塾長ブログ
2018.01.31
新成人に対する「将来の夢」「日本の未来」についての調査結果が出ました。今の若者はどのように考えているか。葛西駅そば、個別指導塾葛西TKKアカデミーは若者が希望の持てる未来を願っています。
1月8日は成人式でした。
そこでマイクロミルという調査会社が面白い調査結果を発表していたのでご紹介します。
『新成人500名に聞く、2018年 新成人に関する定点調査』へのリンクはこちら
この調査から、今の若者の将来に対する考え方が垣間見られます。
個人的に次の3点に興味を持ちました。
1.将来の夢がある新成人は過去最低の54%
2.日本の将来は明るいと答えた新成人は2015年からほぼ横ばいの34%
3.将来就きたい職業で第2位が「分からない」の28%で、1位の「会社員」と3%の僅差
先ず、将来の夢に関して、「夢がある」が54%という数字で、高いのか低いのか検討の余地があります。
ただ、近年連続して下がっているところを見ると、やはり気になる数字ではあります。
また、日本の未来に関しても明るいと答えた新成人が最近はずっと33%前後を記録して、一向に上昇ていません。
将来就きたい職業も「分からない」がおよそ三分の一で、三位の公務員と共に、最近は増加傾向です。
一方、一位の「会社員」は減少傾向にあり、「分からない」と僅差になっています。
以上の結果から、若者が将来に関して希望が持てないのではないかと推測できます。
不安で何をしていいのか分からない。
何かしたくても、その方法が分からない。
未来よりとりあえず今、できる範囲で満足したい。
社会においても確信が持てないのに、ましてや自分の将来なんてわかるはずもない。
そんな声が聞こえてきそうです。
昨今のニュースを見ると、「ブラック企業」などネガティブなものが目につきます。
バブル崩壊後の不況の中で育った彼らには、昔のように「勉強していい大学を出れば将来が保証される」という確定路線はない。
むしろ、どんなにいい大学を出ても、ずっと職に就いていられるかすら分からない。
そんな話を聞いて、「努力が報われない」と悟っているのでしょうか。
よく生徒が「そんなのをやって意味があるのですか。」と言います。
やってすぐに良い結果が出ないとやる価値がないと判断するのでしょう。
物事には結果が出るまで時間がかかり忍耐と努力が必要なものもあります。
しかし現在はスピードを求める時代です。
社会的に待っていられないようです。
目標達成に時間がかかるのならばやらない。
これも生徒のキーワードですが、「面倒くさい。」とよく言います。
私は「面倒くさい」と言うのは「手間を掛ければできるという意味だからやれいいじゃないか。」と言います。
しかし、生徒は「面倒くさい」のは無駄だからやらないと考えるようです。
裏を返せば、「楽なことしかしない」ということです。
また、高い自尊心と自己への過小評価が同時に見られるのも特徴です。
質問しても「答えたくありません。」と言います。
「分かりません。」ではないのです。
自分が分からないと認めることはプライドが許さない、または周りに見下されるから恥をかきたくない。
答えなければ、分からないという意味でないので傷つかずに済む。
そうやって外見を繕っても、自分はできないというのを自分が一番知っている。
それでも自分は傷つきたくないし、周りから劣っていると見られたくもない。
見栄が強い…。(インスタグラムが流行るのもこのせいでしょうか)
当塾では「間違ってもいい。」「それは恥ではない。」「間違えることは勉強の機会を得ること。」「いけないのは間違いから学ばないことだ。」と指導しています。
それでも安心できるようになるのは難しいようです。
忍耐力のなさは向上心のなさにもつながります。
無理に高望みするよりは、簡単に手に入るもので満足する。
受験などを見ても、そんな傾向が感じられます。
目標校合格を目指して頑張るというより、ランクを下げ今の力で入られればどこでもいいという生徒が多いです。
安全志向と言えば聞こえはいいですが、これも臆病でナイーブと言えるでしょう。
努力して実らなかったとき、自分が傷つくのが怖い。
このような考え方は、生徒と接すると随所に見受けられます。
問題はなぜ生徒たちがそうなるのかということです。
彼らの人生の中で培われてきたものなので、はっきりとこれが原因だとは言えません。
性格や環境、経験や人間関係などいろいろあるでしょうが、一つは大人が子供たちの模範となれないことでしょう。
変化が激しく不確定要素の多い時代には、これまでの方法が通用せず、誰もが明確な答えを見出せないでいます。
純粋に良いと思ってやっても報われないことがある。
正しいことを「正しい」と示しにくい世の中。
子は親の鏡とよく言います。
大人もよく分からず、不安という恐怖の中生きています。
だから、若者が将来に夢を見出せず臆病になるのも当然かもしれません。
つまり、今回の調査結果は、荒々しい変化の渦に翻弄されていく大人たちの心境を反映したものとも言えるのではないでしょうか。