塾長ブログ

2017.07.28

学校はブラックボックスか⁉

今日、あるニュースを見て驚くと同時に、「またか。」と思いました。

産経新聞『教員が失言「騒ぐと加害者に」・・・手紙で自殺を迫られた女子生徒の親族に謝罪 大阪・枚方の市立中学』

ニュースの内容は次の通りです。

ある中学の女子生徒が他の生徒から誹謗中傷と共に自殺するよう書かれた手紙を受け取りました。

後で差出人が男子中学生と分かり、男子生徒は口頭で謝罪しました。
ところがその時、その女子生徒は周りにいた教員に許すように強要されたとして、その謝罪を拒否。
その後、彼女の親族が再発防止策が不十分と学校に抗議。
その際、その親族が男子生徒の様子を見に行こうとしたところ、複数の教員に制止されたそうです。
その時ある教員が、「これ以上のことをすると人権侵害になる。」「加害者の立場になりますよ。」と発言したそうです。

以前、この場で触れたこともありますが、このニュースはまさに日本の公教育の隠蔽体質を表していると感じました。
詳細は分かりませんが、私にはこれ以上学校が騒ぎを大きくしないための対応だったとしか思えません。

問題が表ざたになると教員たちは責任を問われる。
だから、騒ぎにならないように生徒をなだめごまかし、何とか校外に問題が出ないようにして時間を稼ぐ。
そうして3年間を乗り切れば、生徒は自動的に出ていき、学校は関わりがなくなる。
学校は責任を問われずに済むのです。

正直話しますと、これは私が中学生の時に経験した学校の対応でした。
そして、その体質が今も変わらず学校に蔓延しているとこの記事は教えてくれました。
何とか言いくるめ生徒を黙らせる。
時には高圧的な態度でのぞみ、それでも生徒がひるまないときは成績という人質を掲げる。
そうやって無理やりにでも生徒を従わせようとする。
己の保身のために、本来学校がすべき問題解決を怠り、隠蔽することに必死になる。
そして、残された生徒は大人に失望し、信頼を失い、心に大きな傷を負うのです。

「問題が解決されていないにもかかわらず、抗議をやめるよう教員に迫られたと感じた。(女子生徒が)本当に自殺でもしない限り、学校は被害者に寄り添ってくれないのか」という女子生徒の親族の発言は、私には重く感じられます。
本当に命と引き換えないと、学校は問題に取り組めないのか。
毎年多くの若い命が失われ、それでも尚、学校を始めとする教育機関の行動は鈍い。
未来ある若者の命が失われることの重大さが分かっていないのか。
もう彼らは戻ってこない。
更に、その陰に多くの心に傷を負った若者がいることが分からないのか。

学校に問題があってもいいじゃないか。
この社会だって完璧ではない。
問題だらけだ。
人間だもの、完璧でないのは仕方ない。
でも足りないものを補おうともがき、問題を解決しようと努力する。
そうして一歩ずつ高みを目指す。
それが人間だ。

学校で解決できないのであれば、外に助けを求めてもいい。
そうして生徒が抱える問題に大人たちが一丸となって真剣に取り組む。
その姿勢を示すことが大人の責務であり、子供たちの信頼を保つ方法です。
ごまかしても子供は見抜いています。
素直に全てをさらけ出し、子供と一緒に苦しみ悩めばいいんじゃないでしょうか。
人を育てるとは楽なことではありません。
問題がないなんてありえません。
彼らの痛みを自分のものとして分かち合える、そんな大人でなければいけません。

隠しては何も解決しません。
それは子供から目をそらしているだけで、教育ではありません。
それは怠慢です。

だからこそ、私も教育に関わる者の端くれとして、いつも生徒と寄り添っていきたいのです。

 

 

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