けます。
展開したり、相似な図形を見つけて辺の比から求めたりできます。
これは取れない問題ではないので、できれば落とさないでほしいと思います。
目指す学校のレベルにもよりますが、自分がどの問題を解けるようになればいいか考えながら、過去問などをやってください。
時間が限られていますので、余計なことはできません。
必要な問題を必ず解いて落とさないように練習してください。
そして、練習はたくさんやればやるほど点数も上がります。
この点は、勉強は正直なので、それを信じて大丈夫です。
もっと細かい点も多々ありますが、とりあえず大雑把な傾向と対策としては以上です。
そして、都立入試に関して質問がある人は個別に受け付けますので、気軽にご連絡ください。
これから他の教科についても、都立入試問題の傾向と対策についてお話しますのでお楽しみに。
2022.10.30
明日はハロウィン!そもそもハロウィンって何?
最近は街中がハロウィンに彩られるようになってきました。
クリスマス、バレンタインデーに続き、日本でもハロウィンが定着しつつあります。
今年はコロナウイルスの影響でいつもの様に外に出る人は少ないのではないかと思いますが、それでもハロウィンを楽しみたいと考える人は多いようです。
ところでハロウィンとは何なのでしょうか。
単に仮装を楽しむ日ではありません。
ハロウィンはケルトのお祭りが起源と言われています。
10月31日はケルト人の大晦日に当たり、この日に秋の収穫を祝うお祭りが行われていました。
この一年の終わりの日の夜に、死者の魂がこの世に戻り、また魔女や悪霊が悪さをするとも信じあれ、悪魔払いの意味合いもありました。
時代が下り、このお祭りとキリスト教が融合してハロウィンになったと言われています。
11月1日は「万聖日(諸聖人の日)」というカトリックの祝日で、全ての聖人と殉教者を記念する日とされ、キリスト教でも死者の魂がこの世に戻ってくると考えられています。
魂が帰ってくるという意味では、日本のお盆に似ていますね。
この日にお墓参りをしたり、亡くなった人に祈りを捧げたりします。
なぜ仮装をするのでしょうか。
死者の魂と共に、悪霊や魔物もこの世にやってきて、この世の魂をあの世に連れて行こうとすると考えられています。
よって、お化けの格好をして仲間を思わせて、自分の魂が連れていかれるのを防ぐのです。
だから、女子高生やマリオやスーパーマンなどの仮装は意味なさそうですね。
「トリックオアトリート」はどうして始まったのでしょうか。
元々ヨーロッパで、仮想した子供たちが歌いながら、さまよっている魂のために、「ソウルケーキ」という干しブドウ入りのパンを一軒一軒訪ねらながら集める習慣がありました。
そして、何も差し出さないとこの子供たちや霊がいたずらをすると考えられていました。
1900年代初期にある子供が「Trick or Treat!」と言い出し、1952年のディズニーアニメの中でこのセリフが使われたことにより、世界中に広まったとされます。
仮装をする人は増えていますが、日本ではまだ家を練り歩いてお菓子を集める子供は少ないですな。
各家庭もお菓子を用意していなかったりして。
お菓子メーカーはハロウィンパッケージのお菓子を盛大に売り出していますし、お寿司など関係のない業界も便乗しようと頑張っていますね。
日本ではバレンタインデーと同じように商魂あってのハロウィンでしょうか。
お祭り好きで宗教に節操のない日本では、新たな騒ぎの口実としてハロウィンが広まって見えます。
日常に楽しみを求めるのはいいのですが、くれぐれも行き過ぎのないように、マナーを守って楽しんでください。
こうやって異文化も取り込んで、人々の暮らしも変わっていくのだと実感しています。
お化けにいたずらされないように気をつけて、皆さんもHappy Halloween!
2022.10.24
瞑想が勉強効率を上げ、生活をもポジティブに!
勉強には集中力が欠かせません。
勉強の効率を上げ、より深い学習を可能とします。
逆に、集中できないといつまで経っても勉強がはかどらず、勉強が終わらないから嫌気がさして集中力は更に低下する。
こういった負のスパイラルに陥らないためにも、集中力をコントロールできるようになりましょう。
ということで、今回は集中力を高める手段として「瞑想」に触れます。
仏教などでも重視される瞑想ですが、宗教などというと迷信めいて疑わしく思われるかもしれませんが、様々な科学的研究でその効果が実証されています。
そこで、私もやっている瞑想の仕方をご説明し、瞑想の効果を考えてみたいと思います。。
瞑想の仕方
瞑想というと難しく思うかも知れませんが、実は非常に簡単です。
しかも、時間もそれほど長くする必要はないので、勉強する前や寝る前などのちょっとしたときにやってもらえればと思います。
ここでは私流の瞑想をご紹介します。
先ず、イスでもベンドの上でも構いませんので、座ってリラックスします。
リラックスといっても具体的にどうすればいいか分からないと思いますので次のようにしてください。
背筋をのばします。
この時、あぐらでも正座でもいいので、自分が座っていて楽な状態にしてください。
そして、体の部分の重みを全てその部分の下側に置くようにイメージしてください。
こうすると余分な力が抜け楽になります。
手は膝の上に手のひらを上に向けて軽く開いて置いてもいいです。
また、へその下3cmくらいのところに心が落ち着く場所があるので、そこに手を当てて心を落ち着きやすくしてもいいです。
そして、頭の中で満月の夜の湖を想像してください。
風もなく静かなところで、夜空の満月が湖の水面に綺麗に映っている様子をイメージしましょう。
波立たず、鏡のように月が映っている状態を思い浮かべていくと、心が穏やかに休まり落ち着いてきます。
次のできるだけゆっくり、そして長く息を吐いていきます。
もうこれ以上息を吐くことができないというところまできたら、体を少し前傾させてください。
そうすると、もう一息吐くことができます。
そして、今度は同様にゆっくり長く息を吸っていきます。
同じく限界まで吸い込んだら、傾けた上体を少し戻しましょう。
そうするとまた、もう一息吸うことができます。
これを何度か繰り返してください。
最初はいろいろなことが頭に浮かんでくるかもしれませんが、やがてそれもなくなり感覚が鋭敏になり、身の回りのちょっとした音などが耳に入ってきたりするかもしれません。
