塾長ブログ

2020.11.08

生徒が勉強できないのは脳内のワーキングメモリー不足かも。勉強以外のことにメモリーを使い過ぎていませんか。

生徒が勉強できないのは脳内のワーキングメモリー不足かも。勉強以外のことにメモリーを使い過ぎていませんか。

勉強が苦手な生徒たちにはある程度共通した特徴があります。
集中力が続かなかったり、覚えたことをすぐに忘れたり。
では、なぜ現況ができない生徒はこのような特徴を共有しているのでしょうか。
今回はメモリーという観点から考えてみたいと思います。

パソコンなどが情報処理を行う時、メモリーを使って一つずつ情報を処理していきます。
パソコンは情報処理速度が人間よりものすごく早いので、ものすごく高度なことをしているのかと思いますが、実は単純なコマンド操作の繰り返しをやっているだけで、やっていること自体はさほど複雑なことはありません。
単にスピードが速いから人間では不可能な情報処理も直ちに行えるのです。
このときパソコンは与えられた情報そのものを処理するために使うメモリーもありますが、パソコン自体を作動させるために使うメモリーもある訳です。
これをワーキングメモリーと言いますが、パソコン自体の総メモリー量は最初から決められているので、メモリーがその処理できる限界を超える量の情報を与えてしまうと、情報処理そのものが遅くなったり、フリーズしたりします。
パソコンそのものの容量を増やすのも大事ですが、いかにワーキングメモリーを減らし、その分を与えられた情報処理に当てられるかも非常に大事です。

実は脳の活動もパソコンと同じように一度に処理できる情報量には限界があります。
勉強ができる生徒は、決められた時間内において、脳の情報処理活動の多くを勉強に当てることができます。
しかし、勉強ができない生徒は勉強をするとき、勉強以外のことに脳のメモリーを使ってしまうのです。
勉強以外のこと(たまたま目に入ってきたゴミや屋外のかすかな音、他人が今何をしているのかなど)に気がいって、そこに自分のメモリーを使ってしまうのです。
結果、勉強するためのメモリーが減り、勉強がはかどらず、その割には非常な疲労感があります。
勉強できない生徒は脳を使わないから勉強できないのではなく、勉強以外のことに脳を使い過ぎているから勉強ができないのかもしれません。
だから、一つのことに集中できず、すぐに疲れ、覚えようにも勉強や記憶に当てるメモリーが不足しているので、それができないのです。

私の知っている生徒にもすぐに、「勉強嫌だ、やりたくない」と言ってシャーペンをいじり始めたり、こちらが話しているのに他の方向を向いてそちらの方をずっと見ていたりと、勉強の方に向き合えない生徒がいます。
やはり、成績はよくありませんし、今やったことをもう一度聞き返すと全く覚えていなかったりします。
こちらとしては全身全霊をかけて説明し、分かりやすく教えているのですが、それが何にもなっていないことに無力感さえ覚えます。
嫌だ嫌だと言っても何にもならないのだし、勉強から逃げようとしてもやらないわけにはいかないのだから、腹をくくって勉強に集中してくれれば、嫌いな勉強の時間もグッと減るし、理解も進み成績も上がり、それが励みになればまた短期集中で勉強に取り組める。
こんな好循環を期待するし、分かってほしいのですが、なかなかそうもいかず、時間だけがダラダラと過ぎ、本人も苦痛の時間が増える。
でもそれを理解し心を入れ替えるのはことのほか難しいようです。

なぜそのようにするのかという話はまた別の機会にしますが、これらの行為は自分で自分の勉強に当てるべきメモリーを減らし、勉強に対する情報処理能力を低下させているだけなのです。
オリンピック選手などは競技の練習に何時間も費やしますが、意外と学校の成績も悪くない人が多いです。
彼らは一つのことに集中することに長けているので、勉強でもやはりその力を発揮し、効率よく脳内のメモリーを活用し、学習における情報処理を効率よく行うので、他の人より短い時間でも人並み以上に勉強を身に付けることができるという結論に達するのです。

スポーツ選手ほどでないにしても、勉強に集中し短い時間で一気に終わらせた方がいいのですが、分かっていても生徒にとってそれは難しいようです。
結果、ダラダラと勉強が続き苦痛が長引き、それでまた勉強が嫌になるという悪循環が生じています。
先ずは、こうならないように幼少のころから事前に手を打つ。
もしもうすでになってしまっているのなら、嫌々の中でもいかにして勉強に向かわせるかという工夫が必要になります。
勉強嫌いの原因と対策については日を改めて考えたいと思まいす。

今回のポイントは人間の脳が持つ限られた情報処理能力をどのように配分するかということです。
勉強が苦手な生徒は、勉強に情報処理にメモリーを使う前に、他のことで使ってしまうので勉強が非効率で身に付かないということです。
勉強がなかなか身に付かない生徒にはこの可能性も考慮に入れて対処しましょう。

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