塾長ブログ
2020.11.13
ゲームがやめられない。コロナの休校中に急増!禁止にすればいい!?ゲームとどのように付き合うべきでしょうか。
コロナウイルスにより学校が休校になったとき、生徒たちは学校にも行かず、感染防止のため外出も制限され、家で過ごすしかありませんでした。
勉強したり何か創造的な活動をしてくれればいいのですが、ほとんどの生徒はゲームをしたり、動画を見たり、友達とSNSをしたりして過ごしていたようです。
学校がないということで、早起きする理由付けもなく、夜更かしもできるということで、深夜を過ぎてもひたすら上記のようなことをして、気づけば朝になっていたなんてことも多いみたいです。
結果、生活のリズムを壊し、学校が再開した時、もとに戻すのに苦労した、最悪、戻らなくなってしまったという生徒も少なくありません。
このような経緯で、このコロナウイルスによる休校期間中にゲームにふけり、ゲームが離せなくなってしまった生徒が大変増えています。
ゲームの中には最後まで到達するのに莫大な時間がかかるもの、オンラインで世界中の対戦相手がいるものなどがあり、どこでゲームを中断するか非常に難しい仕組みとなっているものが沢山あります。
明確な終わりがない、終わっても簡単に繰り返せるということから、どこで終了するかは自分次第なのですが、まだ分別が十分にできない彼ら(大人でさえ難しい人はたくさんいます)は歯止めがきかなくなりがちです。
それに加えて今回の一斉休校は、普段以上にその歯止めを難しくし、結果的に一日中ゲームから離れなくなる習慣、体質を作り上げてしまうのです。
実はこのようなゲームに対する依存は世界中の子供たちの間で起こっており、WHOはとうとう「ゲーム障害」という国際疾病として正式に認定するほどです。
では、子供とゲームの関わり方はどのようにすればいいのでしょうか。
今のようなゲーム機が普及したのは最近のことであり、親御さんによっては自分が子供のときはなかった、自分の親も子供のゲームに関してどう対応していいか分からなかった、という人もいるでしょう。
携帯などもそうですが、現在は様々なものの変化が激しく、誰も経験したことのないもの、先輩たちの経験が役に立たないものに対応しなくてはいけません。
こういう手探りの中での子育てと言うのが、現代の問題の一つでもあり、ゲーム機の問題も決定的な解決方法のないまま対処しなくてはならないので厄介です。
一番いい解決法はゲーム機を与えないことです。
とは言え、今の世の中それは難しいことでしょう。
友達が持っているから、子供が欲しがっているから、実は親がしたいから、子供にゲーム機を与えておけばその間子供を見なくて済み、自分の時間ができるから。
ゲームをやっていないと友達と話が合わないし、一緒に遊べない。
理由は様々ですが、[[red;よほど強い覚悟がない限り、今の世の中、与えないという選択肢は無理なのかもしれません。
]]
では、与えてしまったとして、どのようにすればいいのでしょうか。
ゲーム機も道具、使い方次第で薬にも毒にもなります。
つまり適切なゲームとの付き合い方は何かということです。
勉強との関わりで最も問題になることは、ゲームがやめられずゲームの時間が増え、その分勉強の時間が削られるということでしょう。
そうなれば当然勉強が分からなくなり、成績も下がります。
もっと問題なのは睡眠時間や食事時間も削られたり不規則になり、結果として健康状態を悪くすることです。
だからと言って無理やり禁止、ゲームを取り上げるなどと言う暴挙に出れば、今度は子どもの精神状態に影響を及ぼすかもしれません。
一番いいのは子どもも納得した上でゲームとの付き合い方を決めることです。
すなわちどうやってルールを作るかということです。
そのルールは親子の話し合いによってお互いに納得のいく合意でないといけません。
そうでなければ不満を募らせ子供はストレスをためるだろうし、ルールを破ってこっそりとゲームをすることでしょう。
親からの押し付けはいけません。
お互いに話し合い理由や根拠を明確にしつつルールを決めていきます。
ゲームをすることがいけないのか、どの程度ならやってもいいのか、ゲームをするとどんなことが起こるのか、子供に問題点を上げさせ、それらを解決するにはどうすればいいか考えさせましょう(当然ゲームのよい点も話し合わないとフェアじゃありません)。
そして、ルールを決めさせます。
親は口出ししすぎず、考える時間を与え、必要ならアドバイスをしたり、ガイドをして子供を導く役目に徹してください。
決して親が決めてはいけません。
ルールが決まったら、そのルールを紙に書いて本人と家族が共有できるようにしましょう。
目につくところにルールがあれば、お互いに今ゲームをしていいのか悪いのか分かるので、下手に勉強しなさいと言って、「今しようと思っていたのに。」なんて言われることもなくなります。
また、自分で決めたルールだから自分に責任があることも子供は分かるでしょう。
こうして、ルールが守られているか見守り、自分から適切なゲームとの付き合い方ができるようにすることが大事です。
仮にルールが守られなかった場合、指摘するのはいいのですが罰を与えるのはあまりいい方法とは思いません。
子供の心に傷をつけるかもしれませんし、そもそも親子の人間関係が壊れてしまうかもしれません。
関わりがなくなってしまえば、子供を正しい道に導くこともできません。
また、逆に余計ルールを守ろうとしなくなり、隠れてやるかもしれません。
こうなれば意味がありません。
守れなかったときは、守れないという事実をお互いに確認し、先ずどうして守れなかったのか、子供の言い分を聞きましょう。
そして、理由をきちんと理解した上で、ルールを守れるようにするにはどうすればいいか、このルールのままでいいのか話し合いましょう。
肝心なのは問題に一緒に向き合い真剣に子供のために考えているという姿勢を見せることです。
それから、ルールを守ったときはきちんと褒めてあげるのも忘れないでください。
実は褒めるというのは子育てでとても重要で、多くの場合、褒めるということが十分に行われていないので注意してください。
ゲームの問題はとても難しい問題です。
でも、子供と一緒になって親も悩み解決方法を話し合うということが大切です。
解決できないかもしれない、でもその時はまた話し合ってより良い方法を見つければいい。
上手くいけば一緒に喜んであげてください。
そうすれば、子供も頼りになるなと親を見直し、より良好な親子関係が築けるかもしれません。
そして、この親子のつながりがゲーム以外のこれから子供たちが人生において直面する様々な問題を乗り越える大きな鍵になります。
ゲームの問題は難しいですが、一緒に取り組むことでゲームとの正しい関わりができ、更により素晴らしい関係が親子で結ばれるチャンスになればと願います。