塾長ブログ

2021.02.07

ひどすぎます。共通テスト終了後に、大学の合否判定を共通テストの結果のみで判断と発表。許しがたい。

ひどすぎます。共通テスト終了後に、大学の合否判定を共通テストの結果のみで判断と発表。許しがたい。

今年の受験生はことごとく受難続きのようです。
ご存知のように、コロナウイルスの感染を恐れた大学が入試に関していろいろと変更を行っていますが、その最たるものが先日発表されました。

ニュースによると、信州大を始め130以上の大学が入試方法を変更しています。
日程や時間、面接を中止する、掲示板による合格発表をしないなど、コロナウイルスによる感染を防ぐための対策として変更を決めました。

募集要項の発表後の変更は異例で、それだけでも極限状態にある受験生の不安を高め、まともな準備と受験はできません。
しかし、今回発表されたのは更に問題です。
それは大学入試における個別試験を中止し、共通テストの結果のみで合否を判断するというものでした。
受験生としては寝耳に水でしょう。

受験生はそれぞれに志望校合格に向けて様々な作戦と準備をしています。
はっきりどうなるかよく分からない共通テストはとりあえずそれなりの点数と取っておいて、本番の各大学における本試験にかけると計画していた受験生もいます。
初めての共通テストで思い通り力が発揮できず、挽回するために共通テスト直後から個別試験に向けて全力で取り組んだ受験生もいます。
中には、共通テストの前にすでに本試験に向けた勉強を開始していた受験生もいます。
それぞれが自分たちの状況を考え、なんとか合格できるように必死で頑張っているのに、今回の発表はそれらを無にする行為です。
彼らのそうでなくても入試制度の変更に伴う困難の中、合格を目指して全身全霊で勉強に励んでいるのに、この仕打ちはひどすぎます。
許しがたいです。

もう共通テストは終わっているのです。
彼らはいくら努力しても、もう、共通テストの結果は変わらないのです。
なのに、後出しじゃんけんみたいに後から変更を告げる。
もう、彼らにできることは何もありません。
これから本番、逆転を目指していた受験生は、自分の落ち度でもないのに、気づいたら手遅れにさせられたのです。
受験生はこの現実を受け入れるしかないのでしょうか。

大学側は緊急事態宣言が終わらず、受験生の安全を考えたとき、変更せざるを得ないという苦渋の決断と言っています。
「苦渋の決断」?
本当でしょうか。
こうすれば自分も苦しんだから許してくださいと言い訳しているように聞こえます。
自分の学校から感染が出たときの責任を取らないための、大学本位の決定ではありませんか。
それは入試におけるステークスホルダーである受験生の事前説明、意見聞き取りを行っていないことからも、受験生を無視した決定と考えます。

「早急に決断しなければならなかった」?
コロナウイルスの危険性が受験シーズンである冬に高まることは随分前から指摘されており、危機管理という点でいうならば、あらゆる最悪の状況を見越して対策をしなければなりません。
果たして文科省も含め、大学側はきちんと対策を考えていたのでしょうか。

また、同じ緊急事態宣言下で共通テストが行われたのに、どうして大学の本試験が実施できないかも疑問です。
これら二つのテストにおける状況の違いは何で、その違いによってどうして今回の試験は中止せざると得なくなったのか、明確で誰もが納得できる説明を求めたいです。
入試というものが受験生にとってどれだけ重大な問題で、それを行うことに対する責任を十分に自覚しているとは思えません。
彼らがこの結果を受け入れられるよう、大学側のきちんとした責任ある行動を期待します。

今年から入試制度の変更が決まってはいたのですが、具体的な詳細がなかなか決まらず、受験生は明確に何をしていいのか分からないまま受験勉強をしていました。
当初言われていた共通テストの記述式問題、民間試験活用、調査書の活用の中止が決まったのが、一年前。
あまりにも直前過ぎます。
受験生はどちらでも対応できるようにと準備しなければならず、直前における中止はそれまでの受験生の努力を無に帰するものでした。

これだけでも多くの受験生を翻弄してきたのに、更に今回も変更。
日本の教育界だけでなく、政府も社会も、何かおかしくなっていると感じます。
とても怖いです。
将来衆望で、明るい未来を夢見て一所懸命まじめに努力してきた子供たちを裏切るような今回の大人の行為。
怒りを覚えます。
同時に、子供たちに対して非常に申し訳なく、自分が情けなく感じます。
最近の日本は何かおかしい。
これまで人が大切にしてきたものを平気で踏みにじっているような気がします。

恐らくこれはこれで終わってしまうのでしょうね。
時間が過ぎればみんな忘れ、自分たちの責任もうやむやで済むと考えているのでしょうね。
今の政府にはその姿勢が顕著で、そして、このような姿勢が日本の頂点から社会全体に広がり、そして、まだ何ものにも染まっていない純粋な子供たちの心にまで広がっていくのが怖いです。
いじめなど子供の間で起こっている多くの問題は、実は大人をそのまま反映したものです。
彼らの手本となる大人がいなさすぎます。

受験生を始めとする未来ある子供たちに絶望とあきらめを与えないように、私一人は非力ですが、それでも何とか力になれるように頑張りたいと思います。
子供に将来の希望のない社会なんて終わっています。
大人の都合で子供の心に傷をつけることのない世の中にしたいです。

最後に受験生の皆さんへ、このように必要以上に苦労を掛けていることを心より申し訳なく思います。
皆さんにはこれまでの受験生以上に困難に立ち向かわなければならなくなってしまいました。
自分のせいでもないのに、大人たちの理不尽な事情により多くのものを失うことになってしまうかもしれません。
いささか勝手ではありますか、できることなら、それでも希望を捨てずに明るい未来を信じ、これまでと変わらず頑張ってほしいと応援しています。

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