しかし、それもだんだんなくなり、まさに「無」の中に自分がいるような感覚になってきます。
何を考えるでもなく、ただこの状態を維持してください。
10分ぐらいやれば十分でしょう。
1分でも、3分かなり違うと思います。
できれば毎日起きたとき、勉強する前、お風呂に入った後、寝る前など時間を決めると効果的です。
家の静かな場所で一人でするのがいいですが、慣れてくると雑踏の中でもできるようになります。
修行を積んだ仏教のお坊さんは、歩きながらでも瞑想ができるそうです。
瞑想が脳にどのような影響を与えるか
瞑想で頭がすっきりし集中力を高めるのですが、それはどのような仕組みか考えてみましょう。
脳の中には「海馬」と呼ばれる場所が存在し、そこで記憶などの情報処理が行われます。
つまり、ここを活性させることで記憶力を高め、学習内容が身に付きやすくなります。
この海馬という器官は非常にデリケートで傷つきやすいのですが、瞑想することによってダメージを回復できることが分かっています。
また、脳は何もしていないときでも活動しており、生命維持に必要な活動(心臓を動かしたり呼吸したり)を支えています。
この時も脳はエネルギーを消費し続けます。
瞑想は脳の活動している各部位の過剰な活動を低下させ、エネルギー消費を軽減させてくれます。
こうして余分なエネルギー消費を避けるので脳の疲労が軽減され、その結果集中力が高まり、ストレスも減り、ぐっすりと眠れるようになります。
このように瞑想の効果は、科学的に証明されているのです。
瞑想の集中力を高める以外の効果
1.ストレス軽減
毎日の生活の中で、多くの人はストレスを発散できずにため込んでしまっています。
現代社会においてストレスは大きな問題であり、それは今や子供でも同じです。
昔は子供はストレスを受けにくいと考えられていた時もありましたが、今はストレスにより子供も心身に弊害を抱えているという例が多々報告されています。
瞑想には深いリラクゼーション効果があり、これがストレスを軽減させ、日々の生活を豊かにしてくれます。
これで心が穏やかになり、洞察力が上がり、様々なことに気づけるのです。
この「気づける力」も勉強に欠かせません。
2.前向きな気持ちになれる
人生にはいろいろな出来事があり、中にはとても悲しく落ち込むこともあります。
「テストの結果が悪かった」「学校の成績が下がった」と生徒たちも毎日の勉強の中でつらく悲しい経験をし、時には「自分の将来はどうなるのだろう」と不安になったり絶望的になったりします。
終わってしまったことは変えることができないので、それをいつまで引きずってもその後の生活が良くなることはありません。
ここは気持ちを切り替えて、新しい日々に向かって努力するのが最善です。
しかし、後悔の念を抱いたままなかなかポジティブになれないのも現実です。
そんな時にも瞑想が役に立ちます。
瞑想する中で、自分の思考の癖に気づけ、自分のマイナス思考を見抜いてそれに囚われることが少なくなります。
今の自分を見つめることで、過去の後悔から抜け出し、今の自分を冷静に見つめ直し、今後どうすべきか前向きな考え方ができるようになります。
3.良質の睡眠を得られる
心が緊張していたり、不安な気持ちを抱えていたりすると、人はなかなか寝付けなくなります。
そんな時も瞑想は効果があります。
睡眠前に瞑想することで、寝つきが良くなり睡眠の質が上がるという研究結果もあります。
その研究によると感情が安定し、自分の感情と行動に関する評価も上がり、睡眠前の覚醒が低下したそうです。
また、瞑想では深く呼吸を行うので、これが副交感神経を刺激し、リラックス状態に入りやすくなります。
その結果、深く良質の睡眠が得られるのです。
人間はしっかりと睡眠を取らないと、肉体の疲労がたまり勉強や仕事のパフォーマンスが悪くなり、精神的にも落ち着かずいつもイライラしてしまいます。
良質の睡眠はこれらの問題を軽減してくれます。
更に、睡眠は記憶にも大きく関わっており、良質の睡眠を取ることで記憶が促進され長期的に維持されるので、毎日の勉強を定着させるのにも重要となってきます。
良質の睡眠を手にするためにも、瞑想を活用しましょう。
このように瞑想は脳へ作用に、脳の疲労を軽減すると同時に、脳の活力を挙げる効果を持っています。
よって集中力が上がり、その結果として勉強の効率は当然上がります。
ストレスを減らし、ポジティブな気持ちになり、十分な睡眠で心身ともに回復すれば、今後の勉強に対しても積極的でいられます。
こうして勉強を効率よく励めば、その結果はきっと良いものになるに違いありません。
瞑想は勉強だけでなく、日常生活においてもプラスの効果をもたらします。
勉強にいそしむ生徒だけでなく、大人の方々も仕事や生活を向上させるために瞑想を試してみませんか。
一日の数分で構いません。
瞑想が人々の心を変え暮らしを変えます。
2022.10.16
こどもにイラッと来たら
以前、子供に対してどうしてイライラするのか、その原因について議論してみました。
今回はイライラを感じたとき、どのように対処するべきかを考えてみたいと思います。
子供に対してイライラするというのは、自分の心に余裕がないからで、そのまま感情に任せて反応すると、子供の心を傷つけたり後で後悔するような行動になってしまったりします。
不必要にその場の雰囲気を壊したり、時には気まずい関係が長く続いてしまったりします。
子供の精神に悪い影響を与え、大きな問題を引き起こすきっかけになることもあります。
「あ、言い過ぎたな」なんて思ったことのある人は多いのではないでしょうか。
しかし、引っ込みがつかなくなって、結局はうやむやなままに日々の生活が過ぎていく。
このようにならないためにも、自分が子供に対してイライラしていると感じたとき(またはそうならないように)対処法を知っておくことは有意義でしょう。
1.先ずは一呼吸置きましょう
こんな時はたいてい冷静ではないので、客観的に物事を見ることができず、自分の一方的な論理で結論に至ってしまいます。
それが間違っていても、主観的にしか考えられないので「自分は正しい」と思い込み、子供に対して不適切な対応を取ってしまうこともあります。
必要もないのに、子供に対して怒ったり言い過ぎたり。
一度言葉や行動に出してしまえば、その事実は消えることないので、後で過ちを正すには膨大なエネルギーを必要とします。
