塾長ブログ

2017.11.02

「学校カースト」はこうやってできる

先日、生徒が「学校カースト」について話してくれました。
実際に現場にいる彼らの声なので、信憑性は高いをと考えられます。
外の人間には目につきにくいことで、貴重な話でした。

そもそも「学校カースト」という生徒間の上下関係は、特に決まった法則に従ってできるものではないそうです。

小学から中学に進学した、新学年になったなどの節目に、生徒は必死にグループを作り、みんなその中に入ろうとします。
なぜなら、その中に入らないと孤独になると思うからです。
こうしてクラスの、学校のほぼ全ての生徒がどれかのグループに所属するようになります。
これらのメンバーシップは大抵lineで行われます。

そして、メンバーの中で頂点に立つものが自然と生まれます。
偶然や成り行き、なんとなくみんながそう思うからという理由で、特定の生徒の発言力が強まりグループのトップになります。
決して財力や学力、身体的力で決まるものではないそうです。
むしろ、全体のなんとなくの雰囲気で決まります。
だから「学校カースト」の成立を阻止することは難しいのです。

こうなるとメンバーは、トップの気を損ねないことに尽力するようになります。
なぜなら、トップを怒らせることはグループからの報復、追放による孤立を生むからです。
トップを中心とした秩序が完成し、メンバーはトップの気持ちを忖度し(どこかで聞いたような言葉)組織が運営されます。
そして、トップの意に沿わない者、もしくは沿わないと思われる者は、グループ全体による攻撃対象になります。
これは事実ではなく憶測であっても行われるので、根も葉もない誤解や、陥れようとする謀略によっても攻撃されます。

攻撃は直接肉体的暴力ではなく、間接的な精神的ダメージを目的としたものになります。
lineを始めとするSNSは強力な武器で、巧みに使って集団による言葉の攻撃や仲間外れなどをします。
その内容は残酷です。
言葉があまりにも思慮なしに簡単に行きかうので、「死ね」などの言葉も簡単に使われ、より攻撃された生徒を傷つけます。
でも、気軽にひどい言葉を簡単に使うので、攻撃する方はそこまで深く考えてはいません。
つまり、無自覚にいじめをしているのです。

生徒を言葉で追い詰め、もしくは策略を張り巡らせ、例えば標的の生徒が「死んでやる。」と言うように仕向ける。
すると、「あ、そう。良かったね。いつ死ぬの。何時何分?」と追い打ちをかける。

いじめる側はある種のゲーム、遊びのつもりでしょう。
(この点は従来のいじめと共通しています)

いじめられた生徒を守るという正義感は、グループ内の空気が読めない野暮な奴となり攻撃の対象になりうる。
だから、保身のために自分も攻撃に加わる。
なぜなら、傍観するのも空気の読めない野暮な奴だからです。

攻撃を受けた生徒は逃げ場はなく、グループにとどまりいじめられ続けます。
なぜなら、グループから抜け孤立することによる不利益が学校生活に与える影響を非常に恐れるからです。

SNSという閉鎖された空間で行われるので、外部の者には気づかれず事態は進行していきます。
例え外部の目に触れたとしても、生徒は巧みに隠語を使うなどして分からないようにしています。
外部には無意味でも、グループ内では非常に意味を持つ隠語の攻撃力はとても高いです。

もちろん、SNS内のいじめが現実世界でのいじめとして表面化することもあります。

まとめると、生徒はまずSNSを使い自主的にグループを作り加入することで学校生活の安寧を求めます。
その中で、なんとなくの雰囲気でトップが生まれ、それを中心とした秩序が生まれます。
そして、なんとなくの雰囲気でグループの馴染まないとみなされた者は、無自覚ゆえの残酷な攻撃の的となり、精神的苦痛を与えられます。
こうして攻撃する者、される者ができ、上下関係が生まれ「学校カースト」が誕生します。

注目すべきは、「学校カースト」のトップにいても安心ができないということです。
なんとなくの雰囲気、空気でできている組織なので、なんとなくのきっかけで空気が変わるとトップも下層に落とされるそうです。
はっきりとして要因や仕組みでこうなるのではないので、誰も防ぎようはないそうです。

つまり、生徒たち自身も何でこうなってしまうのか分からないのです。
そしてコントロールもできないのです。
それは、この仕組みを支配しているのが空気だからです。

ここで述べたことは生徒の話に基づいた一例ではありますが、一考の価値はあると思います。

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