塾長ブログ

2019.10.22

書籍紹介 『こども六法』。法は社会で学びますが、子供たちにより分かりやすく、そしてより深く学ぶのに最適!更にこの本には秘められた願いが。

本日ご紹介する書籍は山崎聡一郎著、『こども六法』(弘文堂)です。
法律関連の本としては異例の大ヒットを記録しています。

『こども六法』へのリンクはこちら

法は中学の社会で勉強しますが、憲法の基本的な仕組み、代表的な条文、後、いくつかの法律の名前と簡単な内容だけです。
せっかく法に興味を持ち自分で読んでより深く学びたいと思っても、生徒たちには分かりにくい文言の集まりになっています。
その要因となっているのが、その独特な言い回しと用語。
およそに日常では使わない言葉ばかり。
一から専門用語をきちんと学び理解し、小難しい表現を正確に読み取らないといけません。
法は扱う内容が込み入って、しかも、いくつかの法がお互いに関連して成り立っているのに、これらの要因が更に難しい印象を与え、生徒たちが手を付けにくくなっています。
一度読んでもすぐに頭に入ってこないから敬遠してしまう。
こうやってせっかく興味を持っても、法は一般的には理解できない、専門家だけのものという考えに至り、私たちの周りで常に関わりがあるのに自分には触れられないものとなってしまっています。

この『こども六法』は小中学生でも読め理解できるようにという立場で書かれた本です。
専門家だけでなく読者となる子供たちにも意見を求め、内容に工夫を凝らしています。
難しい漢字には仮名がふられ、法律用語には解説がついて、イラストも使って分かりやすく書かれています。
「被告人と被告はどう違うの?」などという学校で勉強してふと思った疑問など基本的なことから解説してくれて、法も第一条から順番に解説するのではなく、刑罰の種類に関する条文などをトピックごとにまとめています。
こうして条文同士の関連が分かるようになっています。

注目すべきは、一般の六法全書が憲法から書いてあるのに対して、この本は刑法から書いてあるということ。
これは本書の目的が「いじめ、虐待に悩んでいる子供を、法律の力でなくす」ことだからです。
子どもに法律を知ってもらい、大人に悩みを伝え解決してもらうことだからです。
こうして身近な問題を解決するために活用し、そこから同時に他の法律についても理解してほしいと願っています。
こうして法を身に付けた子供たちは自分を守る力を持つだろうし、このことが大人などの理不尽な暴力に対する抑止力、いじめなどを隠蔽しようとする大人のことなかれ主義を封じる手立てにもなるとこの本では考えられています。
もちろんこれだけで完璧に問題を解決できるとは思いませんが、一つの大きな力になることは間違いないでしょう。

このように子供でも分かるように書かれた本書は、子供に限ったものではありません。
いじめにあった子供を持つ保護者や先生、裁判員にあればれた人、知人ともめごとになった大人たちなど、日頃から法は分かりにくくとっつきにくいと感じている人やもっと分かりたいけどどうしていいか分からないという人にもお勧めです。

これをきっかけに親子で法律や社会のルールについて話し合うのもいいのではないでしょうか。

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