そうならないためにも、最初の一手は非常に重要なものになります。
自分の判断が間違わないように、先ずは冷静になる必要があります。
言葉や手が出る前に一呼吸(深呼吸)して、頭に上った血を下げましょう。
イライラのピークは6秒などとよく言われるので、この6秒を乗り越えれば気持ちも落ち着き、心にゆとりも出てきます。
2.口にする前に頭の中で一周させて
そして、言葉を発するときは、頭に浮かぶ言葉をそのまま言うのではなく、一度頭の中で発して、その言葉がどのような結果を引き起こすか考えましょう。
自分の言葉が本当に的確なのかを判断する必要があります。
もし、それが間違った認識に基づくものであれば、言われた子供に負の影響を与えることになります。
「本当はそうじゃないのに、親は自分のことを分かってくれない」など、正当に扱われていないということは、本人の人格を否定することにつながり、時にはそれが大人へ対するむやみな反発になったり、自己否定につながったりします。
心の傷として残り、自分に対する自信を失うこともあり得ます。
そうなると、親の軽いつもりで発した言葉が子供の生涯に影響を与えてしまうことになり、その責任を考えると軽はずみな言動は控えないといけません。
このような過ちを回避するためにも、言葉を発するとき(特にこのような考える心の余裕がないとき)は一度立ち止まって、何でも構わずに言わないで、一度考えてみましょう。
3.時には言わない勇気、様子を見る余裕を持って
一度立ち止まって判断しろと言われても、イライラして頭に血が上っている状況では、まともに考えることもできないでしょう。
自分が正しい言動を取れているかどうか分からないときは、何もしないのもありです。
周りが見えなくなって誤解によって子供に間違った対応を取って、それがその子の心に大きな傷を負わせるくらいなら、何もしないでおく方がいいかも知れません。
時間を置いてじっくり考えてから、正しい対応をしてください。
イライラしてすぐに何とかしなくてはと思うのも理解できますが、焦りは禁物です。
しばらく様子を見て、状況を正確に把握した後、どのようにするのが一番いいか考えてから行動しましょう。
必要ならば感情的にならず冷静に子供に質問し、真実を見極めてからでも遅くはありません。
子供にイライラしているときは、言いたくてもその場で言わない方が良策ということもあります。
4.物は考えよう
子供に対してイライラして、ついつい不機嫌な態度を取ってしまう親は、実は子供に対する思いと責任感が非常に強いことが多いです。
その気持ちは大事ですし、何も間違っていません。
でも、その対応を誤ると大きな問題に発展することがありますので注意してください。
そこで、子供の態度などでイライラしているときは、この言葉を思い浮かべてください。
「物は考えよう」
考え方を少し変えると、これまで許せなかったことが許せたり、一度落ち着いて冷静に判断できるようになったりします。
目の前の問題に対して「自分がすぐに何とかしなくては」と考えるから焦ってしまう、自分の思い描く理想に現実がぴったりそぐわないからイライラしてしまうのです。
自問自答してみましょう。
「本当に自分がしなくてはならないのか、他の人に頼ってはいけないのか」
「現実は自分の理想の遠いでなくてはいけないのか」
今持っている自分の考えの根本を自分で問い直してください。
そうすると、実はそうでなくてもいいようなアイデアも浮かんできます。
「まあ、今は出来なくてもいいか」「まだ成長中の子供なんだから6割できれば上出来だ」「ここは良くないけど、ここは上手くやっているな、褒めてあげるか」「けがや命に関わる状況でないから、多少の失敗は目をつむり、いろいろ経験させてあげるのも大切だ」「ここは他の人に任せてもいいかな」など、同じ状況でも考え方を変えれば捉え方も変わり、対応の仕方も変わってきます。
そして、「イライラしても何もいいことがないし、その必要もない」と気づけば、心も楽になりゆとりをもって正しい対応ができるようになるでしょう。
5.一度発した言葉は戻らない
最後に、このことをよく思い出してください。
言葉はどのような意図であれ、一度口にすればそれは元に戻らないということです。
発した言葉はもう自分のコントロールから外れ独り歩きします。
時には自分の予期せぬ解釈をされ、誤解されたまま消えることなく次から次へと伝わっていくこともあります。
そして、誤りを訂正し正しく理解されるのは至難の業です。
莫大なエネルギーを必要とし、それでもうまくいかないかも知れません。
また、例え再認識に成功したとしても、それまでの過程で人々に与えた影響がなくなるとも限りません。
つまり、言いたいことは何かというと、言葉は非常にデリケートで恐ろしいということです。
だからこそ、その扱いは慎重でなくてはなりません。
一時の感情に任せて使ってはいけないのです。
自分の言葉が人に対して与える影響に責任を持たなければならないということを忘れないでほしいと思います。
イライラして普通でいられないときはなおさら、よく考えて言葉を選ばないといけないのです。
このことを肝に銘じていれば、きっと自分の発言に対して後悔することも減ってくるでしょう。
以上、子供に対してイライラしたときの対応について考えてみました。
このような平常ではないときに、冷静になって慎重に行動することはとても難しいです。
でも、自分のせいで子供の人生にマイナスの影響を与えてしまうということは避けなければなりません。
そのためにも大事なのは、普段からイライラしないで済むような、心にゆとりが持てる状態を作っておくことです。
「ものの考え方を変える」というのも一つの方法です。
そうすれば、少しは気が楽になります。
何もかも自分で背負い込んで焦らないでください。
完璧な子育てでなくてはならないと気負い過ぎないでください。
子供と同じように、親も成長するものです。
何度も何度も経験を積んだ親のプロなんていないのですから。
だから、思い通りにいかないと言って子供に対して怒る必要はありません。
大切なのは、子供のことをよく考え、愛情を持って接することです。
イライラは自分で作りだしているだけで、自分の心持しだいでなくなると考えてみましょう。
2022.10.09
模試は受ければ受けるほど結果が上がる! なぜ受けた方がいい?
