塾長ブログ
2022.04.03
英検のメリット
たくさんある検定試験の中で『実用英語技能検定(略して英検)』は特に学生の間で認知されている検定試験ではないでしょうか。
実際に小学生から大学生まで多くの学生が毎年この検定試験を受けています。
今回は英検を受けるメリットについて考えてみたいと思います。
英検とは
多くの方はご存知と思いますが、英検についてご説明したいと思います。
公益財団法人日本英語検定協会が実施する英語技能の検定試験です。
国内の英語の検定試験としては最も伝統のあるものとされており、受験生の英語レベルに応じて各級の認定を行います。
小学生や英語を学び始めたばかりの子供たちが受ける5級から中学生レベルの3級、高校生レベルの2級、そして、国内外でも高く評価される1級となっております。
1級から3級にはその級に準じたレベルとして「準1級」「準2級」「準3級」が設けられています。
英検は言語運用の「読む」「書く」だけではなく、「聞く」「話す」という技能まで評価します。
英検の1次試験の解答は選択肢を選ぶマークシート方式となっています。
しかし、1級と準1級では「書く」技能も測る記述問題が含まれます。
「話す」の方は試験官と面談で行う2次試験で測りますので、2次試験のない4級、5級は評価に含まれません。
各級の提示する点数に届いていれば合格となります。
因みに試験結果も単に合否を知らせるものではなく、自分の到達度がどれくらいか、どこができていなかったかなど詳しく報告されているので、その後の英語の勉強のとても良い参考資料となります。
英検を受けるメリット
それでは本題の英検のメリットを話していきたいと思います。
英検を実施している公益財団法人日本英語検定協会は、文科相が後援していることもあって、国内における信頼度が非常に高く、ある程度の級を取得しれいれば、入試や就職がとても有利になります。
他にもいろいろいい点がありますので、簡単に見ていきましょう。
1.英語を勉強する励みになる
特に英語を勉強し始めた子供たちにお勧めです。
英検4級、5級は比較的簡単で小さいお子様にも取得しやすい内容となっています。
まだ人生経験の少ない子供たちの中には、この英検が人生最初の検定試験という人が少なくありません。
始めての試験で合格すれば、当然本人はうれしくなり、英語の勉強の励みになります。
そして、更に上の級を目指そうという非常に強い動機付けもできます。
よく分からないまま、ただ「勉強しなさい」と言われるより、やる気になります。
「頑張れば結果が伴う」ということを身をもって経験できるので、英語だけに限らず他の教科の勉強にも良い影響を与えます。
2.英語に早くから取り組み、英語嫌いを防止する
先述の通り、英検は初級から上級まで幅広い層が利用できる内容になっています。
だから、小学生の時から、英検をきっかけに英語の勉強に取り組んでいれば、中学に入ったとき他の生徒より一歩先んじることができます。
逆に中学に入ってから本格的に取り掛かろうとしても、小学校の時からやっている生徒がスラスラ解いていると焦って、「もう自分はダメだ」なんて意識が芽生えてくるかも知れません。
このような苦手意識があると、その後の勉強や受験において大変苦労します。
だからこそ、英検を通して早くから英語に慣れ親しむのは良い理由になります。
3.入試で有利になる
漢検や数検もそうですが、英検においてもある程度の級を持っていると入試で有利になることがあります。
例えば高校受験において、私立の高校では英検3級を持っていると内申点に「1」プラスするという学校もあります。
大学受験でも英検2級を持っていると英語の試験が免除されたり、入試の点数に加算されるところもあります。
このような優遇処置を利用することで、自身の入試を有利にすることができます。
また、英検の内容は学校の英語のおける学習項目と一致する部分が多いので、英検の勉強がそのまま学校の勉強とつながり、受験勉強にも共通するので、英検の勉強はわざわざやらなくてはならない手間とは決してなりません。
受験勉強で自分の実力を測る力試しにもなるので、英検を受けることは受験生にとっても意味があります。
更に、大学に入学した後も、英検を持っているとそれを英語の単位として認定してくれる学校もあるので、学生にとって英検の勉強は決して余計で無駄なことにはなりません。
