塾長ブログ

2019.04.26

先週の『ちびまる子ちゃん』が深かった。子どもに勉強を教えるときに直面する問題を捉えていました。ちょっと考えてみましょう。

毎週日曜日に放送される国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』をご存知ですか。
先週、たまたま目にしたのですが、そこには子供に勉強を教えるときに起こる問題が見られました。
とても興味深く感じましたので共有し、できれば皆さまのご意見も聞かれればと思います。

どんな内容だったかご紹介し、問題点について考えてみましょう。

『おねえちゃんついにまる子にあいそをつかす」の巻
いつものようにマンガを見て家で勉強しないまる子にお母さんは「勉強しなさい。」と言うが、まる子はまともに相手にしない。
いくら強く言っても一向にこたえないまる子にとうとうあきれ自分ではどうにもできないとお母さんは思う。
そこでお姉ちゃんに月3000円でまる子の家庭教師になってくれと頼む。
しぶしぶ引き受けたお姉ちゃんだが、いくら教えてもきちんと問題に答えられないまる子にイライラする。
自分の言うように勉強しないし、挙句の果てには反論までしてくる。
とうとう取っ組み合いのけんかになるが、ついにあいそが尽きもうまる子の家庭教師をあきらめてしまう。
ようやくお姉ちゃんの怒りを悟ったまる子だが、時すでに遅く、ご機嫌取りで自分から宿題をやろうとするがお姉ちゃんは無視。
まる子が分からないと質問に来ても相手にしなくなってしまう。

以上が内容です。

勉強を教えてもなかなか自分の思うように子供ができず、イライラして怒鳴ってしまう。
「どうしてできないの。」なんて大声を上げた経験はありませんか。
まさにそのような状況が描かれていたのですが、どのようにお感じになりましたか。

分かりやすいように、興味深い一場面があったので取り上げて考えてみましょう。

それはまる子が社会の問題を解いているときでした。
商店街の人は何をするのかという選択問題だったのですが、まる子は「木を植える」をえらびました。
お姉ちゃんは、それは林業の人で商店街の人は木を植えないと言い、まる子に無理やり別の答えを選ばせます。
まる子はそんなことはない、商店街の佐々木のじいさんは木を植えていると主張。
お姉ちゃんは佐々木のじいさんなんかどうでもいい、商店街の人は木を植えないことになっているから選んじゃいけないと言います。
まる子は意地になり、佐々木のじいさんの名誉のためにも断固譲りません。
とうとうお姉ちゃんは根負けし、まる子の家庭教師をやめてしまいます。
まる子は自分の考えがお姉ちゃんを打ち負かしたと有頂天になりますが、すぐにお姉ちゃんとの関係が決まづいものになったことに気づき、自分は何のために意地を張っていたのだろうと考えます。

この場面、多くの方は勉強を教えるときお姉ちゃんの立場でしょう。
答えがそう書いてあるのだからそう答えなければならない。
確かにまる子の答えではテストで点数はもらえません。
でも、まる子の言っていることも間違ってはいません。
彼女の主張もちゃんと筋が通っています。

こんなことは勉強を教えているとよくあることです。
本人は納得しないから受け入れられない。
しかし、強引に教科書や問題集の答えを押し付けてしまえば色々無理が生じます。
場合によっては自信を無くし、勉強に対する面白味や気力を失ってしまうかもしれません。

実はこれから学校教育は考える力の育成を目指しています。
そんな時、ただ言われた通りする子供より悩み苦しみぶつかりながら答えを見つける子供の方がこの力は育ちます。
成長の芽を摘まないためにも、例え教科書と違った答えでも押し付けるのではなく、きちんと説明し受け入れさせることが大切です。
多くの場合、この説明がうまくできず、時間がかかるのでつい押し付けてしまいますが、教育に手間を惜しんではいけません。
寄り道が多いほど学びも多いのです。
(そういう点でいえば、現在の便利な世の中は学ぶ子供には不幸かもしれません)

では、具体的にどうすればいいのでしょうか。
先ずは相手を認め、その立場に立つということです。
そうすると何が問題か明確に見えてきます。
否定と拒絶は多くの可能性をなくしてしまいます。
それから、下手な大人のプライドを捨てましょう。
大人だから全て正しい、間違ってはいけないからうまくできないときは問答無用で言うことを聞かせる。
そんな必要は全くありません。
大人だってできなくてもいいし、間違うこともある。
それを素直に受け入れれば、子供との付き合い方も変わります。
分からない、間違ったなら一緒に学べばいいのです。
一緒に調べ考える。
そうして共に成長すればいいのです。
新しいものが次から次に生まれ、アップデートしないとすぐに時代遅れになってしまう現代には必要な姿勢だと考えます。
更にこれは子供との経験の共有につながり、親子のつながりを深めるきっかけにもなるのでいいと思います。
また子供を認めることは自己肯定感も育てるので、より勉強に身が入り実力を伸ばす大きな力となります。

たまたま「ちびまる子ちゃん」を見て面白そうなので書いてみました。
間違えを連発する子供は、実は深い考えの持ち主かもしれません。
何も考えずに言われた通りするだけよりも価値のあることだと思います。
先ほど触れたように、葛西TKKアカデミーでは先ず本人を認め受け入れることから考えます。
上手く教えられないときは相手の立場に立って、何を考え何が原因なのかを見極めます。
否定され訳も分からないまま押し付けられてもつまらないし、特に思春期の子供は反発するだけです。
大事なのは自分と同じ方を向いてくれていると安心させることです。
教育はなかなか難しいですが、子供たちが少しでも楽しく学べるように頑張りたいと思います。

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