塾長ブログ

2023.08.08

言語学習で行われるシャドーイングとは

 

言語学習で行われるシャドーイングとは
今や小学校から英語が正式教科になっています。
これまでの知識としての英語から、実際にコミュニケーションを通じて海外の人たちと交流できる使える英語へと、学校の英語教育も変わってきています。
「読む」「書く」が中心だった英語学習も、「聴く」から「話す」まで含めた総合的なものが求められています。

特に、「聴く」「話す」能力となると、これまでの学校教育を受けてきた先生方にとって、非常に指導しづらいものであります。
そこで今回は、英語に限らず言語学習の場でよく使われている学習法であるシャドーイングについてお話したいと思います。

シャドーイングとは

シャドーイングとは、音声を聞きながらその音声を真似て発音する学習法です。
音声を影のようにぴったりついていきながら、自分も発音するのでシャドーイングと言います。
特徴としては、音を聞いてから発音するのではなく、「聴きながら発音する」点です。
「聴く」というインプットと「話す」というアウトプットを同時にやるので効率よく練習ができるのです。
よって、リスニングとスピーキングの両方を鍛えたい人にはお勧めです。

特に最近では、都立高校入試にスピーキングテストが導入されましたが、学校も含めその指導は十分に確立していないのが現状です。
だから、受験生は自分たちで何とかしないといけないのですが、そんな時にもシャドーイングは役に立つでしょう。

シャドーイングのやり方

ただ聴いた英語をそのまま自分の頭の中で聞こえたように発音すづだけではいけません。
それでは正確な発音は身に付かない恐れがあります(俗に言う「そら耳」です)。
従って、最初から段階的にシャドーイングを強化していくのがいいでしょう。
1.音声を聴いて原稿と見比べる
先ずは音声を聴いてみます。
その後、その音声の原稿を見て、自分がどこを聴き取れていなかったか確認します。
原稿を見て理解できた部分は聴き取りの弱い部分、原稿を見ても理解できなかった部分はそもそも英語力不足だった部分です。
こうして自分の弱点をあらかじめ知っておくということは、効率よい勉強には必要です。
2.区切りながら発音してみる
シャドーイングは音声を聴きながら発音しなくてはいけないのですが、いきなりそれをしろというのは酷な話です。
先ずは、一文ずつに区切って練習しましょう。
この時、文法などの細かい点にこだわって理解するのではなく、一文全体として伝えていことを理解するようにしましょう。
知らない単語があれば覚えないといけないし、音声を聴いて正しい発音を身に付けなければなりません。
このようにして英語の基礎的な語彙などを増やして、シャドーイングの土台を作ります。
3.聴きながら読みながら発音してみる
いよいよ音声を聴きながら発音してみます。
原稿を指差ししながら文字を追って、自分なりに英語を発音していきましょう。
音声がどのように話しているかに注意しつつ、自分も同じように話してみます。
この時に意味も考えられるといいです。
文字と音声の二つのサポートがあるので、意味の理解はそれほど難しくはないと思います。
発音がどうしても追いつかないときは「口パク」でも構いません。
4.音源だけを聴きながら発音する
慣れてきたら原稿を閉じて、音声だけを頼りに発音してみましょう。
上手くいかなければ音声のスピードを落としてみたり、もう一度原稿を見て発音するところまで戻って練習してください。

シャドーイングのメリット

シャドーイングのメリットとしては、その言語独特のリズム、音のまとまりと区切り、アクセントやイントネーションを習得できることです。
これは「読む」「書く」だけの勉強では身に付きにくい点です。
そして、言語をそのまま聴いて理解するので、リスニングも頭から言葉を理解できるようになり、よりネイティブに近い思考で言語運用ができるようになります。

これまでの文法中心の英語学習では日本語に訳すことが重視され、その時に英語を日本語の語順に置き換えて理解していました。
しかし、テンポよい言葉のキャッチボールが求められる実践の場では、これではコミュニケーションがうまくできません。
シャドーイングでは、ネイティブのように聴いた言葉を、そのままその言語で理解するので、よりスピーディーな会話もできるようになります。

そして、その言語の音声的特徴を理解し、音声そのままの聴き取りができるということは、同様にその言語の話者と同じように話すこともできるということになります。
つまり、シャドーイングでリスニングが強化されると、自然にスピーキングも強化されるということです。
この時も、ネイティブと同じようにその言語でそのまま考えることができるようになるため、より実践的で自然な発音とコミュニケーション能力が身に付きます。

シャドーイングをすれば音声で単語やフレーズに多く触れるようになるので、ただ見て覚えるより語彙が定着しやすくなります。
ネイティブのように考えることができるようになると、その言語の仕組みも分かり文法力も上がります。

シャドーイングの注意点

このようにシャドーイングを活用すれば、リスニングとスピーキングが上達し、語彙力や文法、英語的思考も身に付くわけですが、その運用には注意も必要です。

先ず、最大の注意点として、いきなりシャドーイングをしてはいけないという点があります。
聞きながら理解しながら話すわけで、それができるようになるにはある程度の英語の下地ができていないといけません。
よって、初心者がいきなりシャドーイングを始めるのはあまり効果が期待できません。
もし初心者が試みるなら、初心者に相応しい、短く分かりやすいものを選びましょう。
そして、シャドーイングも全て分かろうとするのではなく、最初は単語レベルから聞き取れれば上出来です。
慣れてくれば、フレーズレベル、文レベル、文章レベルとだんだんできるようになります。
焦ってはいけません。

先ほどのことと関連しますが、自分に合った音声を選ぶことも重要です。
難しすぎても簡単すぎても行けません。
「α+1」とよく言われますが、現在の自分の能力に1だけプラスした程度がちょうど良いとされています。

そして、教材選びもわざわざシャドーイング専用のものを探す必要はありません。 
最近は一般的な長文の問題集でもQRコードがついており、スマホやアプリを利用して音声を聴くことができます。
しかも、音声の速度を調整する機能がついているものも多いので、自分の英語力に合わせて調整できます。
また、Youtubeや専用アプリを使ってシャドーイングをすることも可能です。

最後の注意点として、必ず誰かに聴いてもらう機会を設けましょう。
自分一人で進めると間違ったアクセントや発音があっても気づきにくいものです。
これまで頑張ってきた成果をチェックしてもらって、「自分は本当に正しくシャドーイングができているか」「スピーキングが自己流になっていないか」など確認しましょう。



以上、シャドーイングの説明でした。
確かにシャドーイングは初級レベルの生徒たちには活用が難しいかも知れません。
しかし、やり方のコツと意義をきちんと理解すれば、英語上達に大きな力となるでしょう。
最初は上手くいかないかもしれませんが、自分を信じて根気よく毎日練習するといいでしょう。
そして、うまくいった暁には、ネイティブに近い英語力が身に付くはずです。

勉強は人によって千差万別、向き不向きがあります。
どれがうまくいくかはやってみないと分からない部分が多くあります。
だからこそ、様々な方法を試して自分に最も合った勉強法を見つける必要があります。

今回のシャドーイングは、結果を出せれば自分の能力を大幅にアップすることができますので、是非お試しいただきたいと考えます。
もし勉強で困ったことや分からないことがあれば、いつでも葛西TKKアカデミーまでご相談ください。

お待ちしております。

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