受験勉強も佳境に入ってきました。
多くの受験生は模試を受けると思いますが、保護者も含めてその意義が分かっていない人が多く思われます。
模試は、志望校に対する合否判定をしてもらうためだけではありません。
そこで今回は、どうして受験生にとって模試が大事か考えてみます。
1.自分を知るため
模試を受ける第一の意義は自分の実力を知ることです。
自分の学力が分かれば、これから入試に向けて自分のすべき勉強も分かります。
模試を受ければその結果が図表で表されます。
自分はどの教科が得意で、どの教科が苦手か分かります。
資料を詳しく分析すれば、更に細かく各分野に対する得手不得手も分かります。
更に、解答一つ一つが合っているかどうかだけではなく、全体の正答率も記されているので、正答率の高い問題を自分が落としていれば、それは入試のときに大きな問題になります。
みんなができる問題ができていないということは、受験生の中での順位を大きく後退させることになるからです。
逆に、みんなができていない問題を落としても、順位への影響は少ないです。
つまり、自分がどの問題を解けるようになっていないといけないかが分かり、ここから自分の勉強すべき内容が明らかになってくるのです。
2.志望校の合否判定
もう一つ模試の大事な役割は志望校への合否判定です。
信頼できる偏差値や志望校判定は、高校受験で合格するための強力な武器となります。
確実な情報は合格のためには不可欠なのです。
だから、模試は受験生にとってとても重要なのです。
模試を受けた結果は資料としてまとめられます。
そこには志望校の合否判定が記されています。
A判定であれば合格ほぼ間違いないですが、実際にはBでも合格することがあります。
このB判定が取れるかどうかが一つの目安になるでしょう。
また、偏差値は受験生全体の中で自分がどのくらいの立ち位置にいるのかを示しています。
偏差値50であればちょうど中間で、ここから数字が大きくなればなるほどこの中央値から離れることになるので、上位に入っていることになります。
合格者数は決まっているので、偏差値から自分の立ち位置が分かれば、その合格人数に自分が入っているのか、後どれくらい順位を上げないといけないのかが分かります。
そして、それを基に、合格するため今の順位を維持ずる、または上げるために、自分が何をどのくらい勉強しないといけないのか分かるのです。
これは他の受験生も多く参加する模試によって初めて手にできる情報なので、受験生にとって模試を受けるということは必須条件と言えるでしょう。
この資料を基に、自分のすべき勉強が分かり、場合によっては志望校変更の決断を下すこともできます。
こうして、自分によりふさわしい学校を選ぶことができます。
大抵模試には自分が提出した志望校に対する合否判定だけでなく、試験結果から割り出される「安全校」「相応校」「努力校」も提示されるので、これらも学校選びの良い資料になります。
3.良問に触れて試験問題を解く考え方知る
模試の問題は厳選された良問ばかりで、しかも毎年の入試分析に基づくものなので、実際の入試問題に似た形式で出されます。
入試問題のパターンを知っていれば、本番で驚き慌てることもないでしょう。
しかも、模試でできない問題があれば、そこを重点的に勉強すればいいことも分かります。
言い換えれば、模試で間違えても、それをきっかけに勉強すれば、効率よく実力を伸ばすことができるのです。
また、入試ではそれまでやってきた学校のワークのような単純な問題だけでなく、一ひねりも二ひねりもある問題が出ます。
このような問題を模試を受けることによって、本番前に経験することができ、問題を解くための入試独特の考え方を知ることができます。
多くの入試では、難易度の高い問題は非常に難しく、試験会場で初めて目にしてから自分で解法を見つけ出すことはほぼ不可能です。
だからこそ、事前に多くの模試を受ければ、多くの入試に役立つ解法を知ることができるので、模試をたくさん受ければ受けるほど、入試には有利になります。
特に難問において経験値を積むという意味でも、模試はとても有効です。
4.試験に慣れる
模試をたくさん受けることは、試験会場の雰囲気に慣れることにもなります。
いきなり本番では緊張し実力が十分に発揮できません。
入試のプレッシャーで問題用紙が白紙に見えてしまう受験生もいるとか。
いつもの学校のテストでは何の問題のない生徒であっても、入試の意味を考えると緊張して、普段ではありえないようなミスをすることがあります。
平常心で受験するためにも、できれば模試はたくさん受けてほしいです。
他の学校の生徒と一緒に受ける試験だからこそ、本番に近い状態でテストが受けられます。
これは学校内では不可能なことです。
だからこそ、受験生には是非模試を受けてもらいたいのです。
現実に模試をたくさん受けた生徒は、やはり点数もよく入試での合格率も高くなっています。
可能な限りたくさん受けることをお勧めします。
受験生にとって模試を受けることの意味を考えてみました。
模試は入試で合格するための様々な情報や経験を得られる場所です。
受験勉強をしている現在の自分が正しい方向に進んでいるかどうかも見極めることができます。
よって、できることなら定期的にたくさん模試は受けてほしいと思います。
一度や二度では十分な効果がありません。
また、模試を上手く利用すれば受験勉強の効率を上げ、より有利に入学試験を受けることができます。
先ほども述べたように、模試を受けてできた分野は十分身に付いていることになり、多くの時間を割く必要はなく、定期的に確認する程度でいいでしょう。
しかし、そうでない分野はしっかり重点的に勉強しないといけません。
両者の線引きも、模試を受ければはっきりしやすいと思います。
このように模試は受験生にとって非常に有用な道具です。
皆さんも上手に利用して、受験勉強を有利に進めてください。
葛西TKKアカデミーは『Vもぎ』と提携していますので、こちらで受験申込ができます。
都内最大規模の高校受験用の模試になります。
受験生が最も多い模試なので、その結果もより本番に近いものになります。
また、受験後に届く結果をもとに、葛西TKKアカデミーで志望校選択や進路相談、受験勉強のアドバイスも受けられます。
お問合せ、申込は葛西TKKアカデミーまでご連絡ください。
今後の日程は以下のようになっております。
都立vもぎ
10月30日
11月6日・20日
12月4日・11日・18日
1月8日・15日
都立自校作成対策もぎ
11月20日
12月11日
1月8日
私立vもぎ
12月6日
1月8日
席に限りがございますので、早目の申し込みをお勧めします。
2022.10.03
受験生が過去問をするのは重要!その理由をご説明いたします
受験をするには、高校入試であれば中学三年間分、大学入試であれば高校三年間分の勉強をしなくてはなりません。
学校の教科書やワークで習った内容を復習し、問題集をやって様々な問題を解いてみる。
必要であれば参考書や、最近ではアプリを利用するも生徒もいます。
そして、模試を受けて自分が志望校に合格するかどうか判定して、最終的に受験する学校を決めます。
