塾長ブログ

2020.10.15

いよいよ来年から始まる『共通テスト』。その出願者数が発表されました。約1万5,000人。今年行われたセンター試験より1万6,000人減!この背景には何があるのでしょうか。

いよいよ来年から始まる『共通テスト』。その出願者数が発表されました。約1万5,000人。今年行われたセンター試験より1万6,000人減!この背景には何があるのでしょうか。

いよいよ『共通テスト』が実施されます。
そして、その出願はすでに締め切られました。
ニュースによると来年に実施される『共通テスト』の出願者が10月8日現在で51万4651人で、これは去年のセンター試験出願者より1万6266人少ないそうです。

共通テストに関しては紆余曲折あり、最終的には当初考えられたものとはかなり違うものになりそうです。
共通テストの大きな目玉であった英語の民間試験の利用、国語や数学などで記述式問題の導入が見送りとなり、e-ポートフォリオも結局なくなり、結局センター試験といかほど違うのかという感じになってしまいました。

『共通テスト』を見込んで、既にセンター試験でも知識だけでなく思考力を問う問題が最近は増えていました。
センター試験も創意工夫され良問が増えてきたと評価されていたところで、わざわざ廃止し新テストにする意味があるのか、大きく様変わりすると言っていたのに、ふたを開ければセンター試験からの変更点は全てなくなり、ますます変える意義が見いだせなくなりました。

入試改革と言いつつ現場を無視した改革は学校、生徒、保護者など多くの人々に受け入れられず、適切な説明も対策も提示できないまま時間だけが過ぎていくという事態になり、実際に直接試験に関わる多くの人々を混乱に陥れただけのようにも思えます。

これまでも大学入試制度の変更はありました。
でも、そこには2年前ルールという暗黙のルールが存在していました。
共通一次からセンター試験に代わる時も2年前には明確に入試制度を提示していました。

しかし、今回は今年になってもどのように民間試験を活用し『共通テスト』に反映させるのか、新制度導入によって生じる不公平に対する疑問などに明確に答えられないまま、当事者である受験生やその親、学校もどうすればいいのか分からないという混乱を起こしていました。
このような不備の多いままの制度でありながら、2021年からという期限だけは頑なに固執し、実施年を延期するという選択肢は文科省には備わってなかったらしく、結局、公平性や正当性を十分に確保できないまま時間ばかり迫ってくる。
最終的には名称が変わっただけで中身はセンター試験とさほど変わらず、生徒や保護者を不安にさせただけ。

この期限へのこだわりは2020年の東京オリンピックによるもので、この年を機に教育制度の大改革を実施するということのようですが、肝心の東京オリンピックは新型コロナウイルスの影響で延期となり、この柔軟性のない『共通テスト』の強行の根拠も弱まりました。
しかし、来年の実施は変わりません。

新制度への変更に対する生徒や保護者、学校関係者の不安をぬぐえないだけでなく、今年の新型コロナウイルスの流行が生徒の入試に対する不安を増したのは間違いありません。
特に高校三年生は受験勉強の大事な時期に学校が休校になり、授業がまともに進みませんでした。
多くの私立高校はオンライン授業などで対応し、勉強が滞ることを回避できたのに対し、ほとんどの公立高校ではそれができませんでした。
両者の間に起きた勉強格差は大きな不公平感もたらし、制度変更に伴う不安に加えてのこの不運のダブルパンチから受験に対する絶望感を覚えた生徒も決して少なくなく、「もう受験は諦めた。」という人もいました。

また、新型コロナウイルスは受験生の家計をも苦しめ、多額の費用が掛かる受験およびその後の進学をためらわせる要因になったと考えるのは想像に難くありません。
「自分は運が悪かったのだ。」と進学をやめてしまう。
せっかく大学で学びたいと希望に燃えていた生徒が制度やコロナウイルスなど、勉強そのもの以外のことで煩わされ、挙句の果てに受験そのものをあきらめてしまわないといけない。
これが現実に起こっていることに、私は非常に怒りを感じます。
生徒が勉強したい意思を持っているなら、それを尊重し実現できるようにしてあげるのが、健全な社会であり学ぶ権利の保障であると思います。
一部の大人の利権などで生徒の勉強が損なわれることがあってはなりません。

これからまた冬にかけて新型コロナウイルスの再流行があるかもしれません。
その時は大学入試そのものはどのようになるのか、明確な政府の回答はまだ出ていません。
コロナウイルスの感染を防ぐために「3密」をどのように回避しつつ公正な試験を実行できるのかという現実的な問題も残っています。
本当に適正な大学入試はできるのでしょうか。
何もかも不明瞭で、せっかく生徒が頑張っても自分の結果が正当に評価されるのか。
くれぐれも「不運」で済まさないでほしいと思います。

生徒に学びたいという意思があるのであれば学ばせてあげたい。
それが葛西TKKアカデミーのモットーです。
だから、経済的に不安のある家庭ならば、その事情を考慮し授業料を引き下げたりもしています。
経営的には本当に厳しいのですが、お金のために生徒の勉強への熱意を無にしたくはないからです。
本気で生徒のことを考えるなら、己が苦しくてもこのくらいのことはして当然と考えます。

今回の入試制度改革と新型コロナウイルスに対する政府の対応は非常に稚拙で、真剣に生徒のことを教えているのかと疑問に思います。
『共通テスト』への出願者の減少はこのことを如実に表していると思います。
進学をあきらめざるを得ない生徒が出ている問題を真剣に捉え、人の人生を左右する責任を感じ、彼らのための教育をしっかり考えてほしいと思います。

もちろん葛西TKKアカデミーはこれまで通り、可能な限り生徒を支えていきたいと考えています。

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