塾長ブログ

2020.05.14

コロナウイルスによる休校の影響でオンライン学習が注目されています。今回はオンライン学習には叶わないことから学校の意義を考えてみましょう。

コロナウイルスによる休校の影響でオンライン学習が注目されています。今回はオンライン学習には叶わないことから学校の意義を考えてみましょう。

コロナウイルスの影響で学校の休校が続きます。
集団感染を防ぐため生徒たちは登校せずに外出も自粛されています。
学校からは課題が出され家庭学習となっているのですが、実質的な授業がないのでそれにも限界があります。
学校がなくなったことによって起こる勉強の遅れや家庭内のいざこざに対する不安や心配の声が上がっています。

そこで注目されるようになったのがオンライン学習です。
スマホやタブレット端末、スマホなどを使いインターネットを利用して勉強を行います。
学習ドリルのようにアプリをダウンロードして提供される授業動画を見て勉強の理解をし、付随している問題を解き学習の定着を図ります。
または、zoomなどの双方向のICTを利用して、学校から配信されるライブの授業を受けれるものもあります。
政府としても教育のICT化を進めていますが、現実にはなかなか進まず全生徒にタブレット端末やパソコンが揃わない状況です。
しかし、一部の公立学校や多くの私立学校ではICT化が進み、すでにオンライン学習を実践している所もあります。

このコロナウイルスによる混乱で学校に行けなくなったとき、自宅にいながら授業が受けられる仕組みとしてオンライン学習が評価を受け、全国的に一刻も早いICT化とそれによる家庭学習の振興を求める動きが高まっています。
(学校に行けないからと言って生徒たちをいつまでも教育をストップしておくわけにはいかないですからね。)

とは言え、安易にオンライン学習さえできればもうなにも必要ないという、オンライン万能主義には危険です。
オンライン学習ができないことや不得意なことを考え、現行の教育の意義を考えることは十分に価値があると思います。
本日はその点について議論してみましょう。

コロナウイルスに限らずオンライン学習が活用できるということは不登校や遠隔地教育、病気療養のために学校に行けない生徒にも学習の機会を広げるという意味で有効です。
また、学習の近代化はある部分、勉強効率を上げることにもつながりメリットがあります。
(例えば、生徒が一斉に解いたテストをオンラインで提出すれば瞬時に採点されその評価が記録され個々の得手不得手だけでなく全体としての傾向も簡単に知ることができます。)
子供たちの好きな動画やゲーム感覚の演習などで勉強に興味を持たせ、より深い学習につながるとも考えられています。
コツさえつかめば図書館などで調べるよりずっと簡単に資料や論文を手にできます。

しかし、学校教育という仕組みを考えたとき、オンライン学習だけでいいかというとそうでもないような気がします。
単に知識の習得が目的であればオンライン学習で十分で学校は必要ないように思えます。
では、何のために学校があるのでしょうか。
それは「人と人の交わり」ではないでしょうか。
人間が社会的動物であり、いくら技術が発達しても人の交わりなしに一生を過ごすことはできないでしょう。
人間から社会性を奪ってしまえば健全な人間は育たないと思います。
だからこそ、学校などの物理的に人間が生身で接触できる場が用意されているのであり、いい意味でも悪い意味でも人との触れ合いの中から知識以上の知恵や意義を見出していけるのではないでしょうか。
このような人格形成や社会性を身に付けるのも教育の欠かせない役割です。

もちろん現行の教育が完璧でオンライン学習に反対している訳ではありません。
今の学校教育は問題だらけだし改善の余地は大いにある。
オンライン学習の有用性は間違いなく否定できるものではなく、活用していいと思います。
どちらか一方の二者択一と考えるのではなく、お互いの長所を生かし短所を補い合うことで、より生徒のためになる教育を目指そうと思うのです。

子供の成長には個人差があり、早い子もいれば遅い子もいます。
現行の教育ではこれらの生徒を全て同一のクラスに配し、同じ授業を行うのだから個人個人で見れば不公平だし、順列が評価の基準となっているから、人間の一面だけ取って優劣を小さい頃から付けられる。
これにより子供たちが優越感や劣等感を持ち、いじめや様々な弊害を引き起こすこともあります。

オンライン学習であれば個々のレベルに応じて学習進度を変えることもできます。
この点において音来学習は有効です。

しかし、社会は多様な人間の集まりであり、その中でもうまく付き合っていける力が無いといけません。
これは実際に本人たちが自分の経験を通して出ないと分からないことです。
何も問題にぶち当たらず大きくなれば幸せな子供時代なのかもしれませんが、大人になったときに大変です。
むしろ、いろいろ失敗し、悩み苦しみ、その中でいろいろ考え人間をそして社会を理解していく方が、世間に出たときに強い人間になれると思います。
痛みを知るからこそ、人にやさしくもなれるでしょう。
当然、加減や相手の気持ちなどが十分に分からない子供たちだから、それをフォローし支えてやる大人の存在は非常に重要であり、そんな責任を持つ教育が必要です。

SNSの発達はいじめなどの問題行動をより表面化させにくくしています。
そんな時に周りに誰もいないと子供たちは孤立し、有効なアドバイスや相談相手がいなければ解決方法が見つけられず、将来に絶望し、最悪自らの命を絶つこともあります。
そうでなくても、外部は怖いものだと思い込んだり、人とどうして接すればいいか分からなかったりして、自分の殻に閉じこもってしまうかもしれません。
人間として社会の中で生きていくことを考えたとき、これは知識以上に大変な問題です。
そのようなことにならないためにも学校という場が不可欠であり、オンラインで全てやってしまえばいいというものではのだということを強調したいと思います。

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