塾長ブログ
2017.09.26
消える大学 今どきの大学事情
今年もセンター試験の出願が始まり、本格的に大学受験の季節となってきました。
最近では一般入試の他に推薦入試やAO入試など、多様な入試方法が用いられるようになりました。
今や一般入試以外で大学に合格する人は4割を超えています。
特に私立大学では、2000年以降、AO入試実施が目立ちます。
現在では国公立大学でAO入試を行っているのは70校くらいですが、私立大学では450校を超えています。
受験生は置かれている状況を踏まえ、自分に合った受験方法を選ぶようになっています。
そんな中、先日興味深い記事を見つけたのでご紹介します。
『入学した途端に「大学消滅」!? そうならないための「賢い志望校選び」とは』 (AERA dot.)
内容としては、入学しても大学が次年度からの新入生の募集を停止し、卒業後、大学がなくなることがある。
だから、なくなりそうな大学を受験の段階で見極める必要があるということです。
ベビーブームが大学を受験するときは、「受験戦争」とまで言われ、誰もが必死になって勉強し、大学の狭き門をくぐったものでした。
需要があるので、新設の大学や学部学科がどんどんできました。
しかし、少子化が進み受験生も年々減少する中、今度は供給不足となり経営が困難になる大学が出てきました。
国公立大学や私立の上位大学はまだしも、下位のみならず中堅の私立大学も学生の募集に苦労しています。
そこで目新しい学部を作って注目を集めたり、校舎を新しくしたりして、入学希望者の増加を試みました。
AO入試の実施が私立高校で増えたのも、このような事情があったからです。
それでも定員割れする大学が増えています。
大学を調べる時に「Fランク」とあるのは定員割れで、全員合格の大学です。
にもかかわらず、学生が集まらないで経営破綻に直面する大学が続出で、「大学消滅」も冗談ではないのです。
記事では2018年から学生人口の減少が本格化し、2031年までに100の大学が消滅しても不思議ではないそうです。
ところでこの記事には、そんな消滅の危険性のある大学を見極めるポイントが書いてあるので、簡単に紹介します。
1.収容定員充足率に注目。
これが低い大学は生徒が集まっていないので危険。
2.センター試験利用の志願者が40%を大きく超えている私立大学も危険。
一般入試の募集力の低下の表れでブランド力の劣化とも考えられる。
3.AO入試や推薦入試のウェイトが大きい大学は今後苦しくなる。
2020年からの入試改革により合格発表の日程が後ろにずれるので、これまでのように早期の学生確保が難しくなる。
4.専任教員比率があまりに低い大学は「アクティブラーニング」に対応しづらい。
医療系では60~70%、芸術系は20~30%が平均。
5.国立大への運営費交付金の増減推移を調査。
今後、文科省からの運営費交付金が削減される可能性がある。
6.地元の産業や企業とその将来性を研究。
大学と提携している地元企業があるかが重要なポイントとなる。