塾長ブログ

2022.03.29

漢字に興味を持とう!日本人の苗字って面白い

漢字に興味を持とう!日本人の苗字って面白い

漢字は生徒たちが苦手とするものの一つです。
漢字が覚えられない、つまらない、面倒くさいなどと理由は様々。
それでも学校で強要され、漢字嫌いが悪化し、関心もなくなり見るのも嫌ということはよくある話です。

しかし、ちょっと工夫するだけで勉強は大きく変わります。
勉強で一番大事なことは興味を持つことです。
だから、勉強で「面白い」「どうして」なんて子供たちが興味が持てるように考えましょう。
嫌だという気持ちが薄れ、面白そうと思えれば、勉強に取り組むことも容易になるはずです。

ということで、今回は日本人の実際にある苗字についてお話します。
そこから漢字を面白いと思って、少しでも興味を持ってもらえればと思います。

漢字はいくつあるの?

一体漢字はいくつあるのでしょうか。
日本に限ってみても、どこまでが正式な漢字と見なすかは議論が分かれるところです。
しかし、一般には文化庁が示す常用漢字表に載っているものを言う場合が多く、同省も国語の漢字の目安としています。
この常用漢字表には約2100の漢字が記されています。

2100字というと多そうに感じますが、毎日7字ずつ覚えれば一年でもおつりがくるくらいです。
しかも、その全ての読み書きできなくてはならない訳でもなく、読みだけで十分な漢字などもあるので、そうすると漢字を覚えるのは意外と簡単かも知れません。
もちろん、実際には漢字単体で使用されるより、熟語など複数が組み合わさって使われることも多いので、本当はもっと勉強しないといけません。

珍名さん!

漢字は学校でテストに出るから勉強しないといけないというだけでなく、社会に出てからも漢字が分からないと生活や仕事に支障をきたします。
だから、漢字をしっかりと学ぶことは非常に大事なのですが、特に幼い生徒には漢字の勉強は苦痛のようです。

ということで本日の本題です。
日本は世界に類を見ないくらい苗字の多様な国です。
隣の韓国などに比べると、苗字の種類は圧倒的に多く、その中には奇妙なものもたくさんあります。
そのような珍しい苗字の中から、独断と偏見で面白そうなものをご紹介します。
クイズみたいに、何と読むか考えてみてください。

1.小鳥遊
2.月見里
3.春夏冬
4.四月一日
5.八月一日
6.栗落花
7.一
8.二
9.九
10.十

さあ、全部読めましたか。
では、答え合わせをしましょう。

1.たかなし  天敵の鷹がいないから小鳥が遊ぶから
2.やまなし  里で月が見えるということは、月をさえぎる山がないということだから
3.あきなし  これは簡単ですね。秋だけないから
4.わたぬき  この日に綿を抜いて、服を冬用から夏用にしたから
5.ほずみ   この日に稲の穂を摘む風習から
6.つゆり   梅雨入りのころ、栗の花が落ちるから
7.にのまえ  一は二の前だから
8.したなが  二という漢字は下の棒が上の棒より長いから
9.いちじく  一字で「く」だからですかね。
10.つなし   一つ、二つと数えたとき、十だけ「つ」がつかないから

どうですか。
何だかとんちクイズみたいですが、これらは実在する名前のようです。

どうして日本の苗字はこんなに多いのか

世界的に見ても日本人の苗字の多さは注目に値します。
日本の苗字は約30万種類もあり、中国の約4000種、韓国の約250種と比べても、どれほど多いか分かります。
では、どうして日本の苗字はこれほどたくさんの種類があるのでしょうか。

昔は貴族などの一部の地位の高い人が自分の住んでいる地名などを苗字として使っていました。
しかし、身分の低い一般の人々には苗字というものはありませんでした。
1870年になってようやく、日本人全員が苗字を名乗ることを法律で許されました。
それでも、多くの日本人は苗字を持つことはしませんでした。
理由としては、「全ての日本人は元をたどれば天皇家に帰着するので、特別家柄を強調する必要がない」という考え方、そして、幕府の政権下で「苗字は武士や公家などの特権階級のもの」という意識が根強かったからです。
しかし、苗字がないと戸籍や土地の記録で不便ということで、政府は苗字を持つことを義務化し、守らないものには罰則を与えることにより、ようやく日本人全員が苗字を持つようになりました。
このように日本人の苗字は比較的最近になって作られたからというのが苗字の多さの理由の一つとなっています。

もう一つの理由としては異字体などの多さがある。
例えば「渡辺」という名前は「渡邊、渡邉、渡部」と同じ読みなのに漢字が異なる。
「斉藤」も同じで「斎藤、齋藤、齊藤」など。
これは苗字が義務化され役所に提出するとき、まだ識字率も高くなかったので間違った字で提出してしまったからだと言われています。
逆に同じ漢字でも読みが複数あったりと、一つの苗字にバリエーションがあることも原因です。

地域性も苗字の多さに関わっている。
日本の苗字は地域性が強く、それぞれの土地に特有な苗字が多く存在する。
似た理由で、沖縄には特に珍しい苗字が集まっています。
地域の文化的多様性も、日本の苗字の多さに貢献しているようです。

今回は漢字のまめ知識と、日本の苗字についてお話しました。
このように「嫌々覚えなくてはならない作業」としてではなく、「面白い雑学」と捉えられれば、漢字と見る目も変わってくるでしょう。
そうすれば少しは苦手意識も薄まり、興味が多少は持てるのではないでしょうか。
全く嫌いだったものが、「好きではないけど、見るもの嫌というほどではない」になれば、これは勉強に取り掛かる第一歩となります。
その小さな一歩から徐々に勉強していき、「できなかったことができるようになった」「解けなかった問題が解けた」「ああそういうことかとひらめいた」という経験を積めば、勉強がだんだん楽しく興味深くなっていきます。

これは漢字だけでなく何事でもそうです。
先ずは「嫌ではない」「面白そう」と思えるところから始めましょう。
勉強があまり苦ではなくなります。
そして、苦ではないから勉強に取り掛かれる。
練習をすれば少しずつ分かって解けるようになる。
つまり、工夫次第、考え方次第で勉強はできるようになるのです。
このことを忘れず、皆さんも勉強に励んでください。
応援しています。

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