塾長ブログ
2021.06.29
東京オリンピックに小中学生を動員!?見栄えをよくするため?拒否はできないの?実際現場ではどうなっているのか生徒に聞いてみました。(その二)
先日、コロナウイルス感染が危ぶまれる中開催される東京オリンピックにおいて、小中学生が学校教育の一環としてオリンピック観戦に動員されるのではないかというお話をしました。
これまでの経緯を説明し、問題点を指摘して終わりましたので、今回は残りの、当の生徒たちはどう考えているのかお話します。
これは当塾に関係する生徒の話なので人数としては非常に限られていますか、実際の生徒たちの声なので拝聴の価値はあると思います。
オリンピック観戦について学校ではどのように話されているのか
私の聞いた生徒に限って言えば、学校でオリンピック観戦についての話題は一切ないということです。
むしろ、教育委員会が生徒たちにオリンピック観戦をさせようとしているということさえ知りませんでした。
だから、未だに何の準備もしていませんし、これは保護者も同様らしいです。
家庭への配布物にもそんなことは全く書いていないので、このままオリンピック観戦はやらないのではないかと言っていました。
一部の生徒によると、去年まではオリンピック観戦についての話も活発だったが、今年に入ってからは全く話が出なくなったそうです。
また、別の生徒は年間行事予定表には「オリンピック観戦」が書いてあるそうですが、だからと言ってそれについての話は今のところ学校からは一切ないそうです。
これらのことがどういう事情かは分かりませんが、この時期になってもそういった話題が出てこないということは、オリンピック観戦はないのではないかと言っていました。
確かに直前に言われても、本人も保護者も戸惑いますよね。
ただ、「やるにしてもやらないにしても早く決めてほしい」という声も聞かれました。
更に、「万が一、学校でオリンピック観戦が決まったら参加するか」という質問もしてみました。
すると生徒たちは、はっきりと「行きたくない」、「休む」と答えました。
コロナウイルス感染のリスクを考えるなら、例え学校の課外授業だから欠席扱いになるとしても行かないそうです。
そして、これは保護者も同じようで、やはり自分たちの子供をわざわざオリンピック観戦に、感染リスクを冒しでまで行かせたくないという意見が多いようです。
最後に、「オリンピックについてどう思っているか」ということを生徒たちに聞いてみました。
私の聞いた限り、生徒たちは「オリンピックに興味ない」というのが本心のようで、自分たちの生活とはかけ離れたもの、関わりないもの、どうでもいいものという感じです。
「周りの友達もそうなのか」と聞いてみましたが、同じく関心がないそうで、オリンピックの話題が日ごろの会話に上ることはほぼないそうです。
政治家の人が訴えるほど生徒はオリンピックに興味がなく盛り上がっていません。
それよりも早く普通の学校生活に戻してほしいと言っていました。
生徒によるオリンピック観戦に関する動き
このように当事者である生徒たちはそこまでオリンピックに興味を持っておらず、むしろコロナウイルス感染や熱中症の危険あるイベントにわざわざ参加したくないと考えている人が多そうです。
政治家の皆さんがおっしゃる通り「一生の思い出」として、その生徒の人生にポジティブな影響を与えるか非常に疑問です。
万が一のことが起きたときの政府としての責任と対応も明確ではなく、この安心できない状況がより生徒をオリンピック観戦から遠ざけているみたいです。
これは現地で実際に引率しなければならない学校の先生方も同じで(この点に関しては前回の記事の中にあるので参考にしてください)、本音は政府の言うように管理しきれないということみたいです。
実行した時何が起きるか、細かいシミュレーションと対策を考えるなら、現体制で生徒たちをコロナと熱中症から守り、思い出に残るオリンピック観戦を実現することは不可能。
問題発生の可能性は非常に高く、責任を負いきれないというのが、正直な見解でしょう。
このようなイベントが行われるときは、イベント当日だけでなく、その前からかなり細かくしっかり準備しないといけません。
その負担も現場の先生には大きなものです。
実際に、東京周辺の自治体ではこのオリンピック観戦用のチケットをキャンセルするところが増えています。
埼玉では生徒たちに配られる予定のチケット全体の75%がキャンセルとなり、千葉でも半数ほどのチケットがキャンセルとなっています。
理由はコロナウイルス感染や熱中症に対する不安がぬぐえないこと、まだ不確定な部分が多いこと、生徒を別枠としていることなどです。
東京では目黒区が中止を決定していますが、他の自治体はまだそのようなことは発表していません。
自治体として中止の決定はしないのかもしれませんね。
「最終的には学校長の判断」と教育委員会は言っていますが、市町村などが先にキャンセルを明言することで、学校としては非常に助かるところがあると思います。
コロナウイルス感染がまた増えてきています。
減少傾向にあったときは強気なことを言って、感染者上限1万人+αとしていた政府も、無観客もありるみたいなことを言い出し始めました。
この期に及んでなお、日和見主義みたいな態度は現場を混乱させると同時に、政府に対する信用をなおも落とします。
もっとしっかりしてほしい。
子供たちのことだけでなく、本気で国民のことを考えてほしいです。
(自分たちの周りのごく一部の者のことだけでなく)
その点、オリンピック観戦のキャンセルを決めて自治体は英断だったと思います。
本当に子供たちのことを考えているのは誰なのか分かりますよね。