そんな中で、多くの受験生がやるのが「過去問」です。
実際にこれまで入試において出た問題を集めたものですが、これをやります。
そこで、今回は受験生にとって過去問をすることがどれほど重要かについてお話したいと思います。
なぜ受験勉強で過去問を解いた方がいいのでしょうか。
その理由を議論したいと思います。
1.自分の実力が志望校合格に足りているか分かる
過去問はその学校でこれまで実際に出た問題なので、それをやってみて十分に解くことができれば、過去の入試において自分は合格していたことになります。
ということは、今回の本番でも同様に合格する可能性が高いということになります。
逆に、解いてみた結果が合格ラインに達していなければ、自分の現在の実力は不十分で、まだまだ勉強する必要があるということになります。
また、自分がどの教科のどの分野が不得意だとか、どのような問題が苦手だとか、どのような内容が良く若手いないとかが分かります。
そうなれば、自分はどこを重点的に勉強すればいいかわかり、勉強を効率良くすることができます。
自分がすべきことが分かれば、入試までの日数を考えて、いつまでに何ができるようにならなければならないかという勉強の計画が立てられます。
残された時間の限られている受験生にとって、勉強の効率化は死活問題なので、過去問はやった方がいいということになります。
2.受験校の出題傾向がわかり、対策を立てられる
大体入試において、学校は毎年同じような形式で試験を行います。
それぞれの学校がどのような問題を出すか知ることは、本番で自分が何をしなければならないかがある程度事前に分かるので、受験を有利にできます。
マークシート方式か記述式か、どういった順番で問題が出てくるのか、どのような内容も問題が出るのか。
出題の傾向が分かれば、前もって対策を立てることもできます。
良く出る分野は重点的に勉強しなくてはならないし、あまり出ない分野はそれほど力を入れなくてもいいでしょう。
出題傾向も全く分からないままで初見の問題を解くのは難しいです。
予め分かっていれば、これまで見たこともない問題に驚くこともなく、自分の持っている本来の力が出しやすくなります。
過去問をやるとよく気づくのですが、似たような問題が何回も出てくることがあります。
過去問をやって、しっかり勉強していれば、このような時に他の受験生より精神的に優位に立てます。
3.時間配分などの練習になる
よく試験では、時間が足りなくて問題が解けなかったということがあります。
時間があればできた問題を落としてしまうというのは、一点二点を争う入試において非常に痛いです。
自分が試験時間内に入試問題を全て解けるように、どのくらいじっくり考えることだできるか、どれくらい急いで問題を解かなくてはいけないか分かります。
それぞれの大問を何分で解かなくてはならないかが分かれば、過去問を解くときに時間配分を決めてから取り掛かれば、本番でも時間を上手に使って受験ができます。
例え全問解くのは無理だとしても、どのように時間を使い、どのような順番で問題を解いていけば最も多く答えることができるか考えられます。
「自分がすぐに解ける問題から解いていく」と言うのは受験の鉄則ですが、過去問で時間を気にしながら解いていけば、本番で問題を見たときに自分が解くのに何分かかるか予測でき、先にその問題をやるべきか後回しにするべきか判断できるようになります。
このように入試問題に対するペース配分も、合格にはとても大事なことです。
4.過去問を利用して受験勉に役立てる
過去問をやって正解していれば問題ないですが、そうでなければ勉強が足りていないということです。
解説をしっかり読んで、もう一度解いて、本当に解けるようになるまで練習しましょう。
こういった勉強の穴を見つけるのにも、過去問は役に立ちます。
「問題やって丸つけして終わり」という人も多いですが、実は問題をやるのは勉強のきっかけを作るためで、勉強の「終わり」ではなく、むしろ「始め」です。
そして、過去問を五年分、模試などの類似問題を五つ以上やれば、大抵どの教科も全分野をカバーすることができます。
また、重要な内容は何度も繰り返し出てきますので、やればやるほど必須な内容に触れる機会が増えて、重要項目をしっかり勉強して身に付けることができます。
今の実力を知るだけでなく、現在の実力を更に伸ばすために、過去問をすることは非常に意義があります。
5.本番の疑似体験ができる
きちんと時間制限を決め、周囲の環境も過去問に集中できるように整えれば、本番の予行練習ができます。
本番と同じようなプレッシャーの中で、自分はどれだけ平常心で焦らずに問題に取り組めるのか、つまらないミスをしないか、自分の弱点は何か分かります。
模試も同様に本番に近い状況で問題を解くので、数をこなせばこなすほど慣れてきて、ちょっとしたことにも動揺せず、より自分の持っている力を発揮することができます。
このように事前に本番と同様な経験をしていれば、本番では心を落ち着かせ、集中して問題を解くことができるでしょう。
過去問をするタイミングとその量は?
三年間の勉強内容の確認が終わったら、過去問や類似問題、入試本番を意識した問題に取り掛かってください。
基本的に夏休みまでに三年間の勉強を終わらせて、二学期からは本格的な受験勉強に入った方がいいでしょう。
よって、どの時期に三年間の学習を終えているかが重要なカギになります。
二学期の中盤でも三年分の勉強が終わっていないようなら、少し遅いです。
残りの時間を考えると、十分な準備ができない可能性が高くなります。
ということは受験に向けた勉強はもっと早くから始めないといけないのですが。
そして、過去問をやるようになったら模試もどんどん受けましょう。
入試の練習になるだけでなく、自分の実力がどのくらいついてきているか、後どのくらい努力が必要か分かります。
また、過去問のボリュームですが、最低でも三年分はやった方がいいです。
できれば五年分くらいはほしいです。
それ以上昔の過去問になると、学校によっては内容や傾向が異なっている場合もあるので注意してください。
そして、過去問を解いたらすぐに採点をしてください。
時間が経っていないので、マルをつけながら自分がどうしてそのような間違いをしたのか思い出すことができます。
ミスの原因が容易につかめ、受験対策に役立てることができます。
また、問題を解くときの苦悩や辛さが見直しをしたときに頭に残って、まだ強い印象を保っているのでエピソード記憶として、問題内容が頭に長く残るようになります。
時間が経ってしまうこと、これらは失われてしまうので、過去問をやったらすぐに採点し、間違った原因を突き止め、解説を読んでしっかり理解しましょう。
良い問題集は解説が細かく丁寧で、これをしっかり理解して勉強するだけで、かなり力がつきます。
こうして、間違った問題を一つずつ解決していけば、本番では間違わなくなります。
別の言い方をすると、問題を間違えれば間違えるほど、自分の実力を伸ばすことができるということです。
更に、過去問は一回で終わらないようにしましょう。
繰り返すというのはいい勉強法で、回数を重ねるごとにどう解いていいか分かってきます。
