塾長ブログ
2021.06.08
漢字を上手に覚えるには。漢字をただ繰り返し書くだけでなく、ちょっとしたことを意識したり工夫したりすることで覚えやすくなります。
漢字が苦手な生徒はたくさんいます。
特に最近はそのような生徒が増えている気がします。
最近はスマホやパソコンの普及により、漢字を自ら書く機会が減っています。
平仮名を打って変換するだけでは、書きたいと思ったときに漢字がなかなか出てきません。
これは大人も同様で、「最近、なかなか漢字が思い出せない」という声をよく聞きます。
つまり、漢字を覚えるには困難な環境になってきているのです。
(逆に、SNSなどで活字を読む機会は増えているようですが、特定の人間との交流が中心となっているので文のバリエーションが少なく、表現の豊かさも乏しいので、こちらも漢字の勉強には不利かもしれません。)
漢字を覚えるにはどのようにすればいいでしょうか。
一般的には教科書などで出てきた漢字をノートに10回、20回ずつ書いて覚えるというのがあります。
確かに何かを覚えるとき、繰り返すというのは一つの方法です。
掛け算の九九なども何十回、何百回と繰り返すから覚えられるのです。
でも、このような単調作業の繰り返しは退屈で苦痛です。
そこで少しでも漢字を覚える助けになるコツをあげてみましょう。
漢字のパーツ(部首)に注目
漢字の多くはいくつかのパーツの組み合わせでできているのにお気づきでしょうか。
「明」と言う字は「日」と「月」からできています。
このように基本的なパーツ(それらは簡単なものが多い)の組み合わせで、その組み合わせを覚えてしまうのです。
漢字そのものを一から覚えるより、すでに覚えたものを利用して新しい漢字を覚えた方が楽です。
しかも、「へん」などの部首には意味を表すものが多く、部首の意味を覚えておくと漢字そのものの意味を覚える助けになります。
例えば「亻」は人に関わる者で、「亻」の漢字を集めてまとめて覚えるのもよい方法です。
また、部首によって読みは同じでも意味が変わる漢字もたくさんあるので、今度は部首違いの共通部分を持つ漢字てまとめるのもお勧めです。
例えば「尞」に人を表す「亻」がつけば「同僚」の「リョウ」になるし、病気を表す「疒」がつくと「医療」の「リョウ」になります。
屋根を表す「宀」がつけば「学生寮」の「リョウ」になります。
(このように音を表す部分と意味を表す部分の組み合わせでできている漢字を形声文字形声文字と言います。)
このように共通のパーツを意識して、同様のものをまとめて覚えると、一度にたくさん漢字を覚えることができます。
正しい書き順、正しい姿勢を覚えよう
結構みんな適当に書いていますが、私の経験上書き順は非常に重要です。
字を書くのが苦手な生徒は基本的に書き順がぐちゃぐちゃで、結果として字のバランスも悪いし、鉛筆を行ったり来たりさせるので時間もかかり、書くのに疲れてしまいます。
(最近の生徒は体力が落ち、文字がしっかり書けなくなっています。)
筆の文化で生まれた漢字なので、書き順が正しくないと綺麗に書けませんし、余計な力が入って疲れやすく、長い文章は書けません。
なかなかチェックしづらいですが、低学年のうちに書き順を正しく覚えましょう。
基本ができれば、難しい漢字もその応用なのでうまく書けるし、覚えやすくなります。
原則として書き順は上から下、左から右です。
後、書く姿勢も気になります。
背中を丸め机に顔を近づけていると正面から文字を見ないのでバランスが悪く汚い字になってしまいます。
この姿勢を維持するのは意外とつらいので、すぐに疲れてしまいます。
また、左手で方杖をつく生徒も多いですが、こうすると紙やノートが抑えられず固定できないので、書いているときに動いてしまい上手く書けません。
抑えずに動かないようにするには筆圧を抑えるしかなくなり、最近の生徒の文字が薄い原因の一つでしょう。
適度に力を入れて書かないから筋力が落ちて、長く書くことができません。
このように漢字を覚えるには書くという作業が必須ですが、正しい書き方を身に付けていないと長時間文字を書くことができません。
