塾長ブログ

2022.10.16

こどもにイラッと来たら

こどもにイラッと来たら

以前、子供に対してどうしてイライラするのか、その原因について議論してみました。
今回はイライラを感じたとき、どのように対処するべきかを考えてみたいと思います。

子供に対してイライラするというのは、自分の心に余裕がないからで、そのまま感情に任せて反応すると、子供の心を傷つけたり後で後悔するような行動になってしまったりします。
不必要にその場の雰囲気を壊したり、時には気まずい関係が長く続いてしまったりします。
子供の精神に悪い影響を与え、大きな問題を引き起こすきっかけになることもあります。
「あ、言い過ぎたな」なんて思ったことのある人は多いのではないでしょうか。
しかし、引っ込みがつかなくなって、結局はうやむやなままに日々の生活が過ぎていく。

このようにならないためにも、自分が子供に対してイライラしていると感じたとき(またはそうならないように)対処法を知っておくことは有意義でしょう。

1.先ずは一呼吸置きましょう

こんな時はたいてい冷静ではないので、客観的に物事を見ることができず、自分の一方的な論理で結論に至ってしまいます。
それが間違っていても、主観的にしか考えられないので「自分は正しい」と思い込み、子供に対して不適切な対応を取ってしまうこともあります。
必要もないのに、子供に対して怒ったり言い過ぎたり。
一度言葉や行動に出してしまえば、その事実は消えることないので、後で過ちを正すには膨大なエネルギーを必要とします。

そうならないためにも、最初の一手は非常に重要なものになります。
自分の判断が間違わないように、先ずは冷静になる必要があります。
言葉や手が出る前に一呼吸(深呼吸)して、頭に上った血を下げましょう。
イライラのピークは6秒などとよく言われるので、この6秒を乗り越えれば気持ちも落ち着き、心にゆとりも出てきます。

2.口にする前に頭の中で一周させて

そして、言葉を発するときは、頭に浮かぶ言葉をそのまま言うのではなく、一度頭の中で発して、その言葉がどのような結果を引き起こすか考えましょう。
自分の言葉が本当に的確なのかを判断する必要があります。
もし、それが間違った認識に基づくものであれば、言われた子供に負の影響を与えることになります。

「本当はそうじゃないのに、親は自分のことを分かってくれない」など、正当に扱われていないということは、本人の人格を否定することにつながり、時にはそれが大人へ対するむやみな反発になったり、自己否定につながったりします。
心の傷として残り、自分に対する自信を失うこともあり得ます。
そうなると、親の軽いつもりで発した言葉が子供の生涯に影響を与えてしまうことになり、その責任を考えると軽はずみな言動は控えないといけません。

このような過ちを回避するためにも、言葉を発するとき(特にこのような考える心の余裕がないとき)は一度立ち止まって、何でも構わずに言わないで、一度考えてみましょう。

3.時には言わない勇気、様子を見る余裕を持って

一度立ち止まって判断しろと言われても、イライラして頭に血が上っている状況では、まともに考えることもできないでしょう。
自分が正しい言動を取れているかどうか分からないときは、何もしないのもありです。
周りが見えなくなって誤解によって子供に間違った対応を取って、それがその子の心に大きな傷を負わせるくらいなら、何もしないでおく方がいいかも知れません。
時間を置いてじっくり考えてから、正しい対応をしてください。
イライラしてすぐに何とかしなくてはと思うのも理解できますが、焦りは禁物です。
しばらく様子を見て、状況を正確に把握した後、どのようにするのが一番いいか考えてから行動しましょう。
必要ならば感情的にならず冷静に子供に質問し、真実を見極めてからでも遅くはありません。
子供にイライラしているときは、言いたくてもその場で言わない方が良策ということもあります。

4.物は考えよう

子供に対してイライラして、ついつい不機嫌な態度を取ってしまう親は、実は子供に対する思いと責任感が非常に強いことが多いです。
その気持ちは大事ですし、何も間違っていません。
でも、その対応を誤ると大きな問題に発展することがありますので注意してください。

そこで、子供の態度などでイライラしているときは、この言葉を思い浮かべてください。
「物は考えよう」
考え方を少し変えると、これまで許せなかったことが許せたり、一度落ち着いて冷静に判断できるようになったりします。
目の前の問題に対して「自分がすぐに何とかしなくては」と考えるから焦ってしまう、自分の思い描く理想に現実がぴったりそぐわないからイライラしてしまうのです。

自問自答してみましょう。
「本当に自分がしなくてはならないのか、他の人に頼ってはいけないのか」
「現実は自分の理想の遠いでなくてはいけないのか」
今持っている自分の考えの根本を自分で問い直してください。
そうすると、実はそうでなくてもいいようなアイデアも浮かんできます。
「まあ、今は出来なくてもいいか」「まだ成長中の子供なんだから6割できれば上出来だ」「ここは良くないけど、ここは上手くやっているな、褒めてあげるか」「けがや命に関わる状況でないから、多少の失敗は目をつむり、いろいろ経験させてあげるのも大切だ」「ここは他の人に任せてもいいかな」など、同じ状況でも考え方を変えれば捉え方も変わり、対応の仕方も変わってきます。
そして、「イライラしても何もいいことがないし、その必要もない」と気づけば、心も楽になりゆとりをもって正しい対応ができるようになるでしょう。

5.一度発した言葉は戻らない

最後に、このことをよく思い出してください。
言葉はどのような意図であれ、一度口にすればそれは元に戻らないということです。
発した言葉はもう自分のコントロールから外れ独り歩きします。
時には自分の予期せぬ解釈をされ、誤解されたまま消えることなく次から次へと伝わっていくこともあります。
そして、誤りを訂正し正しく理解されるのは至難の業です。
莫大なエネルギーを必要とし、それでもうまくいかないかも知れません。
また、例え再認識に成功したとしても、それまでの過程で人々に与えた影響がなくなるとも限りません。

つまり、言いたいことは何かというと、言葉は非常にデリケートで恐ろしいということです。
だからこそ、その扱いは慎重でなくてはなりません。
一時の感情に任せて使ってはいけないのです。
自分の言葉が人に対して与える影響に責任を持たなければならないということを忘れないでほしいと思います。
イライラして普通でいられないときはなおさら、よく考えて言葉を選ばないといけないのです。
このことを肝に銘じていれば、きっと自分の発言に対して後悔することも減ってくるでしょう。

以上、子供に対してイライラしたときの対応について考えてみました。
このような平常ではないときに、冷静になって慎重に行動することはとても難しいです。
でも、自分のせいで子供の人生にマイナスの影響を与えてしまうということは避けなければなりません。
そのためにも大事なのは、普段からイライラしないで済むような、心にゆとりが持てる状態を作っておくことです。

「ものの考え方を変える」というのも一つの方法です。
そうすれば、少しは気が楽になります。
何もかも自分で背負い込んで焦らないでください。
完璧な子育てでなくてはならないと気負い過ぎないでください。
子供と同じように、親も成長するものです。
何度も何度も経験を積んだ親のプロなんていないのですから。
だから、思い通りにいかないと言って子供に対して怒る必要はありません。
大切なのは、子供のことをよく考え、愛情を持って接することです。

イライラは自分で作りだしているだけで、自分の心持しだいでなくなると考えてみましょう。

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