塾長ブログ

2023.11.07

今年の高校入試で変わったこと

今年の高校入試で変わったこと
今年度も高校入試が近づいてきました。
今月下旬には都立高校の入試の一部であるESAT-J(英語のスピーキングテスト)が行われます。
受験生はいよいよ本格的に志望校を考え始め、多くが模試を受け始めています。
こうした中、今年の高校入試の動向もだんだん見えてきました。
そして、受験生の動向には入試制度における各変更点が大きく影響しています。
そこで、今年の入試はどのように変わったのか、そして受験生にはどのような傾向があるのか考えてみます。
注目すべきポイントは二つ、合格者の男女枠の撤廃と5類に下げられた新型コロナウイルスへの対応の変化です。

1.合格者の男女枠の完全撤廃

今年の入試で一番大きな注目点は、合格者の男女枠の撤廃です。
これまでは各高校の男女比を保つために、合格者は男女別々に分けて判定されていました。
例えば100人合格ならば、男女それぞれ50名ずつ合格となります。
しかし、合格者の点数の幅は男女で同じということはないので、仮に100点満点中60点取っても、男子では合格できるのに女子では合格できないという事態が起こります。
同じ点数であっても男女という理由で合否が分かれるということです。
長い間男子と女子は区別して考えるのが当然とされてきましたが、男女の平等が叫ばれるようになって、性別による合否の違いは不公平ではないかという意見が強くなってきました。
そこで、東京都教育委員会ではこれまで段階的に、都立高校入試における男女枠の撤廃を進めてきました。
そして、今年から完全になくなるということです。

これまでの傾向として、女子の方が全体の点数が男子より高くなっています。
それが男女枠がなくなったことで、合格者の男女比は女子の方が高くなることが予想されます。
これまでの男子枠一部が女子に食われるということです。
つまり、男子はこれまで以上に入試が厳しくなるということで、合格するために志望校を1ランク下げて受験するということが考えられます。

2.新型コロナウイルスの5類への格下げ

次に今年から変わった点として、新型コロナウイルスが5類になったことによる対応の変化が挙げられます。
先ず、推薦入試において集団討論を復活させる学校があること。
これまでは新型コロナウイルスの流行で世間が敏感になっていましたが、だんだん社会的に終息の認識が広まり、かつての平常が戻りつつあるなか、これまでコロナ禍で行われてこなかった集団討論の実施に踏み切る高校が現れてきました。
当然受験生は集団討論への対応も求められます。

また、一般受験においても、新型コロナウイルスに感染した場合、これまでは追試、再追試が認められていましたが、再追試が廃止されます。
しかし、最近では以前のように表立って新型コロナウイルスが騒がれなくなりましたが、未だに新型コロナウイルスは存在しており感染者もいますので、受験生にとっては救済処置がない分、昨年度よりは受験が厳しくなったと言えるでしょう。

3.私立高校の難化

東京都によって私立高校の授業料が出ることになって、実質無償化になって以来、私立高校を第一志望にする受験生が非常に増えてきました。
特にコロナ禍で公立学校の対応が拙く勉強が滞ってしまった一方で、私立学校はオンライン授業などに既に対応していたため、授業を進めることができました。
この事実は多くの家庭に公立高校の脆弱性と私立高校の先進性を印象付け、私立高校人気を更に加速させる結果となりました。
そのせいで受験生が過多になったのでしょうか、いくつかの私立高校で教室やコース、入試制度を見直す動きがみられます。
これまでの推薦や併願優遇制度をなくしたり、コースをより難しいものだけにしたりした学校があります。
もはやこれまでのように、、私立高校は都立高校に落ちたときのための滑り止めという考え方は通用しなくなってきています。

4.その他、今年の傾向

その他、今回の入試の傾向として注意すべき点を挙げていきます。
都立高校一本で受験する生徒が非常に多いという最近の傾向が今年も継続しそうです。
一度きりのチャンスとなることから、多くの受験生は慎重になり、一つ上のレベルの受験生がランクを落として受験します。
そして、実業系の高校と都立の低いランクの高校は今年も倍率が低く、二次募集三次募集が見込まれます。



社会情勢の変化や制度の変更によって、受験にも影響が出るのが確実です。
現状に対応しながら各受験生は戦略を練り、それぞれの志望校を決めます。
今回の受験の最も大きなポイントは合格者の男女枠がなくなり、男子には厳しい受験になりそうだということです。
後、新型コロナウイルスが5類に下げられたことに伴う、高校側の対応の変化にも気をつけなくてはなりません。
前回同様の救済処置はありません。
それから、私立高校を第一志望とする受験生が増加した結果、いくつかの学校では入り口を狭くしているという点も見逃してはなりません。
これら今年の傾向を十分に考慮に入れて、受験生の皆さんはどのように入試を戦っていくか考えましょう。

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