だから、漢字を練習し覚えるには書き順や姿勢が大事なのです。
何冊も手を出さず、一冊の漢字練習帳を完璧にする
よくあるのが、飽きっぽくて一つの漢字ドリルを終わらせることなくやめてしまうというパターンです。
俗に言う三日坊主ですね。
そして、しばらくして「やっぱり漢字を覚えなきゃ」と言って、本屋さんでまた新しい漢字ドリルを買う。
気づけばやりかけのドリルが山のように残る。
これはいけません。
いろいろなものに手を出すのではなく、一冊のドリルを繰り返しやって完璧に覚える方がいいです。
漢字は無限にありキリがありません。
店頭にはたくさんの漢字ドリルがあり、あれもこれもやらないといけないような気になってしまいます。
一回やって終わりではもったいない。
そもそも、一回で全ての漢字をマスターできるはずはなく、そんな中途半端で他のドリルをし、それもこれも全部中途半端ではドリル代がかかるだけでもったいないです。
一回でやめるのではなく、何回も何回も繰り返して分からない漢字を少しずつ減らしていく。
そして、一冊完璧になってから次のドリルに移ってください。
いや、一冊完璧ならそれで十分かもしれません。
本当に一冊完璧ならかなりの漢字力がついているはずです。
だから、最初から分厚いドリルをしないでください。
最初は薄いので十分です。
そして、それがきちんと身に付いてから少しずつ漢字のレベルと量をあげていきましょう。
自分の能力を超えすぎているものは取り組みにくいのでやめましょう。
現在の力よりちょっと上くらいが丁度いいです。
実戦を通して覚える
よく「国語の勉強と言えば漢字お覚えるくらいしかない」と言う人がいます。
でも、それは違います。
定期テストや小テストなどあらかじめ出題される漢字が決まっているときはやってもいいですが、学力テストや入試などどんな漢字が出るか分からにテストの勉強では漢字をやる意味はかなり薄いと思います。
国語の勉強は読解などやらなければいけないことが沢山あります。
「漢字しかない」という人は国語の勉強を知らない人です。
漢字はとても多く全てをやっていたらそれだけで莫大な時間が掛かります。
そして、その割にテストで出されるのは読みが五問、書きが五問と言ったところでしょうか。
しかも、一つ1点や2点。
他の長文読解や記述などの勉強をやった方が効率よく点が伸ばせます(一問5点とか)。
だから、漢字だけの勉強はしない方がいいです。
むしろ、長文などよく読んで、分からない漢字があればその時覚える。
この方が読解能力を高め、しかも漢字もある程度覚えられます。
そして、重要な漢字は色々な文章を読めば何回も出てくるので、自然と覚えてしまいます。
問題をやるとき出た漢字は覚えますが、それ以上、わざわざ漢字の勉強をする必要はあまりないような気がします。
また、文章を読めば、そこには文脈もあるので、漢字がエピソード記憶となり、より覚えやすくなります。
漢字そのものの意味だけでなく、その使い方も分かります。
このように実践の中で漢字に触れているとなんとなく頭の中に残っているもので、読みはもちろん、書いたことのない漢字でも書けてしまったりします。
一つの漢字をノートに20回書いて覚えるより精神的負担が少なく、苦痛もないかと思います。
このように生きた漢字を覚えるのはとてもお勧めの方法です。
他にも漢字を覚えるコツはいくつかあると思います。
人それぞれ合うやり方も違うと思いますので、これで大丈夫とは思わないでください。
勉強は千差万別で誰にでも通用する勉強法はありません。
個人個人に合わせて変える必要があります。
漢字に限らず、どのような勉強方法がいいか分からないときは葛西TKKアカデミーまでご連絡ください。
いろいろ提案しますし、実際にやってみて何が適しているか一緒に考えたいと思います。
勉強は工夫次第でいくらでも楽しくなります。
ただ苦しいだけの勉強ではなく、その持つ意義に感銘したり、新たな発見に感動できる指導ができればと常に心掛けています。
皆さんも大変だと思いますが、そんなときはいつでも葛西TKKアカデミーに頼ってください。
お待ちしております。