塾長ブログ
2021.08.05
質問があったのでお答えします。「宿題はいつやればいいの?どのようにやればいいの?効果的な宿題のやり方は?」
今日はある質問に対して考えてみたいと思います。
「宿題について、いつやるのがいいのですか。そして、どのようにやるのがいいのですか。」
確かに考えてみればよく分からないかもしれません。
やるだけなら(やったという体裁を繕うだけなら)、どうという形でも終わらせさえすればいいのですが、勉強になる、そして効率のよい宿題のやり方となると、ちょっと注意が必要です。
塾をやっていて感じるのが、宿題を直前までやらない生徒が多いということです。
成績の良くない生徒は特にその傾向が強いです。
前回の授業から一週間近くたって問題に取り組んでも、授業で習ったことの多くが忘れられ、従って、せっかく授業で説明していても正解を出すことが難しい。
これでは宿題の効果はありません。
宿題はできれば習ったその日、遅くても次の日にはやってほしいものです。
こうすると記憶も新鮮なので、宿題を解きながらその日に習ったことを思い出されるので、問題もたくさん解けます。
解きながら、その日の授業で起きたことと一緒に思い出す。
人間の記憶は覚えたいものそのものを脈絡もなく覚えるより、何かと関連付けてそれを手掛かりに思い出すようにした方が定着します。
歌を歌うとき、しばらく歌っていないにも関わらず、メロディーに合わせて最初の一節を歌えば、思い出そうと努めなくても次から次へ歌詞が頭の中に出てきて歌える経験をしたことはありますか。
また、年号を覚えるとき、語呂合わせで「鳴くよウグイス平安京」なんて言って「794年」を覚えませんでしたか。
それと同じように、記憶には思い出すきっかけとなる「キュー」と上手に結びつけることがコツです。
学習項目だけでなく授業での出来事を思い出すためにも、習ってすぐに宿題に取り掛かることをお勧めします。
そして、塾の宿題のように週に一回の宿題であれば、次の授業までに二、三回は繰り返してもらえると最高です。
有名な「忘却曲線」の研究にもあるように、物事を覚えるにはすぐに何回も繰り返した方が脳内に定着します。
人間は覚えたつもりでも、実は完全には覚えていなかったりします。
その思い違いや誤りを修正するためにも、時間がある場合は宿題を繰り返しやった方がいいです。
「一度できたから大丈夫」なんて言いますが、意外と同じ問題をやっても全問正解にならないことが多いです。
そして、何回も問題を繰り返し解くためにも、答えは問題集やプリントに直接書き込まない方がいいです。
一度書いてしまうと答えが見えるので勉強の練習としては二度と使えません。
ノートに解答をすれば、元の問題は綺麗なままなので、宿題のときに限らず、後日総復習するときも何度でもその問題を活用することができます。
プリントや問題に書き込んで宿題を提出しなくてはならないときも、できれば何度かノートにやってから、最後に書き込むのが理想的です。
学校のように提出までの 期間が短い時はやむ得ない、一回で我慢しましょう。
それでも、その一回を慎重に丁寧にやれば内容も身に付き、宿題の価値が生まれます。
こうして習ったときに習ったことを着実に一つずつ身に付けていくことが勉強のコツです。
ここで問題が二つ。
一つは、授業から解放されて心が緩み、ちょっと休みたい、すぐに宿題をやる気にはなれないこと。
もう一つは、何回も繰り返すことが面倒くさく、やる前から嫌になってしまうことです。
どちらも理解できますが、でもやる価値は十分にあると私は断言したいです。
授業が終わってホッとしてやるみたい気持ちも分かりますが、そこはもう少し我慢して宿題をしてから休憩しましょう。
やる決心がつくまでは大変ですが、そこを何とか乗り越えて、全ての憂いをなくしてから休むとこれまで以上の安心と安らぎが得られますよ。
そして、繰り返す作業も同じです。
どうしても怠けたい気持ちがありますが、そこを自分でコントロールできるようになると人間としても一つ成長につながります。
どちらも子供一人で成し遂げるのは難しいので、やはり周囲の大人のサポートがあった方がいいです。
このとき、「やりなさい」と強要するのではなく、励まし後押ししてできたらほめたたえることが大切です。
そうして徐々に慣れ、習慣化すれば自然と上手な宿題のやり方が身に付きます。
よくあるダメな宿題のやり方として次のようなことがあります。
ギリギリまで宿題をやらないで、間に合わないから答えを丸写しして提出する。
これは何の意味もありません。
ただその場しのぎでごまかしただけで、何の勉強にもなっていません。
当然何も学んでいないから何も身に付いておらず、結局いつかまた学び直さないといけません。
二度手間です。
しかも、勉強は既習事項を基にして新出事項を習うので、ごまかしを続ければどんどん新しいことも分からなくなります。
この負のスパイラルが進めば進むほど分からないことも増え、やり直さないことも増え、最終的には時間が無くなり受験などでは大きなマイナスとなります。
更に、答えを丸写ししても先生はしっかりそれを見抜いています。
ただ何も言わないのは、そんなことをしても最後に困るのは自分だということを知っているからです。
知らないふりをふりをするのは自己責任だから関与しないということ。
バレていないわけではありません。
安易にその場しのぎでできたふりをするのはやめて、できない自分を受け入れ、その上で一つ一つ丁寧に学んでいくことが重要です。
そして、一人で解決できないときは葛西TKKアカデミーに来てください。
いつでも生徒たちの力になる用意があります。
まあ、彼らがごまかしたい気持ち、できない自分を受け入れられない気持ちもよく分かります。
これについても、また別の機会に。
でも、効果のない勉強はしない方がいいと忠告しておきます。
やるなら最大限に、そしてここで決める。
そんな気概で宿題をしてください。