前回よりも良くなるのが実感できるので勉強の励みにもなります。
「同じ問題をやっても意味があるのか」と疑問に持たれる方もいらっしゃるかも知れませんが、案外やった問題ってできないものです。
今年もかなり押し迫ってきました。
受験生はもう、学校で習う内容を自主的に終わらせ、本番に近い環境で過去問を解いてみましょう。
模試も含め本番に近い形式の問題をどんどん解いて腕に磨きを立てる時期です。
学校の勉強をまだ終わらせていない受験生がいれば、それは遅いですから気をつけてください。
そして、本番に近い内容の過去問や模試を受けましょう。
自分の弁用に役立てるだけではなく、リハーサルとして本番に実力を全て出し切るために頑張りましょう。
受験生の皆さん、大変とは思いますが、あともう少しです。
何か困ったことがあれば、葛西TKKアカデミーを頼ってもらっても構いません。
できることは何でもして、入試がうまくいくようにお手伝いいたします。
応援しています。
2022.10.03
テスト当日、試験開始までにすること
明日から中間テストの学校もあるようなので、今日はテスト前にすることを考えてみます。
勉強に関して前日までにやっておくこと
本来はテスト前日まで頑張って勉強し、テストの準備を十分整えてからテストを受けるべきです。
課題が終わっているのは当然のことです。
ワークで間違った問題や分からなかった問題は確認し質問し、必ず解けるようになってからテストを受けて下さい。
もちろんテスト勉強はこれだけでは十分でなく、学校の教科書、ノート、プリントも全て確認しなければなりません。
だから、授業のノートを取るのは必須なのですが、できていない人は友達に見せてもらい、必要ならコピーをしてください(必ず友達の許可をもらってから)。
そして、次からはきちんと自分で授業のノートを取ってください。
以上のことをやってから最後の確認として、学校の教材以外の問題集などを解いてください。
勉強で習った内容を習得するにはインプットばかり言及されますが、実はアウトプットが大事なのです。
実際に問題を解いてみることが習得を促します。
分かっているつもりでも実は分かっていなかったところも見つけ出すことができます。
よって、学校の教材以外の練習をした方がテストの点も良くなります。
課題を終わらすので精一杯という生徒はたくさんいます。
これだけでは不十分なので、満足のいく点数には達しないと思います。
しかし、最低限これだけはやらないといけません。
課題を出さないと評価が更に落ちますから。
この課題に対する議論は、また別の機会に行います。
「ノー勉」でテストを受けるのはNGです。
勉強に関して当日の朝すること
テストの前日までにやるべきことは全て終わらせ、前日は早く就寝してください。
十分な睡眠を取らないと、実力も発揮できません。
できれば前日は勉強をしないで、ゆっくりリラックスし早く寝た方がいいです。
どうしても勉強が気がかりという人は、早寝早起きをして学校に行く前に勉強しましょう。
もしくは、いつもより早く学校に行って、テスト開始まで学校で勉強をするものありです。
前日の深夜に、疲れているのに無理やり起きて勉強するのは逆効果です。
前日の徹夜勉強はお勧めできません。
若いからできなくはないでしょうが、それほど効果はありませんし、長期的に見てもよくありません。
それならば、いっそのこと早く寝て、疲労を回復させてから勉強した方が、頭もスッキリしていいです。
当日の朝は、とにかくこれまでやったことの確認作業をしましょう。
新しい問題に手を出す必要はありません。
習った内容を教科書などでざっと見直して、「ああ、こんなことがあったな」「この問題はこうやればよかったな」などと確認をします。
ワークなどで解けなかった問題だけ見て、頭の中で解き方は分かっているか、自問自答しましょう。
もし、いまいち解き方が思い出せないようならば、実際に一度書いて解いてみましょう。
やってみれば意外と思い出せるものです。
通学中、テスト前、休み時間に勉強
バスや電車で登校する人は、その乗車時間も良い勉強時間になります。
徒歩で通う人も、歩きながら勉強できなくもありませんが、くれぐれも人や車などに注意してください。
自転車の人は登校中の勉強はしない方がいいです。
危険ですから。
早く学校に着くことに集中し、着いてからしっかり勉強してください。
移動中にする勉強は、単語や用語の確認がいいです。
単語集や用語集を見ながら一つ一つ分かっているか確認してください。
できれば、「何ページから何ページまで」などと目標を決めると、より集中して勉強ができると思います。
友達がいれば、お互いにクイズのように出し合いっこをして、勉強するのも良い方法です。
問題の出し合いは学校に着いてからも続けてやっていいです。
テストとテストの間の休み時間も、テスト勉強に活用できます。
終わったテストのことはくよくよしても仕方ないので、気持ちを切り替え、「次のテストはいい点とるぞ」と言う意気込みで、最後の瞬間までを粘り強く頑張りましょう。
最期にワークや教科書にざっと目を通す。
友達と一問一答をやる。
問題の解き方を確認する。
短い時間ではありますが、一分一秒を無駄にしないように。
ひょっとしたら、ここで目にしたことがテストに出るかも知れません(意外とよくあります)。
勉強以外で気をつけること
テストまであまり時間がないので、勉強も大事ですが、ベストコンディションに持っていくことも考えましょう。
先述した通り、テストの前日は遅くまで勉強せず、ゆっくりお風呂に入って早く寝ましょう。
直前に慌てて付け焼刃をしてもそれほど効果はありません。
むしろ体調を万全にし、実力が100%出せることを考えた方がいいです。
いくら勉強しても、体調を崩して自分の力が半分も出なかったでは話になりません。
お風呂で心を落ち着かせリラックスし、十分な睡眠で疲れを癒して、心身ともにベストな状態になるように努めてください。
と言うことは、前日より前にテスト勉強ですべきことは全て終わらせなければならないということです。
そのためにも計画的にテスト勉強をしてください。
前日は早く就寝し、当日は早く起きましょう。
先ほど述べたように、最後の確認作業をしてもいいですし、そうでなくとも早く起床することは有意義です。
寝起き直後では、まだ脳も働かず良いパフォーマンスはできません。
脳が本格的に活動するには時間が掛かります。
できれば遅くともテスト開始二時間前には起きましょう。
そして、窓を開け太陽の光を浴びてください。
こうすることで体内時計がリセットされ、体のリズムが整いいろいろなことがスムーズにできるようになります。
朝食を抜くということは絶対にしてはいけません。
睡眠中一切栄養を取っていない体はガス欠状態です。
燃料補給しないと、しっかり体が動きません。
朝食を取ることで脳内もリセットされ、すっきりとした新鮮な気持ちでテストを受けられます。
かと言って、食べ過ぎはいけません。
消化に血液を奪われ過ぎると、脳内に血液が不足し、酸素と栄養が十分にいきわたらなくなります。
腹八分目がいいでしょう。
