塾長ブログ
2021.05.28
勉強ができない生徒はなぜできないのでしょうか。理由は様々でしょうが、いくつか例を挙げて考えてみましょう。
よく「うちの子は勉強ができない」などと言いますが、「勉強ができない=知能が低い」と結論付けていませんか。
私のこれまでの経験から、勉強ができない子は知能が低いからできないのではないケースがほとんどです。
問題はそれ以前にあるのです。
ということで、今回はできない原因となるものをいくつか挙げてみたいと思います。
「自分が勉強できないと思い込んでいる」
人間、思い込みと言うのがその行動や思考に大きく影響します。
「自分ができない」と思い込んでしまうと、本当はできる力があるのにできなくなってしまいます。
逆に、「自分はできる」と思い込んでいると、これまでできなかったことができるようになったりします。
よくスポーツ選手は、試合前に自分の勝利した姿をイメージするトレーニングをします。
それもこのことによります。
暗示とも呼ばれるこの作用ですが、多くの勉強ができない子供たちは、これまで勉強が分からないとき散々非難され、自分に自信を失って、「もう自分は何をやってもダメなんだ」と思い込むようになっています。
こうなってしまうと、その暗示を解くのは一苦労です。
だから、一番大事なのは子供ができないとき、すぐにダメな奴とか頭が悪いなどのレッテルを貼って責めるのではなく、根気強く本人が分かるまで付き合ってあげること、そして、常に「頑張ればできるんだよ」と励まし、本人が自分を信じ前向きになれるように支えることです。
因みに、勉強嫌いの子供にも同様のことが言えます。
勉強が嫌いなのは問題が解けないからという子供は非常に多いです。
これも先ほどと同じく、「本人が壁にぶち当たったときの周囲がどのような対応をしてきたか」によって勉強嫌いになるかどうか決まり、一度勉強嫌いになってしまったら、その子を勉強に向かわせるのは大変です。
私がよく言うのは「勉強は好きにならなくてもいいから、嫌いにならないでほしい」ということです。
そのためには予防的に注意して子供と接しなくてはいけません。
親が勉強をみて、自分にとって簡単なことができないとき、ついついイライラして、そのストレスを解消するために子供を避難してしまいますがこれは子供にとっては何の益もありません。
本人のことを思うなら、いくら自分がイライラしてもグッとこらえる心の広さ(長期的視点で考えることができる)と本人を信じ根気強くついてあげてください。
(親御さんも忙しいかもしれませんが、そんなときは第三者に助けてもらうのも一つの手です。)
勉強の楽しさが分からない
小学校に入ったとき、みんな勉強が嫌いではなかったと思います。
それまで憧れていた学校に入り、これからたくさん勉強しようと希望に満ちていたと思います。
しかし、学年が上がるにつれ勉強嫌いが増え、勉強が楽しくないという子供が増えてきます。
大きな原因の一つは上記にもあるように、壁にぶつかったときの対応です。
だから、周囲の人間次第で子供が勉強への興味や喜びを持続させることは可能です。
よく自分の好きなことであれば、大人がびっくりするぐらいなんでも知っている子供がいます。
自分から進んで調べ、積極的に理解し覚え。
勉強も同様であってほしいと思います。
そうすれば、勉強がどんどんできるようになり、その喜びからまた自主的に勉強をするというプラスの相乗効果が現れます。
ここで大事なのは、このプラスの効果を産み出すきっかけです。
それは直接学校の勉強でなくていいです。
例えば、先日ちょうどスーパームーンの月食がありましたが、これを見た感動から宇宙に興味を持ち、そこから理科が好きになるなんてことが考えられます。
つまり、勉強から少し距離を置いたところから攻めてみるのです。
そして、そのためには多くの実体験が効果的で必要になります。
どんな些細なことでもいいから(料理を作る、山登りをする、昔のお城を訪ねる、歴史的映画を見る、ホームステイで外国の人と触れるなど)子供に自分の体を通した体験をさせてあげましょう。
きっとその中に自分が面白いと思えるものが見つかるはずです。
そのためには鉄砲を数多く撃たなければなりませんね。
何をやったらいいか分からない
これもよくあるケースですが、やらなければならないのは分かっているしやろうと思っているのですが、何をどのようにやればいいのか分からないとう場合です。
これは本人だけで解決するのは難しいでしょう。
だから、周りの人間がきちんとしたアドバイスをしてあげることです。
子供と話し合い問題点が何なのかを的確に見つけ出し、その原因にどのように対処すればいいか教えてあげる。
葛西TKKアカデミーのような個別指導の場合、本人の勉強の度合いに合わせて勉強の進度の調整がききます。
中学の数学ができない理由を突き詰めてみると、実は小学生の時の分数だった。
そんなときはすぐに分数の基礎に立ち返り指導できます。
(他の生徒と一緒の集団指導では難しいですね。)
そして、勉強ができない根源的問題が解決すると、みるみる今までできていなかった数学の問題が解けるようになります。
勉強ができない理由は他にもたくさんあり、生徒一人ひとりで違うことがよくあります。
単純に「勉強ができない」と決めつけて、ひたすらプレッシャーを与え続けるのではなく、そのもう一つ前の理由を探しましょう。
本当の問題はそこにあるのです。
そして、そのためには一番に対話を通して子供を理解すること、子供を励まし支え、自分は頑張ればできるという自信を持たせてあげることが大事です。
親が勉強のできない子供をただひたすら怒り非難するのは何の効果もありません。
自己否定に陥り、状況を悪化させるだけです。
そうなると元に戻すのは至難の業です。
そうなるのだけは避けてください。
こちらが一生懸命教えて何とかできるようになってほしいと情熱を傾けるのはいいのですが、それがすぐに結果として出ないからと言って精神的に不安定になってはいけません。
子供の成長速度は様々で、すぐにはできるようにはならないかもしれません。
でも、勉強の本来の目的が彼らの将来のためだとするなら、我々は本人を常に信じ、長い目で見守ってあげるべきです。