塾長ブログ
2017.12.04
何と、中学生の15%が「日本人だけど、日本語ができない」そうです。これでは問題を解くどころか、日常生活にも支障が出ます。葛西駅そば、個別指導塾葛西TKKアカデミーは子供たちの言語能力に注目し指導します。
先日、新聞に中学生の15%が日本語を正しく理解できていないという記事がありました。
ただ文字が読めないのではなく、文章に込められた内容を正確に理解できないという問題です。
15%の生徒は表記されていない主語が正しく推測できないなど、初歩的な言語能力すら身に付いていなかったそうです。
そして約半数は推論や二つの文章の同異が十分に理解できていなかったそうです。
実際、私も生徒たちの読解力のなさに驚くことがあります。
本人は文字がきちんと読めるので理解した気でいるのですが、内容を詳しく問い詰めると答えられないことがあります。
「理解できていない」ということすら分かっていないのです。
だから問題が的確に理解できない。
問題が理解できなければ当然正しく答えることはできません。
テストができない生徒は、勉強が身に付いていないのではなく、問いにあったアウトプットができないのかもしれません。
言語運用能力の欠如は勉強やテストができないだけの問題ではありません。
日常生活にも大きな支障をきたします。
説明書を見ても機会の操作や組み立てができないなんてことが起きます。
会社などの組織でも、指示が理解できず求められる行動ができないことも考えられます。
このような高度な言語能力はやはり学生時代に勉強を通して養うべきものですが、この現実はそれができていないことの証拠でしょう。
その要因は学校の授業というより、生徒の生活環境の変化にあるのでしょう。
特にSNSの普及は見過ごせません。
内容の正確性より即答が求められ、表現が短縮され、しかもレトリックがパターン化され短調になっています。
そうすると豊かな言語に触れる機会が失われ、限られた普段目にする言葉以外は理解できません。
私も生徒と接し、誰もが知っているようなことわざなどを知らないと分かったとき、愕然としました。
しかも、SNSの言葉は文章ではなく、「り」とか「卍」と言った単発の語(ラインスタンプや絵文字を考えると記号)であることが多いのです。
小説はおろか、新聞の記事や1ページほどの文章でさせ、文字が多く読むのが面倒くさいと感じ、日頃から文章を読まない生徒が多くなっています。
マンガや動画など映像ばかり見ていると、文を読んで情景を想像したり、展開を推測する訓練が乏しくなり、脳の発達にも大きく影響します。
結果、先ほど申したような抽象的概念や論理的思考が読み取れなくないと考えられます。
そしてこれは文章の読解にのみとどまらず、日常の言語コミュニケーションにも支障をきたすのです。
一応会話も読み書きもできるからこそ、この言語能力の問題は気づきにくくなっていますが、皆様も注して子供たちを見てみてください。
少しでも心当たりがあれば、早めに手を打った方がいいでしょう。
その子の人生に関わる問題と言っても過言ではないからです。