塾長ブログ

2018.08.17

重たいランドセル、子供たちの健康が心配です。

個別指導葛西TKKアカデミーに小学生の生徒がいますが、先日、彼女のランドセルを持ってビックリ。
洒落にならないほど重いのです。
以前から小学生の重すぎる荷物については知っていましたが、実際に持ってみるとひどいです。
大人でも重いと感じるくらい。
これを毎日、片道30分以上背負って登下校するのかと思うと、同情と同時に心配になります。

最近取りざたされている問題の一つに生徒たちの持ち物があります。
ランドセルは年々改良されより軽く丈夫になっています。
しかし、教科書やノート、ドリルなどの教材は以前(特に「ゆとり教育」のころ)に比べ格段に多くなっています。
学習指導要領の改訂により、教科書のページすすが増え、サイズも大型化しています。
昔みたいに教科書が上下に分かれておらず、一冊の厚みも増えています。
時には体操着や上履き、ピアニカや粘土も持たなければならず、平均で7.7㎏の荷物を持たなければならないと言われています。
パンパンになったランドセルを背負って、よたよたと通学路を休み休み歩く小学生の姿が目撃されます。
7.7㎏と言えば、自分の体重の4分の1くらいになるので、疲れて当然です。
よく後ろにこける生徒がいるそうです。

中学生では更に教科書は増えます。
更に「置き勉禁止」(学校に教材を置いておくのを禁止すること)なので、毎日生徒は全教科の教材を持って往復しなければなりません。
また、ランドセルではなく、ショルダーバッグになるので、体にかかる重さが偏り、よりバランスが悪くなり、脊柱が湾曲するかもしれません。
歩く姿勢も更に悪くなります。

この問題は生徒を疲れさせ活力を奪ったり、登下校中ふらふら歩いて事故に巻き込まれるだけではありません。
背中に重い荷物をかるわなければならないので、どうしても前傾姿勢になります。
前かがみの姿勢は重い頭を支える首の負担を増やし、肩こりを引き起こします。
また、猫背になり、頭痛や腰痛を発症することもあります。
子供はまだ骨格がしっかりしていませんから、重すぎるカバンは大きなダメージになります。

当然、生徒たちのストレスは計り知れないものでしょう。

このようになったのも、脱ゆとり教育で教科書が分厚くなり、ドリルなどの補助教材が格段と増えたことが原因です。
内容を増やし教材をたくさん持たせれば学力が上がるという短絡的な考え方からきているように思われます。

しかし、それは事実ではありません。
今の学級は35人から40人くらいです。
これだけ多くの人数を一クラスに抱えるのは先進国でも珍しいです。
欧米ではたいてい20人以下です。
当然多くの生徒がいるということは、学力のばらつきも大きくならざるを得ないということです。
人数を減らし小分けにすれば、より個々に合ったレベルでの指導が可能になるのですが、日本の場合はそうはいきません。
結果、学校の先生は中くらいかやや下のレベルの生徒に合わせた授業を行います。
上のレベルの生徒には物足りないし、下のレベルの生徒には難しくてついていけない。
それでも同じ授業を受けさせないといけないのです。
結局、自分に合った授業を受けられる生徒はクラスの中でもほんの数人でしょう。

非効率です。

ある塾でオリジナルのテキストを開発しました。
開発者は初歩から応用まで全て一冊に収めた素晴らしいテキストができたと自負していました。
非常に分厚く、一冊一万円するテキストが出来上がりました。

しかし、多すぎる内容を押し込めたテキストは字が小さく読みづらい、ページと解答のリンクもできていなかったので、答えを探すのが一苦労でした。
全てのレベルの内容が入っているということは、自分のレベルに合っていない部分も大きいということです。
つまり、こんな分厚い本で使うのは本の一部ということです。
何と言う無駄でしょうか。

ちょっと話がそれてしまいましたが、要は安易な内容増加がそれなりの効果を出さず、更に生徒の成長や健康に悪影響を及ぼしているということです。
不必要に重いランドセルがこれだけの悪影響を与えているのであれば、やはり考え直すべきでしょう。

街中で苦しい顔をしながら学校に通っている生徒を見かけます。
大人として、現場を直視し、本当に必要な教材に集約すれば、子供たちの負担も減るでしょう。
そして、そのためには生徒一人ひとりにより対応できる体制を整える必要があります。
例えば、人学級の人数の削減など、やれることはあると思います。

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