塾長ブログ
2020.12.09
図表問題を解けるようになろう。教育改革に伴いこれからは与えられた資料から情報を読み取り、その意味を考える問題が増えていきます。そんなときも臆することなく答えられるようになりましょう。
教育改革により、これまでのような暗記中心の教育が見直され、これまで学んだことを使って自分で問題を分析し、自分で解答を考えなければならない問題がテストでもたくさん出されるようになります。
生徒の中には、表や図を見て何を示しているのか理解できず、または図表があるというだけで挑戦しようともせず投げ出してしまう人がいます。
しかし、文科省の方針に従えば今後、図や表、グラフなどを利用した問題は数学や理科だけでなく様々な教科で導入されることは明白です。
よって、これらを苦手とする生徒はテストや試験では非常に不利になることが見込まれます。
では、これらの問題にどのように取り組めばいいのでしょうか。
1.先ずは問題をよく読む
何に答えるか。
これは全ての問題に共通していますが、正しく答えるためには、先ずは正確に問題を読み取り、出題者の要求する者が何かを把握しなくてはいけません。
例え図や表をきちんと読み取れても、問題の意図を読み違えて求められていない解答をすればバツになります。
基本的に問題の前半は条件、後半は何を答えてほしいのかが書いてあります。
従って、問題の条件部分から自分が何に注目して図表を見ないといけないか理解し、そこから図表の何を捉えなければならないか、後半部分から考えます。
例えば、「グラブの2000年と2010年を比較し」とあればこの二つのグラフのみに注目し、他の年は見てはいけません。
更に、「石油の輸入が全体で何パーセント減りましたか」と書かれてあれば、輸入量ではなく全体に対する割合を出して答えないといけないということです。
しかも、「パーセント」でないといけません。
2.グラフや表そのものを見る前に、その周りを見る
図や表を見て考えなければいけないのですが、その前にそれらの周囲に書かれているものを見ましょう。
タイトルには何の話題についてのものか、何を示そうとして書かれたものかが書いてあります。
数量の単位や何が図表内に示されているか正確に分かっていないといけません。
縦軸、横軸が何を示しているかも大切です。
このように図表そのものが何を表しているかを理解しましょう。
3.グラフや表の特徴を知りましょう。
いろいろな図や表がありますが、それぞれに特徴があり、何を示すのに適しているかが違います。
例えば、時間的変化を表すなら折れ線グラフや棒グラフが適していますし、全体に対する割合を見たいなら帯グラフや円グラフが適しています。
二つの要素による組み合わせの結果を見たいなら二項対立の表が分かりやすいです。
また、地図もたくさん種類がありますが、距離や面積、方角など何が正確で何が不正確かが違います(実物である地球は空間上の球体で、これを平面で表すには必ずゆがみが生じ、何かを犠牲にしないといけません)。
何が正確に描かれているかが分かれば、不正確なものからは解答は出ないので、問題を解くヒントになります。
このように図表の特徴を理解していれば、問題がこれらを使って何を示し何を要求しようとしているのか分かります。
そうすれば問題に対して的確に答えることができます。
4.図表が示している特徴や変化を読み取る。
基本的に問題は図表から読み取れる特徴や変化を問うものが多いです。
最も多いものは何か、最も少ないものは何か。
時間が経つにつれ増えているのか減っているのか。
あるものが多い地域は他のものも多い。
あるものの増減は他のものの増減と一致している、または逆になっている。
このような特徴や変化、関連性を見つけましょう。
そんなに複雑に考える必要はありません。
問題に要求されているものが一つ分かればいいのです。
5.必要であれば図表内の要素同士、またはこれまで学んで得た知識から関連性を考える。
図表の読み取りだけを目的としている問題であれば4までで十分ですが、中には図表から分かることに基づきその関連性や因果関係を考えさせる問題もあります。
予備知識がなくても問題ないの図表の特徴から推測できるものもありますが、問題内に書かれていない、これまで自分が学んできた知識を使って考えさせるものもあります。
問題内の情報から推測可能な問題は是非チャレンジしてほしいです。
なぜなら、学校で習ってなくても、たくさんの知識がなくても、図表の読み取りができれば解ける問題だからです。
また、学習で得た知識を必要とする問題も、その問題の意図が理解できれば、「ああ、学校で習ったこのことを答えさせたいのだな。」と分かるので、その知識を図表と関連付けすれば簡単に答えられます。
例えば、「時代が経過するにつれて日本の産業は第一次産業から第二次、第三次産業へ移行していく」ということを学んで知っていて、問題内のグラフで産業構造の変化が示されていれば、「グラフから分かることとして、あれを答えればいいのだな」と分かります。
ただ、稀に予備知識と異なる事実を示す図表をわざと出して、それに気づけるかを問う問題もありますので、注意してください。
答える時はあくまでも図表に基づいて答えるのが基本です。
図表を使った問題はこれからどんどん増えていくことが予想されます。
文科相がそのように示しているからです。
でも、コツさえ分かっていれば意外と答えるのは簡単です。
図表から分かる単純な情報の一つを読み取る問題が多いので、図表を見ただけで最初から難しそうとあきらめるのは止めましょう。
慣れないうちは大変ですが、それは何でも同じです。
方法を理解し練習するだけです。
練習としてはテレビや新聞、ネットにあるニュースを利用することをお勧めします。
その時々で実際に話題になっていることの図表なのでより身近で理解もしやすいからです。
そして、親子でその話題について話し合い、どうしてそうなるのか一緒に考えれば、図表の問題を解く練習になるだけでなく、話題に関する知識も深まり一石二鳥です。
更に、親子の会話も生まれ、家庭内の人間関係も良好になっていくでしょう。
また、議論の中から自分の意見を確立することもこれからの教育で求められ重要になっていきますので、これを機に、何を根拠にどうして自分はそう考えるか、相手はそう考えるのかということを理解できるように訓練するのもいいと思います。
もちろん、うちで指導するのは難しいというご家庭は葛西TKKアカデミーまでご連絡ください。
こちらで親切丁寧に指導してまいります。