また、消化の良いものを食べるようにしてください。
テスト中にお腹を壊しては大変です。
集中したくてもできず、実力が出せません。
消化しやすく栄養バランスの良い朝食を心がけましょう。
以上、テスト当日の過ごし方についてお話しました。
ギリギリまであきらめず勉強するのは大事です。
しかし、それも体調を崩さない程度にとどめてください。
勉強も大事ですが、それ以外の点も重要です。
テスト当日だからこそ、最後の最後でこけないように注意してください。
皆さんのテスト結果が良いものであるように祈っています。
2022.09.27
大人の何気ない言動が子供に悪い影響を与えているかも(その二)
2022/09/25
前回に引き続き今回も、子供と接するとき親(大人)が悪影響を与えないように注意すべき点を考えていきます。
学ぶ立場にある子供たちは、周囲の大人から多くの影響を受け、それが彼らの人間形成を左右することもあります。
子供たちの健やかな成長を願うならば、親を始めとする身近な大人は「自分の言動が子供に悪い影響を与えていないか」と常に考えて行動すべきです。
そこで、前回、親(大人)が子供に接するときに注意すべき点を三つほど触れましたが、今回は残り二点について述べたいと思います。
4.基本的な社会性のある行動をとる
前回、家庭で親が子供に「バカ」と言うと、子供も外の子供に対して「バカ」と言うようになるというお話をしました。
「家の中だから」「親子だから」と言って許されると思ってはいけません。
冗談のつもりでも小ばかにしたり敬意や思いやりに欠ける態度をとると、子供は内外の区別がまだ十分にできませんから、家の中で行われるのと同じ態度で他の人々とも接するようになります。
だから、「親しい中にも礼儀あり」ではありませんが、家にいるときから日常的に社交性のある行動を心がけましょう。
基本はあいさつでしょう。
「おはよう」「いただきます」「ありがとう」など基本的なあいさつはしっかりしましょう。
習慣として深く考えることもなく、自然に言えるように、家でも家族がお互いに挨拶をしてください。
最近、あいさつのできない生徒が増えています。
人見知りで恥ずかしいというのもあるでしょうが、そんなことなくなるくらい親は特に積極的にあいさつを実践してください。
家で習慣化したあいさつが外でも言えるようになれば、他の人との人間関係を良好に保つことができ、学校を含む社会生活をより潤滑に営むことができます。
人間関係の問題は社会に出てからも大きく、あいさつができないというだけで、周囲の人間から奇異の目で見られ、仲間外れにされたりしますから気をつけましょう。
また、暴力といかないまでも、子供をたたいたり、ちょっとどの過ぎるバツを与えたりするのも注意しいましょう。
よくケンカをする子供は、家庭内で親が言うことを聞かせるために体罰(罵るなどの言葉の暴力も含む)を受けていることが多いです。
子供に言うことを聞かせるとき、話し合いにより分かり合うのではなく、肉体的物理的な力、権力などの概念的力によって押さえつければ、子供は攻撃的になったり、神経質になったり、自尊心を失ったりします。
逆に、親が話し合いによって常に問題解決を心がけていれば、子供も相手の気持ちを理解し、交渉し、お互いの妥協点を見つけて協力して問題に取り組むようになります。
この能力は学校ばかりではなく社会に出てからも重要になるので、是非、上手に子供と話し合える関係を築いてください。
更に、マナーを守るというのも大切です。
先ほども述べたように、子供は見ていないようで実はしっかり大人を見ています。
「このくらい」と思ってマナーを守らないと、子供たちもマナーを守らなくなります。
マナーやルールを守らないと、子供に対して立場がなくなると同時に、子供たち自身も社会的ルールを軽視するようになります。
子供がマナーやルールを守って周りの人から敬意を持たれるように、親も見本となってこれらを大切にし、守っていきましょう。
5.子供の手本となる言動を常に心がける
上記のこととも関係してきますが、親(大人)は常に子供から見られているという自覚を持って、彼らの見本となり、期待を裏切らないように行動しなければなりません。
傍若無人はよくありません。
「このくらいはいいだろう」というさじ加減は、子供には分かりません。
よって、彼らが正しい行動がとれるように、いつ彼らに見られても恥ずかしくないように、自己を律し分別のある行動で、彼らの道しるべとなる存在であってほしいです。
「大人はいいけど、子供はダメ」と言う説明では子供は納得しません。
毎日の生活の中でのちょっとしたこと、例えば、感謝の気持ちを示すとか、他の人に親切にするとか、困ったときはお互いに助けあうなど、を子供たちの前でも示せるように努めてください。
物を渡すとき両手で渡し、両手で受け取るなどの些細なことでも、その人の人格や品の良さを相手に伝えます。
そういった良き振る舞いを子供たちが身に付ければ、その品格が子供たちに多くの人をひきつけ、彼らの人生に多くの利をもたらすことでしょう。
それに反して、大人のだらしない面を子供たちが目にし、それを真似てしまったら、彼らは人から距離を置かれ、社会の中で孤立するかもしれません。
何気ない行動が子供に与える影響を考慮に入れるなら、親としては自分の行いをもう一度見直してみてはいかがでしょうか。
行動と同様に言葉遣いも大切です。
親の言葉遣いが悪ければ、子供の言葉遣いも悪くなります。
親が他人の批判ばかりしていれば、子供も他人の悪口ばかり言うようになります。
言葉は一度発してしまえば独り歩きしてしまいます。
だから、発言には慎重になり、言葉を選んで丁寧に話しましょう。
「約束を守る」と言うのも大事です。
子供との約束だからと、いい加減に考えないで、約束を守るために全力を尽くしましょう。
守れないときは素直に謝りましょう。
大人が約束を守らなければ、子供も約束を守らなくなります。
約束は社会のルールや法律にもつながり、これらを尊重し守る気持ちがなくなってしまえば、社会生活に大きな支障が出ます。
例え小さな約束でも必ず守ってください。
これらは子供の社交性の発達に大きな影響を及ぼします。
そして、社会に生きる人間にとって、人生での他者との交流が重大な意味を持つならば、人生の先輩である親は自分の子供のためにも良き手本となれるように気をつけましょう。
以上、親(大人)として子供に接する際に気をつける点を考えました。
確かに親以外に、子供は多くの人間と交流しながら大きくなっていきます。
誰からどのようなことを学んで大人になるか分かりません。
しかし、親は一番身近な存在であり、他の人と比べ子供に与える影響力は絶大でしょう。
大人の悪いところを真似て身に付けてしまっては大変です。
また、大人との心無い接触が、子供たちの心に傷を負わせ、精神が歪んでしまっても困ります。
ならば、この瞬間だけでなく将来のことも見据えて、今の接し方で本当に大丈夫か再検討し、必要であれば自分の行いを改めてほしいと思います。
そこで発生する面倒や失われる私利もあるでしょうが、ここは子供のためと考え改善していきましょう。
2022.09.26
子供にイラッ!その原因は?
