塾長ブログ

2021.02.03

初めての共通テストを振り返ってみましょう。(その一)

初めての共通テストを振り返ってみましょう。(その一)

制度変更とコロナウイルスの混乱の中、共通テストが先日行われました。
いくつかのトラブルはあったようですが、共通テストで感染したなどの報告はなく、試験自体は終了しました。
現在は第二日程が行われています。
とは言え、初めての共通テストがどのようなものであったか振り返ってみることは重要であり、この場を借りて個人的に考えてみます。

知識よりもそれらを使って答えを導き出せる思考力を重視するとい文科省の方針で、大学受験だけでなく小学校から高校までの全ての教育が大幅にかわろうとしている今の学校教育の、最終評価を下すべき存在と言っても過言ではない共通テストですが、果たして入試と言う問題に対して適切に実施できたのでしょうか。

先ず全体的な傾向としてですが、どの教科も問題に添えてある資料が格段に多くなっています。
これは近年のセンター試験でも徐々に共通テストへの移行を見越して行われていたことですが、今回初めての共通テストとして、この傾向が顕著に出されたと思います。
表やグラフが理科や数学だけでなく他の文系教科にも出てきたり、理系教科でも日常の場面の状況の読み込みが行われたりと、学校で身に付けた知識の有無以前に、資料を正確に読み解く力が要求される形になっていました。

よく言えば知識がなくても資料からの類推で解ける可能性もあるのですが、逆に言えばせっかく苦労して知識を身に付けても、資料の読み取りがうまくできなければ知識の活用以前に問題が解けないともいえるでしょう。
確かに文科省の方針に即した問題ともいえますが、結局共通テストは何のためのテストなのかと言う疑問も生まれます
センター試験では確かに知識を問う問題が多いですが、それはこれまでの学校教育て培った基礎力を測るためで、資料の読み取りや自分の持っている知識を活用した思考力は各大学での本試験で測っていました。
つまり、入試の2次試験で行うような高度なテストを第一段階の共通テストで行う必要があるのかという気がします。
文科用は共通テストを高度化して、文科省の実施する試験の箔をつけたりのかもしれませんが、テストの住み分けと有効性を考えるなら、これまで通り一次試験は基礎学力に特化した方があらゆるレベルの生徒に可能性を開くことになるのではないかと感じます。
(それでも近年のセンター試験は創意工夫を凝らし非常に良問が多かっただけに、新しい共通テストがセンター試験を廃止してまでやる価値があったのか疑問です。出題形式に関してもこれまでいろいろとトラブルがありましたし。)

話を戻して、共通テストで多くの資料が使われることに関してですが、それ自体は良いとしても、もう少し問題の作り方に受験生への配慮があってもよかったのではないでしょうか。
本当に資料が多く、それに伴い問題用紙のページはかなり多くなっています。
配布されたときの受験生の心理を考えるなら、その分厚さに圧倒され、そのプレッシャーで実力が発揮できないのではないかと思いました。
試験である以上、純粋に個々のこれまでの努力の成果が現れるようにすべきで、それ以外の要素で結果が左右されることはできる限り避けるべきです。
その意味ではもう少しテストの形式を改善した方がいいと思います。
例えば資料と問題を分けるとか。
資料を読んで問題を見て、その都度また資料を行ったり来たりと言うのは非常に時間のロスです。
問題と資料を同時に見られるようにするとか、問題冊子を書く大問ごとに分割するなどの工夫が必要と考えます。
小分けにして、見た目の量に圧倒されることにないようは配慮があってもいいのではないでしょうか。
(それに屈しない精神力もテストのうちと言われるとそうかもしれないですが。)

もうすでに長くなってしまいました。
共通テストに関しては、まだまだ言いたいことがありますので引き続き触れていきたいと思います。

まだ、これから私立大学や国公立大学の本試験が待っています。
今年はコロナ禍で試験に関して変更がある大学が沢山あります。
時間や会場、試験方法まで。
常に大学のホームページをチェックして、試験に関する変更を把握するようにしてください。
些細なことで失敗しないように注意しましょう。
例年なら、受験生がこれほど苦労することはないのですが、本当に今年は特別です。
受験生の皆さんが全ての力を出し切り、悔いのない入試ができるように願っています。

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