4.「話す」能力も判定できる
英語の検定試験は他にもたくさんありますが、英検のように「話す」技能まで判定してくれるものは多くありません。
TOEICにはスピーキングテストはありませんし、TOEFLには一応スピーキングテストはありますが、これはパソコンに向かって音声を記録するという形なので、真の意味での英語のコミュニケーション能力を測っているとは言い難いです。
もちろん、発音の美しさや、問いに対する適切な答えが言えるかどうかという点では能力を評価することができますが。
人によっては英検の二次試験のように、機械ではなく実際に目の前に人がいてコミュニケーションをしながら試験を受けた方が楽だという人もいるでしょう。
また、3級から面接試験で「話す」能力を見てもらうので、中には中学生の時から受けていて、英検のスピーキングテストの方が慣れているのでやりやすいという人もいるでしょう。
5.就職に役立つ
英検は学生だけでなく社会人にも有利にはたらくことがあります。
就職試験でもそうですし、塾講師など業種によってはアルバイトでも英検を持っていることで採用の可能性が高まります。
例えば、教員採用試験では、英検の準1級や1級があれば教員採用試験の一部が免除されることがあります。
また、貿易や英語圏に関わる会社に就職、転職する際も、ある程度の英検の級が採用時の目安になり、アピールポイントとなります。
社内における外国の拠点への出張や出向にも英検があるといいです。
英検の注意点
このように英検のメリットを述べてきましたが、英検の注意すべき点もあります。
一番の注意点は、英検は国内において非常に権威がありますが、国際的には認知が低いということです。
英検は国内の機関が行っているもので、国際的な組織によって運営されている訳ではありません。
だから、留学の資格として英検は認められないことが多いです。
こちらはTOEFLが要求されます。
また、これまで話した通り、英検の受験生の多くは学生であり(全体の8割近く)、どちらかというと1級、準1級を除いては社会人向けの試験とは言い難い点もあります。
逆に言うと、社会人の場合、1級、準1級以外の級を持っていても、あまり役に立たないということです。
同じ英語能力のレベルであっても、英検2級よりTOEIC750点以上取った方が優遇されます。
TOEICは」ビジネス向けの試験であるのに対して、英検は学生向けの試験であるという認識が強いためです。
別の注意すべき点としては、二次の面接試験における公平性があげられます。
人間同士の一対一の面談であり、採点は試験官の主観によるところがどうしても大きくなるため、同じ解答をしたとしても評価が異なる可能性がるのです。
受験生としては結果に納得がいかないこともあるかもしれません。
とは言っても、試験官も採点基準を理解し経験も積んできた人たちなので、不公平は極力ないように努めています。
なので、「まあ、そんなこともあるよね」くらいの気持ちに留めておきましょう。
以上、英検を受けるメリットについて考えてみました。
英検は英語の勉強を始めたばかりの生徒や児童から、かなり熟達した大学生、社会人まで幅広く対応した試験と言えます。
だから、どのレベルの人間でも取り組みやすく、学校の勉強とも重なるところが多いので、学校の勉強の一環としても便利です。
政府の承認の下、国内では広く認知され伝統もあるので、ある程度の級を持っていると、その英語力が保証され、学校の評価や入試、就職などにおいて優遇(場合によっては要求)されることも多いです。
よって、英検を頑張って勉強し合格することは十分価値があると考えます。
また、文科省は大学入試において英語の「スピーキングテスト」も導入しようと試みており、その際は民間の英語の検定試験を利用することを示しています。
将来的には入試科目から英語が外され、検定試験の結果がそのまま入試の合否判定に利用されるようです。
都立高校の入試では今年の後半にスピーキングテストが実施される予定です。
このような教育改革に伴う入試の変化を考慮に入れても、英検に慣れておくことは大事な意味を持つでしょう。
小学校高学年から英語が正式な教科となり、学校教育における英語の重要性はますます大きくなっています。
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