塾長ブログ

2021.01.14

緊急事態宣言の中、入試シーズンがスタートしました。入試ではコロナウイルスに感染しにくいと言われていますがなぜでしょうか。

緊急事態宣言の中、入試シーズンがスタートしました。入試ではコロナウイルスに感染しにくいと言われていますがなぜでしょうか。

東京都を始め日本の様々な地域で入試が始まっています。
先週末の中学受験をスタートとして、来週にはいよいよ共通テストが行われます。
その後、私立大学の入試、都立高校の推薦入試、私立高校の入試、都立高校の入試、国公立大学入試と立て続けに入学試験が実施されます。
コロナウイルス感染を恐れ、中学受験では面接が中止された学校もあります。
共通テストでは大学入試センターが明確なガイドラインを提示していて、感染防止に努めています。
その他の入試でも各大学をはじめとする学校が、それそれにコロナウイルス対策をして受験生が感染の心配がないように準備しています。

よく専門家の間でも、入試では他の状況に比べコロナウイルスにかかりにくいと言われています。
文科相もどんなにコロナウイルスの感染が広がっても共通テストを中止するつもりはないと発言したのは、これが理由の一つでしょう。
なぜ入試ではコロナウイルスの感染リスクが少ないのでしょうか。

第一に、今回の入試において政府を始め各試験会場でも感染防止のために様々な対策をしていることがあります。
前日から会場の殺菌消毒を徹底し、会場によっては当日入場時に検温をする。
マスクは常につけ、試験当日に忘れた受験生がいたら、会場がマスクを提供する。
導線を決め受験生がむやみに拡散しないようにする。
入場退場時には時差を設け、一度に受験生が集まって密にならないようにする。
休憩中は窓を開け換気をする。
昼食は個々が間隔を空け、おしゃべりせずに食べる。
他にもありますが、このように感染防止に向けた取り組みをしっかり行っているので感染しにくいということです。

それにもともとカンニング防止のため受験生同士の間は広くとられており、見知らぬ受験生が多く参加するので、積極的におしゃべりすることもあまりありません。
自分のことに集中して、他人のことまで気が回らないのです。
つまり、入試会場は元来、飛沫感染しにくい環境だということです。

また、感染者の年齢と重症化した人を比べると、若者は比較的感染しにくく、しても無症状だったり、軽度の症状で済むことが多いというのも理由にあげられています。
これが今回のコロナウイルスの厄介な所でもあるのですが、感染者が表立って分かりにくいのです。
結果、無意識にウイルスを広めてしまったという面もあるのですが、かかっても特に症状が出なければ本人の受験には支
障がないように思えます(ただ、自分が大丈夫でも人に移して、相手が重症化する危険性はあるのですが)。

また、受験生を持つ家庭は、一般の家庭以上にコロナウイルスの感染に気を遣い、あらゆる手段で自分の子供を感染させないように努力するところが多いです。
同じ家族でも離れて食事をし、家の中でもマスクをし、外から帰ったら手洗いうがい。
お風呂は受験生を最初に入れて、親からうつさないようにする。
タオルや使う道具も各自が別々のものを使い、使いまわしは極力避ける。
学校も受験生に気を遣い感染防止策を実行していますが、それでも登下校中の感染を恐れ、中には学校を休ませる家もあります。
また、外に出ることが多い父親をホテルに宿泊させ、受験生と接触しないようにするという話も聞きます。
感染経路も家庭内感染が一番多いようで、どうしても神経質になるのでしょう。
ここまで徹底するとすごいとしか言えませんが、本人のこれまでの努力、一生のかかった本番を無にしないようにするにはこのぐらいしてもちょうどいいくらいでしょう。

とは言え、コロナウイルス感染のリスクが全くないわけでなく、少しでもそのような不安を抱えて受験しないといけない生徒たちに同情を覚えます。
政府を始め大人たちの対応が適切であれば、もっと早い段階で終息し、今頃はこのような心配なく試験に集中できたのではないかと思うと非常に悔しく感じます。

いくら会場の感染防止を徹底しても、会場への行き帰りでは街中で多くの人と接触するわけだし、試験後に友達と会えば、その開放感から当然お話に夢中になることでしょう。
都心の受験生はまだ自宅から試験会場に通えるから、感染リスクは少ないでしょうが、例えば地方から上京し、更に宿泊もしなくてはならない受験生は、これらの受験生より感染リスクは高まり、慣れないところでの宿泊は不安を一層あおり、実力が十分に発揮できない可能性もあります。

無症状キャリアーが怖いと申し上げましたが、これだけの重大な試験になるとどうしても受験生は具合が少々悪くても、無理をして試験を受けようとするものが少なからずいるでしょう。
その時、他の受験生にウイルスをうつすかもしれません。

また、若者はコロナウイルスに対して比較的感染しにくい、症状が軽いと言いましたが、実際に小中校問わずクラスターは発生しており、重症になっている人もいます。
しかも、毎日のように何百人何千人と新規感染者が発生している状況では、どこに感染者がいてもおかしくなく、更に感染力の強い変異株もあるとのこと。
いつどこで誰が感染してもおかしくないのです。
実際、非常に注意して感染予防を徹底していた人がかかったという事例もあります。
家から出ただけで危険と言っても過言ではないでしょう。

更に、今のような医療機関が圧迫されている状況では、感染したからと言ってすぐに適切な治療を受けられるとは保障できません。
後、受験生ばかり目が行きがちですが、試験には試験監督を始め準備や運営に多くの人々が関わっており、これらの若者ではない人々の感染も考える必要があります。

以上のように入試においてコロナウイルス感染のリスクは比較的低いとはいえ、全くないわけでなく、そこまでの危険を冒してまで受験をしなければならないか、正直疑問が残ります。
もう少し工夫して、こんな危険な状況下で受験をしなくてもいいようにできなかったのか。
文科省を始め多くの人はもう日程を変更することなく、このまま危険な炎の中を突っ切ることに(実際突っ切るのは受験生ですが)しています。
とにかくやって終わらせたいということでしょうか。
そこには本当に受験生の健康や命を重んじた考えはあるのでしょうか。

もう直前で状況は変わらないでしょう。
嘆いても仕方ないのは分かっているのですが、もっとどうにかできたはずと思うと悔しくてたまりません。
このような状況になってしまったことに対し、全ての受験生に向け謝りたい気持ちです。

本当に今年の受験生は例年以上に苦難や困難があり、それでもめげずに頑張って勉強したことに敬意を表します。
とにかく、みんな大変ですが、自分を信じ、持てる力を全て出し切って後悔のない受験にしてほしいです。
非力ながら応援しています。

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