塾長ブログ

2021.11.07

高校入試におけるスピーキングテストの導入。新しい情報が入りましたのでお知らせします。

高校入試におけるスピーキングテストの導入。新しい情報が入りましたのでお知らせします。

何度かここの記事でも触れたことがあるのですが、東京都教育委員会は高校入試においてスピーキングテストを導入する方向で、着々と準備を進めています。
これまでの英語の「聞く」「読む」「書く」の三技能に加えて、「話す」も試験に導入することで、これまで指摘されてきた日本人の英語コミュニケーション能力の低さを克服しようという狙いがあると見えます(実際の試験内容や学校教育の内容がそれに準じているかどうかは別として)。

大学入試での導入はとん挫しましたが(とは言え、文科省は近いうちに大学入試でもスピーキングテストを実施することを決定しています)、東京都では事業者(ベネッセコーポレーション)と提携し、高校入試の点数の中に英語の「スピーキングテスト」の点数を追加します。
このスピーキングテストは「ESAT-J」と呼ばれ、タブレット端末、ヘッドフォン、マイクを使って、受験生が実際に話した英語を録音し、それを評価します。
テスト内容は以前に話しましたので、ここでは新しい情報として、テスト結果がどのように入試の得点に反映させられるか、ESAT-Jのスケジュールについてお伝えします。

ESAT-Jの都立高校入試における評価法
ESAT-Jのテストは基本的に都内の中学校が会場になる予定です。
試験監督および採点は事業者であるベネッセコーポレーションが行い、受験生が解答した音声を録音したものを使って採点します。
この結果は100点満点で示されますが、入試ではこれを20点満点6段階評価(4点ごとに段階分け)に換算して利用されます。
評価Aは20点、Bは16点、Cは12点と順次点数が付けられ、最低ランクのFは0点となります。

そして、この結果は各学校及び自治体に提供されます。
送られた結果は受験生の調査書に記載され、志願先の都立高校へ提出されます。
つまり、調査書点に加えられるのですね。

その結果、都立高校の合否判定に関わる点数はどのように変わるのでしょうか。
これまで都立高校の合否は、調査書にある内申点に基づく調査書点と試験当日の学力検査の点の総合点で行われてきました。

・学力検査の得点
 各教科100点満点の五教科の合計点500点満点で評価されたものを700点満点(一部都立高校、分割後期、二次募集は600点満点)に換算したもの。
・調査書点
 中学校での成績表にある5段階評価の数字をそのまま得点とした内申点(ただし実技4教科は2倍で評価されます)65点満点を300点満点(一部都立高校、分割後期二次募集は400点満点)に換算したもの。
これら合計1000点満点でこれまでは判定されていましたが、これにESAT-J枠として20点満点が追加され、合計1020点満点で評価されるようになります。

1020点満点中の20点と甘く見ない方がいいです。
入試は1点で合否が分かれます。
だから、例え1点でも疎かにできません。
ましてや、スピーキングテストができるとできないでは20点もの差がつくので、これは合否を左右すると言っても過言ではない事態です。

尚、ESAT-Jを受けられなかった受験生は、入試において不利にならないように学力検査の英語の得点(受験当日の得点)から仮のESAT-Jのスコアを出し、総合点に加算するそうです。
この処置が本当に公平かどうかは疑問です。
スピーキングが苦手な受験生はあえてESAT-Jを受けないで、当日試験に集中してより高得点を出した方が有利かもしれません。

令和4年度以降のESAT-Jのスケジュール
実際に入試でESAT-Jが使われるのは令和4年度以降、令和5年の高校入試からの予定です。
現段階でのスケジュールは次のようになっています。

・令和4年7月下旬から9月上旬まで
 ウェブによる申し込み、および特別処置申請
 ↓
・令和4年11月27日(日)
 ESAT-J受験
 ↓
・令和4年12月18日(日)
 ESAT-J受験予備日
 ↓
・令和5年1月中旬
 個人及び中学校の結果帳表の受取
 ↓
・令和5年2月
 都立高校入試選抜でのESAT-Jの結果活用

コロナウイルスの時勢柄、会場や使用機になどに対してガイドラインに基づく感染症対策が実施されるということです。
(手指消毒の徹底、マスク着用、関係者の検温、タブレット端末の除菌など)

このように都立高校入試においてスピーキングテストがかなり現実的になってきました。
しかし、多くの生徒や保護者はまだ知らない人が多いかもしれませんね。
しっかり情報収集をして早目の対策をお勧めします。
もちろん、葛西TKKアカデミーでも要望があれば対策を行います。

現在、日本の学校教育で行われている教育改革は非常に大規模で、これまで親御さんが経験したことのない教育になっていきます。
この変化にいかに対応できるかどうかが、これからの学校生活、受験、そして人生の成功への大きな鍵となるでしょう。
未知のことで不安もあるかと思いますが、要はきちんと対策ができていれば大丈夫です。
逆にできない人は落ちこぼれてしまい、各家庭、個人、及び学校にどれだけ対応能力があるかで、その後の生徒たちの人生が変わってくると考えられます。

いろいろ分からないこと、不安なことがあると思いますが、そんな時はどうか葛西TKKアカデミーまでご相談ください。

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