子育てをしていると、ついつい子供の言動にイラッとすることもあります。
その瞬間、頭に血が上って感情的になり、怒鳴らなくてもいいのに大きい声で子供を非難してしまう。
そして、少したって冷静になると「やってしまった」と後悔の念に駆られることはありませんか。
分かっていても「つい」イラッとしてしまう。
その原因は何でしょうか。
もちろん、個人個人の考え方や状況が異なるので一概には言えませんが、今回は一般的によく言われているものをいくつか挙げていきたいと思います。
1.子育てが自分の思い通りにいかない
これが一番よくある原因ではないでしょうか。
「子供が親の言うことを聞かない」、「予定通りに物事が進まない」「想定外のトラブルが発生する」など。
自分の考える理想の子育てが頭の中にあり、それ以外は妥協できないと考えている人は特に、「こんなに頑張っているのにどうして上手くいかないのだろう」と現実とのギャップに落胆するでしょう。
そして、自分の理想があるからこそ、「自分の子供もその型にはまっていなといけない」と子供に期待してしまい、それにそぐわなかった時、子供に対して余計にイライラしたり怒りを感じたりします。
しかし、子供は人間です。
それぞれに人格や個性、考え方があり、それは親とは同じではありません。
親が思った通りの結果にならないのは当然と言えます。
ましてや、人間としてまだまだ発展途上にある彼らは、親がいくら説明しても理解できないことは非常に多いです。
この事実を理解し受け入れられないと、子育てにおけるイライラは解消されることは難しいでしょう。
固定概念い囚われず、常に完璧を目指すのではなく、「子育てとは思い通りにいかないもの」と現実を受け入れ、6割上手くいけば大成功くらいの軽い気持ちでいた方が、プレッシャーも減り気が楽になります。
子供を自分の型に無理やり押し込めるのではなく、状況に応じて臨機応変に対応できることを考えが方がいいでしょう。
2.周囲からの支援がなく孤立している
昔なら大家族で、育児の負担は母親だけでなく、祖父母や兄弟、時には親せきや近所の人々が関わって、地域社会全体で子育てをする光景がよく見られました。
しかし、核家族化が進み、ご近所との触れ合いも少なくなってきた現代の社会においては、子育ての負担をこれら人々に分散されることがなくなってきた分、時には母親一人が背負うという状況も頻繁になっています。
子育ての責任を全て母親が負って、誰からの支援も受けられず、プレッシャーに押しつぶされそうになったとき、人間はイライラせずにはいられません。
孤立し、心が疲れ、ゆとりがなくなっているのです。
相談や共有することができす、不安や不満、心配などを自分の内側にどんどんため込んでしまうと、精神的に不安定になりイラついてしまいます。
特に親子だけの家庭が主流である現在、夫の支援が受けられるかどうかが、母親の心理状態に大きな差を生みます。
夫が子育てに協力的であることは、肉体的に子育てへの疲労を軽減させるだけでなく、病気などのいざというときは夫に任せられるという安心感にもつながり、イライラをなくすのに大きく貢献します。
先ほども述べたように、夫婦以外のサポートが期待できないとき、これは重要な意味を持ちます。
夫婦関係に関して言うならば、夫婦間の不和も子育てのイライラを助長します。
そして、この不和は子供も感じ取り、その成長(特に精神面)において多大な影響を与えてしまうので、ぜひ注意してください。
例えば、受験を控えた生徒に夫婦喧嘩や離婚などという問題がどれほど大きな影響を与えるか想像してみてください。
3.子供の行動や感情に過剰に反応してしまう
精神的に未熟な子供たちは、自分がどうしていいか分からずパニックになったり、社会的に期待されることとは違うリアクションをしてしまうことがあります。
経験の少ない子供たちは適切な対処法を知らず、短絡的に暴力をふるったり口答えしてしまうことがあります。
もしくは、反対にすぐあきらめたり落ち込んだりして、自分のうちに籠ってしまい、周囲を一切拒絶してしまうこともあります。
大人と同じではないからこそ子供の反応に驚き戸惑い、「予測できない」、「思っていたのと違う」と感じたとき、適切な対処方法がわからなくなり、イライラを募らせることになります。
理解できない人間を相手にすることほど不安で恐ろしいことはありません。
だから、余計に子供に対する反応が衝動的で敵対的になってしまいます。
そういう時は、「子供は時にはよく分からないことをする」と心の準備をしていれば、子供の予想外の反応でも受け入れやすくなります。
正しい、正しくないという判断をする前に、先ず抗わず現状を受け入れる。
そうすると、ゆとりが少しできるので客観的に状況をみることもできます。
そして、大人として大きな心で子供を包み、寄り添うようにして、子供がなぜそのような反応をするのか話し合いましょう。
そうすると子供も落ち着き、問題解決への糸口が見えてきます。
4.自身が疲れている
子育ては重労働です。
そして、24時間労働でもあります。
最近は共働きの家庭も多く、仕事と家事、そして子育ての両立をしなければならない親もたくさんいます。
子育ては労働基準法で定められている範囲外なので、当然過剰労働になり、心身ともに大変な疲労を伴います。
働き過ぎで疲れれば仕事の効率は悪くなり、思うようにいかなくなるので、イライラも増えていきます。
休息を取りたくても、親としては常に子供のことを心がけないといけないので、子育てのことを一切忘れて本当の意味で休むということはできません。
睡眠不足になり体調も万全ではなくなります。
それでも、子供のために働かないといけません。
このような状況では感情を制御し、子供に対してイライラしないというのは至難の業です。
何事にも子供が優先され、自分のことは後回しと言う環境では、自分の時間を取ることもできないので、趣味などで精神をリフレッシュして英気を養うというのも困難です。
結果、ストレスがたまりイライラしてしまいます。
5.ゴールが見えない、報われない
「ここまでやったら終わり」という明確なゴールがあれば、「あと少しだから頑張ろう」ということも可能です。
しかし、子育ては終わりの見えにくい仕事なので、心もうんざりしてしまいます。
「これだけやればこれだけの見返りがある」と分かれば、今は苦しくてもその報酬を期待して努力することもできます。
でも、子育てではいつどのくらい報われるかということははっきりしていません。
そうなれば気力も失せてしまうのも当然です。
苦労の割にすぐに手に返ってくるものが少なく、「自分は何のために子供を育てているのか」と疑問を持つようになってしまいます。
トラップにはまり抜け出せない感じがして、悩みノイローゼのような状態になることも。
そうすると理不尽や不条理を感じ、周囲に対してイライラします。
特に孤立した状態では、自分のことを本当に分かってくれる存在がいないので、ネガティブな面しか考えられなくなり、ちょっとしたことで子供に当たってしまうのも納得できます。
明確な区切り、具体的な報酬がないというのはつらいものがありますね。
子育てにおいて、親が子供に対してイライラしてしまうのは決して特異なことではありません。
むしろ、普通でどの家庭でもよくあることです。
だから、「イライラしてしまう自分は異常だ、間違っている」と必要以上に自分を責めないでください。
子供のことを一生懸命に考え、より良い人生を送ってほしいと願うからこそ、子育てが思うようにいかないときに不安やストレスを感じ、精神が不安定になってイライラするものです。
イライラを感じるのは、「子供のことを真剣に思っているからこそ」とも言えます。
でも、イライラした状態で怖い顔で子供に接し、何かと言っては怒鳴って叱りつけても、大抵いいことはありません。
今回の記事でイライラの原因を知った上で、より良い親子関係を築くための、そして、自分を上手にコントロールするための役に立ててもらえればと思います。
原因が分かれば対処法も考えられますし、イライラも軽減できると思います。
何十人も子供を育てた子育てのプロはいません。
みんな悩みながらぶつかりながら、試行錯誤四苦八苦して子供を育てています。
思い通りにいかないのは当然です。
苦労ばかりです。
お互いに助け合い、みんなで頑張ればイラつきも減り、よりうまく子育てができると思います。
だから、一人で何とかしようと思わず、時には外部に助けを求めてもいいと思います。
子供のために、そして、子育てに頑張る親であるあなた自身のために。