塾長ブログ
2020.11.30
コロナウイルスによる休校後の学校
一斉休校から学校が再開しましたが、コロナウイルスの感染防止をするため数々の制限のある不自由な学校生活を送っています。
現場の小中学校でも夏休みの短縮に始まり、土曜登校、学校行事の中止縮小などにより何とか授業時間を無理やりにでも捻出し、休みで行えなかった勉強を取り戻そうと必死になっています。
それに伴い授業もかなり速いスピードで進められています。
生徒たちもそれに追い付こうと必死なのですが、あまりにも進みが早く、当然付いていけない生徒もたくさん生じています。
実際に私も生徒たちの勉強を見る中で、気づけばいきなりとんでもなく教科書が進んでいて驚いたことが何度かあります。
どのような授業を行っているのか分かりませんが、確かにスピードが速くなっている気がします。
制限ある学校生活と、生徒を置き去りにしてでも後れを取り戻し、あたかも「やりましたよ」感だけ醸し出す授業。
学校は生徒たちにとって、かなりストレスの多い日常になっているようです。
それに伴いいじめも急増中で、生徒の自殺者も増えています。
学校のいじめだけでなく、授業についていけない焦り、特に受験生は大事な時期に思うような勉強ができず絶望感の中日々勉強を頑張っているような状況。
更に、子供が困ったときに頼るべき大人(親)も、コロナウィルスのせいで仕事がなくなり、十分な生活費も稼げず、家計を守るためにこれまで以上に働かなくてはならず、とても子供の悩みは異変に気付いてあげることができなくなっているのも一因でしょう。
(特にシングルマザーなどの社会的弱者とされる家庭ではこの傾向が顕著です。)
この点はまた別の機会に言及したいと思います。
もし、学校が中央からの要請に応えることのみに注力するならば、形式的でもいいから授業をやって、遅れた分を取り戻すことが第一になってしまいます。
その結果、一番被害を受けるのは生徒たちということになってしまいます。
通常でもついていけない生徒は出てくるのに、日程的な遅れを取り戻すという学校側の理由だけで急ピッチに授業が進めばこれまで以上に追いつけない生徒が生じるのは当然の帰結です。
学校はとにかく残りの授業の消化に必死で、本当に生徒が学んだことを身に付けているかは二の次になっているのであれば、詰込みで分からない生徒にまで手が回らず、彼らは取り残されるしかありません。
政府または学校の都合で生徒の学びが阻害されるのは非常に許しがたいことです。
これが教育なのでしょうか。
主体的学習を目指して始めた教育改革の初年度にコロナウイルスによってより一層形式的授業を推し進めなければならないとは何とも皮肉です。
また、現場では生徒の状況に理解しつつも国の方針だからと授業のペースを落とすことができず、本気で生徒のことを考える先生は余計にボロボロになるのでしょう。
このような状態では生徒も学びを楽しむことはできず、分からなくても自分はほったらかしにされると感じ、勉強に関心を失うのも仕方ありません。
このような大人の都合で子供たちの勉強への興味が失われることは本当に不幸です。
では、この状況を打破するにはどうすればいいのでしょうか。
一番の問題点は現場に負担がかかり過ぎ、柔軟に対応できるゆとりがないことだと思います。
だから、少人数制クラスを実現し、生徒や先生により濃密に投資ができるようにすることが大事だと思います。
そうして、生徒一人一人に丁寧な学習を提供することで、彼らの勉強への興味を強め、より深く楽しく学ぶことができるでしょう。
クラスは増えるし、よりきめ細かい教育を提供し勉強の質を高めるには一クラスごとの人員を増やす必要もあるでしょう。
つまり、教員数の増大は必要であり、他にも教育環境を整備し高度なサービスを供給するには予算もより多く確保しなければなりません。
しかし、これは国にとって単なる消費ではなく、将来有望な人材を育成するための投資であり、有能な人材が増えれば国の繁栄も約束されるので、決してけちるべきものでもありません。
子供は国の宝です。
大判振る舞いしてもいいくらいです。
ちょっと話がそれました。
すみません。
また、この点に関しては別の機会に。
とにかく、もっと学校の現場を生身の生徒のことを真剣に考えてほしいということです。
きちんと考えれば、今、生徒や学校が直面している色々問題が見えてきて、問題点が明確になれば対策も出てくるはずです。
しかし、今の政府ではそのようなことが全くできていない。
コロナウイルスによってもたらされた、現場で起こっている数々の不幸をまるで実感として把握できていない。
本当に悲しく思います。
私は小さな私塾の塾長でしかありません。
できることは非常に限られていますが、それでもできることなら子供たちの力になりたいと常々考えています。
このような前代未聞の混乱状況の中で、生徒やご家庭で困ったことがございましたら、気軽に話してください。
是非、問題解決できるように尽力したいと思っています。